☆煩悩注意報☆

☆煩悩注意報☆

2004年09月28日
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カテゴリ: テニスの王子様
   プライド

 自慢(プライド)だった長い黒髪。
 己の地位を取り戻すために、監督の目の前で俺はそれをばっさりと切り捨てた。
 俺は自分の中でくすぶっていた変な意地とかプライドとか諸々を切り捨てたつもりだった。だけど、俺は何一つ変わっていない、そんなふうに思えてしまうのは何故だろう?

 ロッカールームの壁に掛かった鏡に映る、散切り頭の自分を眺めて俺は溜息をつく。
 何一つ変わらないのならば髪を切ることもなかったのだろうか? 鏡の中の俺の顔は生傷が絶えず何時も痛々しかった。
「宍戸さん、どうしたんですか? 練習始まっちゃいますよ」
 背後から俺の相棒の声がする。

「ああ、今行く……」
 振り返ると、そこには真夏に咲く向日葵の花のように満面の笑みを浮かべた長太郎の姿があった。俺はその相棒の笑顔を見てはっとした。
 変わったものがここにあるじゃないか……。そう、長太郎の中に。

 俺が試合に負け、監督に情け容赦なくレギュラーから外されて間もなく俺と長太郎の特訓は始まった。
 俺は長太郎のサービスを素手で受け止めるという、今思えばとてつもなく無謀な特訓を長太郎に頼んでいた。端から見ればこんなにも惨いことは無いように思える程の嫌な役を俺は長太郎に押し付けていたのだ。
 自慢のスカッドサーブを生身の人間に向かって打つ。
 真面目な性格の長太郎には耐え難いことだったと思う。本当に何度長太郎に、
「もうこんな特訓は止めましょう」
 と言われたことか・・・。
 ラケットで打ち返しても腕が痺れるほどの長太郎のサーブを俺は体中を使って受け止めた。毎日毎日、体中の痛みが麻痺するまでサーブを受け続けた。日を追うごとに増える俺の体のアザに長太郎は顔を歪め辛そうな表情を見せていた。
 辛そうにする長太郎には気の毒だったが俺は諦めなかった。俺自身の夢のため、そしてこんな負け犬の俺に力を貸してくれた長太郎の気持ちに応えるために。


 己のプライド・地位、それにベストパートナーを。

「よし、行くぞ長太郎! 今日こそ忍足・向日ペアを打ち負かそうぜ!」
「はい! 宍戸さん!」
 俺に向かって長太郎が微笑む。この微笑みがどんなにか俺の励みになっているかお前は解ってないだろう? 


 何処まであるか解らない俺達の夏を、何時までも二人で探し続けられるように。


*普段、萌え萌えばかり書いている私ですが、本当はこんなシリアスなのが好きだったりします。
 でも、トリシシで萌えを書くならば・・・
 宍戸攻めの長太郎受けを書きたいです。強気な宍戸さんに思いっきり長太郎を攻めて頂きたいです♪
 宍戸さんお誕生日おめでとう!(3回目の15歳ですね・・・)←いいなあ





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最終更新日  2004年09月28日 22時04分30秒
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