中村晃一ブログ Koichi NAKAMURA

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2011年04月14日
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井上ひさし著 『日本語教室』

井上ひさし著 『日本語教室』

10年ほど前の上智大学での講演をまとめた本です。
井上ひさしさんの本を読んだのは高校生のとき以来ですが、非常に興味深い内容でひと息に読み通してしまいました。

“言葉は道具ではない。第二、第三言語は道具かもしれないが、母語は精神そのものである。”

と説く本書は、日本語の成り立ちや世界での立ち位置を含めた大きな構造的視点でわたしたちの言葉を見つめなおす機会を与えてくれると思います。

私自身は、やまとことばや正しい日本語を継承していくことの重要性が、最も気づかされるところでした。

縄文期から使われていた言葉に漢語やカタカナ語が入り混じって、現代日本語は成り立っているんですね。
本書の実験を引き合いに出せば、かずの数え方ひとつにしても、

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」と順にいきますが、

これを逆に数えると、



となるのが普通。

実は「四」を「し」と読むのは漢語、「よん」と読むのがやまとことば、
「七」を「しち」と読むのは漢語、「なな」と読むのがやまとことばなのだそうです。

毎日のように無意識に使っている言葉についてこういう解説をされると、うーむと唸りたくなります。


それから、逆説的ですが、英語や他言語の習得についての骨太な意見がこの『日本語教室』に書いてあります。
「日本語をきちんと話せない人に英語はきちんと話せない」などとはよく耳にする言葉ですが、この本の表現を引用すると、

“結局は、その母語以内でしか別の言葉は習得できません。ここのところは言い方がちょっと難しいのですが、母語より大きい外国語は覚えられないということです。つまり、英語をちゃんと書いたり話したりするためには、英語より大きな母語が必要なのです。だから、外国語が上手になるためには、日本語をしっかり--たくさん言葉を覚えるということではなくて、日本語の構造、大事なところを自然にきちっと身に付けていなければなりません。”

ということになります。

この講演が行なわれて暫く「グローバライゼーション」や「英語公用化」が企業人に迫られる現在、根本から言葉というものの大切さを考えさせられます。












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最終更新日  2011年04月14日 18時42分46秒

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