きのう と きょう と あした と

きのう と きょう と あした と

2009/04/16
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カテゴリ: 小説



ぼーっとした頭と何も始まらない状況に嫌気が差したのと、
ここにいると落ち着かないので、昨日行けなかった温泉に行くことにした。
温泉と言っても朝早くから夜も11時まで営業しているスーパー銭湯みたいなもので、
食事もできるので大変重宝している。

温泉に向かうことにはしたものの、やはり何処からか監視されているかもしれない
という強迫観念があった。
しかし、流石に追ってはこないだろうと腹をくくることにした。
そう。本来の目的はバカンスなのだ。何もこんなことでバカンスをぶち壊される


尾行されていないか気を付けながらも、運転中何度か気を失いそうなほどに睡魔に襲われたが、
目的地に着いた途端に眠気は何処かに吹き飛んでしまったから人間の身体は不思議だ。

腹が減っていたので到着してまずは軽く食事をとってから温泉に入った。
温泉は朝から入るのも気持ちがいいはずなのだが、あんなことが起こったあとなので、
もしかしたら昨日の男がいるかもしれないと気になってしまい、あまりのんびり
する事が出来なかった。
すぐ考え込んでしまう俺の悪い癖だ。

しばらくして気が付くと、いつの間にか男湯に入っているのが俺一人きりになって
しまっていたので、ここでやっとゆっくりする事ができた。
一通り温泉を堪能したら、昨夜は寝ていなかったのと、場所が変わってほっとしたのか、
いつの間にかラウンジのソファーで座ったまますっかり寝むってしまっていて、

ここで昨日のパワーポイントを見ながらもう一度整理してみた。
不明なところは多々あるもののいまのところ俺の立てた推理はまだ崩れていないと思う。
あとはいくつかの不明点をどうやって潰していくかだ。

不明点はふたつ。

・どのようにして俺の実家の電話番号を調べたのか


これらが解れったところでシロである可能性が出てくるだけだが。
やっぱり謎の女に一回会わなくてはならないようだ。
会って話を聞いて、さくっと納得できる答えが出てくるようなら、シロだろう。
さらに謎が深まるようならクロか。
あとは判断するしかない。

でも、クロとなった場合俺はどうしたらいいんだ?
怪しいやつが周りにいるというだけで、
別に何か被害があるわけでもない。

さぁ困った。

と、ここであることに気が付き背筋がゾッとした。

もし、俺の命が目的だったとしたら、、、
もし、俺の命が目的だったとしたら、今がチャンスだったはず。

車のブレーキに細工をしていたりしたら、しっかり谷底に落ちていただろう。
ということは、俺の命が目的ではなかったのか、今は生かしておかなければならない
何かしらの理由があるということになる。
今は良かったとしてもうっかり外出もできなくなってしまうのか。

結局ここでこの日二度目となる食事をとってから、入念に車のチェックをした。
特に気になる問題は見付からなかったのだが、念のため慎重にベンツを走らせ別荘に戻った。

別荘に戻ってからは、壁の汚れや不自然に綺麗な仕上げがないか、一枚だけ微妙に色が
違う床板がないか、など部屋に不審点がないか入念にチェックしたが、怪しいものは
何一つ見つけることができなかった。

結局この日、謎の女からの連絡はこなかった。

こちらから連絡をとる必要は無いのだが、このまま放置していても話が進展するわけもなく、
早く決着つけたかったので、思いきって謎の女に電話をして会うことにした。

俺の命が目的でないことを祈って。


つづく





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Last updated  2009/05/08 10:54:55 AM
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