Double Side Story ~Seventh Heaven~

Double Side Story ~Seventh Heaven~

2005.06.21
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カテゴリ: お気楽な話。
そのとき。
僕がなんとなく空を見上げると、そこには薄いピンク色をした
ふわふわのウサギが走っていました。
誰かに飼われている風ではなかったけれど、
だからといって泥臭さなど微塵も感じさせない。
どこか上品な雰囲気のウサギでした。

赤いリボンと、小さな鈴のついた金色のピアスが揺れる不思議なウサギ。
彼女(彼かもしれないが、リボンだから彼女にしておこう)が走るたび、
それはゆるやかに風になびいて、キレイな音を奏でていました。


森の樹々に阻まれて足元を見ることができないけれど、
真っ直ぐに走り抜けていく様はまるで飛んでいるようでした。
一直線にどこかを目指して、パタパタと走っていきます。

僕はそのウサギに興味が湧いて、小走りで追いかけることにしました。
ウサギは一生懸命走っているのだけれど、僕が追いつけないほどではなく、
むしろ歩いていても前に出てしまうのではというほどでした。
でも、僕が前に出たら怖がって逃げてしまうのではないか?
そんな風に思った僕は、ゆっくりと後ろから彼女を見守ることにしました。
少し距離を取って、彼女が怖がらない位置で追いかけます。

パタパタ…パタパタ…
草むらを抜けると、彼女は石でできた橋の上にさしかかりました。

まるで跳ねるように、グングンと速度を上げていきました。
『あれ…?そっちの方角は…』

橋を抜けた先にあるもの。
それは僕の家でした。
この広い森で、この橋を渡って行ける場所といえば僕の家しかないのです。


家の前まで来ると、彼女が扉に向かってジャンプしていました。
どうやらノブに手が届かないようです。
僕は彼女を抱きかかえると、
『ほら、これでいいかい?』
そう声をかけました。
一瞬、キョトンとした表情でこちらを見ていた彼女でしたが、
コクコクと頷くと、どこからかカギを取り出して口にくわえました。
『それは…ウチのカギ?』
彼女は何も言わずに、鍵穴へと顔を伸ばします。
カチャ。
不思議なことに、彼女の持っていたカギは僕の家の扉を開けてしまいました。
そのままノブを回して部屋への道が開けると、彼女は僕の手を
飛び出して、家の中へと駆けていきます。
『あ…待って…』
僕もすぐに追いかけますが、その姿はもう見えなくなっていました。
『あれ…もういない…』
決して動きの速いウサギではなかったのに。
『おーい!おーい!』
テーブルの下。食器棚の上。いろいろなところを探したけれど、
彼女の姿はありません。
『おかしいな…』
僕は階段を上り、2階へ行ってみることにしました。

『あ…』
階段を上ると、廊下には小さな足跡がありました。
ハッキリとしたものではなかったけれど、
これはきっと彼女のものに違いありません。
跡を辿ると、それは一直線に僕の部屋へと続いていました。
ギィィ…。
ゆっくりと扉を開けて、中の様子を伺います。
『ぉーぃ…』
僕は擦れるような小声で声をかけてみました。
ヒューヒュー。
『ん…?おーい…いる…?』
ヒューヒュー。
彼女の返事の代わりに、ヒューヒューという音だけが聞こえてきます。
『入ってみるか…。』
僕は意を決して、中に入ってみることにしました。

バタン!!!
部屋の中に入った瞬間。
大きな音がしたかと思うと、出窓から強い風が吹き込んできました。
目を細めながら見ると、その足跡は出窓の外に向かって続いています。
『あ…外に…?』
出窓から外を覗いてはみたけれど、もう彼女の姿はありませんでした。
僕は大きく開かれた出窓を閉じると、ふぅと大きく息をひとつ。
不思議なウサギだったな…。そんなコトを考えていました。

チリン…。

そんなときでした。
僕の足元で小さく鈴の音が鳴り響きました。
ベッドの下で遠慮がちに、ふわふわが揺れています。
『あれ、そんなトコにいたのか…。おいで?』
僕が手を差し出すと、彼女は嬉しそうに近付いてきました。
頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を細めています。
『僕は1人暮らしだからな、キミも家族になってくれるかい?』
コクコク。チリンチリン。
彼女の鈴も、嬉しそうに揺れていました。

―パタン。

『え~、もう終わり~?』
『あぁ、今日はもう遅いからな。続きはまた明日な。』
『つまんないの~。ね、お父さん。このウサギさん、最後はどうなるの?』
『ん…、そうだな。彼と一緒に幸せに暮らしてるんじゃないかな。』
『そっか!良かった!じゃあおやすみなさい!』
『あぁ、おやすみ。』

ふぅ…。大きく息を吐くと、天井に目をやる。
『懐かしいな、これがキミとの出会いだった。』
チリン…。
小さな鈴を揺らしてみせると、男は優しく笑いました。

その先には、同じように微笑む彼女の姿があったのでした―。



『僕』『ウサギ』『鍵』『橋』
この4つを使って文章を書いてください。そういう心理テストです。
僕は『自分』
ウサギは『好きな異性』
鍵は『愛』
橋は『人生』
を表しているそうです。

つまり…僕は好きな異性が怖がらないように後ろから見守っていて
(それもちょっとコワい気がしないでもないが(笑))
僕の好きな人は、僕の人生を『走りやすい』と感じてくれて
愛を持って家に来てくれる。と。

なんだコレ、完璧じゃん!(笑)
っていうか、こんな長文になるとは思ってなかったんです。
『鍵を持ったウサギが橋の上を歩いていて、僕はそれを見ていたんだ。』
これで終了のはずでした。それがこんなことに…。(笑)メルヘンですわ~。
途中から長文モードに入ったので、文体が統一できてないかも。

ちなみに、上の例文の場合は
『愛をもって人生を歩んでいる彼女を、僕は見ていることしかできなかったんだ』
です。でも、物語中ではちゃんと追いかけたからね。良かった良かった。
あ、もちろん、答えを知らずに書いたんですよっ!(笑)





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最終更新日  2005.06.21 14:12:32
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