中村晃一ブログ Koichi NAKAMURA

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2016年09月12日
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恒例、グループ役員による谷川岳登山へ今年も行ってまいりました。

岩場が多いこんな道を、全12チームに分かれて登っていきます。

tanigawa1.jpg

初めてジョインするメンバーもいる中、私は当初から参加しておりかつ比較的年齢も若い方なので、他の人のサポートに回ることが多いこの登山。
今年も仲間のペットボトルを私の荷物の中に入れたり、バックパックを持って上ったりしていましたが、今回のメイントピックスは登りよりも下山の行程でした。

私たちのチームが下りてきていると、途中でしんがりのプロガイドさんと遭遇。聞くとアメリカから初めて参加しているスティーブともう一名がリタイアして戻っているところとのこと。
サポートしている人事のスタッフにトランシーバーで連携してもらい、途中で彼らをピックアップすることにしました。

ロープをつたって崖を降りているところで彼らに合流できました。スティーブとエリカ。
後は私たちが引き受けるといって、人事スタッフからパスを継ぎました。

スティーブ、かなりの巨躯なのです。


"Slowly, slowly, very slowly..."

足場が不安定なところはこんな掛け声をかけながら一緒に下りていきましたが、かなり大変そうなのでまず彼のリュックサックを預かることにしました。

「いや、重いからいいよ。」

と何度も固辞する彼。

「いいから、いいから。」

などと問答の末、

「ちょっとだけ試してみよう。」

と言って、半ば強引に取り上げた彼のリュックサック。

「!」

・・・びっくりするくらい重いのです。

何が入っているんだろうと思ったら、中身はどうやら食べ物と飲み物。「食べる?」と言って取り出したm&mのピーナッツチョコレートをくれました。



「水飲んだほうがいいんじゃない?」

と彼のリュックからどデカい水筒(本当に大きくてまたびっくり)を取り出すと、スティーブは

「そいつはいいアイデアだね!」

と返してくれながら水を飲むという、ゴールデンコンビネーションで下山を進めました。

荷物がなくなり手に持つものは登山スティックだけという身軽な格好になった彼は、ときおりポケットからスマホを取り出して、周囲の景色を撮影していました。


事件が起こったのは、その15分後。

前を歩いていた彼がはたと立ち止まり、

「スマホ、なくした!」

と叫んだのです。

一同

「えーっ!」

と驚き、どこでだ?今か?と尋ねたのですが、彼曰く、

「きっと、さっきの虹のところだ。」

一同またまた

「えーっ!」・・・。

日本人の特技である“空気を読む”ことをやるならば、きっと「スマホはまた買えばいいから、先に進みましょう。ええ、大丈夫です。」と言ってしまうところですが、彼の口から出た言葉は、

「あそこまでは、まだそんなに離れてはいないはずだ。」

だったので、私そこから今来た道を走って戻ることになりました(笑)。

他の人たちからここに居ろと止められたスティーブも、"my responsibility" だからと、エリカと一緒に私の後を追ってきます。

チームの中には持病の膝がいかれてしまって一刻も早くアイシングが必要な人もいるので早く戻らなきゃと思い、目を皿のようにして山道を駆け上り、探す探す。
いや、結構枝葉の茂った山道でスマホを探すって、難しいですね。

で、なんと、ありました!

虹を撮った場所のすぐそばに。

「スティーブ!見つけたよ!」

と叫んだのですが、返事がありません。

しばらく駆け戻り、「スティーブ!あったよ!」と大声を上げるも、まだ返事がありません。

もうしばらく走った後に、「おおい!スティーブ、これだろ!」と言うとようやく返事が。
カーブを曲がると、彼がバテて座り込んでいました。

「はい、どうぞ。君のスマホだよ。」

と手渡したら、彼一流のジョークなのでしょう。

「あれ?これは僕のスマホではないなあ。」

とボケて見せるスティーブ。

私、疲れていましたから、

「そのジョークいらない。山道にいくつもスマホ落ちてるわけないだろ。」

とつい言ってしまいました。

さすがにエリカも同じことを感じたのでしょう。

「スティーブ、今それ言うタイミングじゃないから。」

とたしなめ、そして我々3人はハイタッチをしてスマホの発見を喜んだのでした。

そこから、また下山。

最後の最後のコーナーで、事件はまた起こったのです。

小さな石を踏みつけた彼は、右に体がヨロっと傾げました。とっさに登山スティックを道際につっかえようとしたそのとき、彼の体重を支えきれなかったスティックが「びよ~ん」と90度の角度に変形。
体勢を立て直したスティーブは、手にしたぷらんぷらんになった鉄の棒を唖然として眺めています。

後ろから見ていた私は思わず大きな声を上げて笑ってしまいました。

「あはは、良かったね転ばなくて。でも登山スティックって曲がるんだ!」

私がスティーブに言ったのは、「君は本当にラッキーな人だね。」ということです。
あんな山の中でなくしたスマホも見つかるし、スティックが曲がって使い物にならなくなるのは、もうそれが要らなくなるゴール直前だし。

スティーブは、本当にいい奴なのです。
ちょっと世話は焼けるけど話は面白いし、とても実直な人柄で憎めない。

ゴールに辿り着いたとき「お前は私のヒーローだ。」と言って、スティーブは自分のスマホで私の写真を撮ってくれました。

ぷらんぷらんのスティックを片手に、彼のリュックサックを前に抱えた私です。

tanigawa2.jpg

今年の谷川岳登山、とても楽しませてもらいました。
皆、無事に帰還できて良かったです。スマイル











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最終更新日  2016年09月12日 23時16分30秒

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