DreamTreeの上原日記
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どんな番組でも10年近く見続けて、その最終回だけ見れないと言うのは辛いもの、ましてやご紹介の通り「史上最強」とまで言われたあのサインフェルドのラストシーズン後半を見ることなくこの十年の歳月を過してきたのは大変なことだ。アマゾンのリンクからプレビューが見れます。そんなラストシーズンのDVDボックスを自分へのクリスマスプレゼントとして買い込んだのが二週間ほど前のこと。最終回に対する過剰な期待を抑えつつ、いつものジェリー、イレーン、ジョージ、クレーマーの順で箱に詰まった四枚のDVDのディスクをプレーヤーに入れ、エキストラシーンや「Yada、Yada」バージョン全てを見ながら、エピソード#180へと進んでいった。当時メディアを騒がしたサインフェルドの最終回のストーリー、番組関係者すべてが機密必守の書類にサインをさせられ、話題が話題を呼び色々な憶測が飛び交う中(イレーンとジェリーが結婚すると言うのが多かったらしい)1998年5月14日にオンエアーで開かされた内容は以下の通り。一般的にGood Samaritan lawと言われる困った人を善意を持って助けた場合過失がなければその責任は問われないという法律を逆手に取った逮捕劇に上記四人がマサチューセッツ州の田舎町で巻き込まれる。以下180回に渡る数々のエピソードを彩った多くの準レギュラー陣が、いかにこの「NY Four」が罪深い人間であるかを裁判所でたんたんとそしてコミカルに証言するのを回想録形式で綴っていく。放送当時はファンの期待と裏腹にキャラクターをこき下ろす内容と懲役一年という判決の後味の悪さに評判はあまり高っくなかった。それでもフランク・シナトラの命日にも関わらず最終回の歴代視聴率3位(1位MASH、2位Cheers)というのはやはり凄い。サインフェルドのキャラクターの多くが実在した人でそのエピソードも実話に基づくのが多いのだが、上記四人に加えて忘れてならないのだラリー・デービッドだ。彼こそが実世界のジョージなのだ。その彼もショーのプロデゥーサーかつライターとして番組を仕切って来るわけだけど、シーズン7以降は番組から離れている。ラストシーンでジョージのシャツのボタンにジェリーがコメントするネタは「Show About Nothing」の本質を象徴するシーン。番組から二年はなれていたラリーが、最後の最後に言いたかったのがこの原点に戻るシーン、彼からの痛烈なメッセージが込められっているわけだ。少し余談だが、ラストシーズンの実質のラストエピソードの「The Puerto Rican Day」はラリーが離れた後を盛り上げたライター達の合作マスターピースだ。このエピソードもかなり面白いんだけれどプエルトリコの旗を燃やすシーン等でなかなか再放送して貰えない。さて、最終回の「The Finale」、放送直後の期待に沿っていないという低い評価から近年はむしろその作品の出来の良さが評価されていると思います。実際DTがみても楽しかったし、こういうストーリー性のある番組をかけるなら映画バージョンもあってよかったのにと思う。何れにせよ、古き良き90年代、日本社会の10年先を行くと言われるアメリカ社会の最先端ビッグアップルでの生活を主題にした「サインフェルド」、今でも笑えるし、今でも社会の教訓を示唆してくれる面白~い番組なのだ。また時間のある時にエピソードの一つ一つを楽しみながら見て行こう。
2008.01.11
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