中村晃一ブログ Koichi NAKAMURA

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2011年05月02日
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今回の震災、色々な分野の色々な方たちが復興支援に関わっていらっしゃいます。


しかしどういう形でそれを行なうのが良いのか、方策については個別に評価や改善案が出されているのも事実のようです。

『とにかく何かしなくては』という思いに突き動かされることは、素晴らしいことだと思いますし、そのような情熱なくして血の通った貢献もないと考えます。
一方で、「何をすべきか」「どういう手法ですべきか」を考え抜いて実行に移すことができると、活動の効果はさらに大きく、大勢の人に喜ばれるものになると思います。

これは人生観のようなものにも通じるので色々なご意見があるかと思いますが、私なりの考え方を書くと、こういう具合です。

人が生まれて死んでいくまでの間はたかだか何十年。宇宙の大きな営みの中ではとてもちっぽけなものだと感じます。
ただし、その自分達ひとりひとりに許された何十年かを通じて、少しだけ世の中が進化向上するように、力足りずとも精一杯もがくのが人生。
できることもあれば、できないこともあります。弱い自分と強い自分が混在します。


自分なりにできることを行なって、より良い社会づくりに役割を果たしていくということが基本形だとすれば、自らの企業活動を通じてそれを行なっていこうという人達が事業家・企業人と呼ばれるのだと思います。

ステレオタイプな「企業の利益のため」という言い方がありますが、二者が対立するような構図はもはや漫画の中にしか存在しないのではないかと私は思います。
誰かの得が誰かの損というような前時代的な商売は、社会的な支持を得られずサステナビリティに欠ける存在として、淘汰されるはずです。

だから例えば復興活動に“企業イメージ向上”や“ブランド認知拡大”などといった、そんなニセモノの、表面的な「企業利益」との合致など必要ないはずだと、私は考えます。
根本を履き違えていなければ、何らかの手を差し伸べ共に困難を戦おうという姿勢が自然に示されるべきです。

事業・企業は知識や設備・諸リソースの観点から、他の人々が簡単に真似できない専門性とスケーラビリティを持っています。
その専門分野・得意分野を活かして、よりダイレクトに社会貢献を行なおうとすれば、最も効果を生む唯一無二の活動になるのではないかというのが、上に書いたことであります。

(経済的な理屈でいえば、持っているリソースで本業に即したことを行なうと原価と販管費のコスト分だけ見ることになりますから、利益から捻出する募金よりも享受できる支援の量や質がその分高いということにもなります。)


しかし今回最も難しかったことは、災害が起こったときに自分達が最もなして貢献すべきは「どの領域」なのかということを、あらかじめ考え用意しておくことだったのではないでしょうか。
やみくもに皆がやっていることに追従するだけでは、本来その企業がもっている良さ・得意分野が十分に活かせず、もったいなことになってしまうわけですが、さりとていざ災害が起こってからそんなことを考え始めていては、動くものも動けません。

CSR (Corporate Social Responsibility) という言葉が世界中で叫ばれるようになって暫く、CSRの根本は自分達が何をやる会社であるかを定義することにあると思います。



そこがきちんと定義され、災害時の行動規定がなされていれば、短期間で自分達のとるべきアクションが見えてくるはずです。

在宅医療システムを提供している帝人の大八木社長は、震災の当日「在宅医療事業は安全と安心を届けるという理念に立脚する。緊急時にこれが果たせなければ事業は存在理由を失う」と言って人員と医療装置を動員したそうです。

Googleが消息情報を提供するための検索システム“パーソン・ファインダー”をリリースしたのは災害発生からわずか2時間後のことでした。“世界的な問題に対しエンジニアリング的な解決策を見出していく”という彼らの宣言はこういう形で具現化されました。

山崎製パンが徹夜で工場を稼動させて48万個のパンを届けたとか、日清食品が100万食のカップラーメンを配布したとか、大企業ばかりではありません、床屋さんがはさみを持ってボランティアの散髪に出向くなど、まさにこれらは自らが何者であるか、何をもって社会に貢献しようとしているかが、明確な例だと思います。














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最終更新日  2011年05月02日 18時11分18秒

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