ヨーロッパ夢の旅通信

ヨーロッパ夢の旅通信

2004年08月18日
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カテゴリ: 英国
ヨーロッパ人のフェスティバル好きについてはすでに

「ヨーロッパ人はフェスティバルがお好き~ヴェローナ音楽祭~」で触れたが

その中でもエジンバラの人々のフェスティバル好きはただごとではない。


なにしろ、エジンバラ・フェスティバルと一口にいわれるものの中には

エジンバラ国際フェスティバル、フリンジフェスティバル、ジャズフェスティバル

国際映画フェスティバル、ミリタリータトゥー、国際ブックフェアー・・・

などありとあらゆるジャンルのお祭りが含まれていて、

8月のエジンバラはとにかく街全体がフェスティバル一色となるのだ。


それはヴェローナ音楽祭とか、ザルツブルク音楽祭のような



カンヌ映画祭やベルリン音楽祭のような、映画だけのフェスティバルとか

そういう単体のフェスティバルとはわけが違う。


この時期、街の人口は一気に二倍に膨れ上がり、街は全く別の顔を見せる。

これを称して街のひとは

「ロンドンが丸ごと押し寄せる」

と表現している。

街中いたるところでパフォーマンスが繰り広げられるので

歩いていて楽しいことこの上ない。

まるで街全体がテーマパーク。

ノリとしてはまさにディズニーランドである。

勿論、もっとずっとずっと文化的だけどね。





一番有名な国際フェスティバルが「クラシック音楽やオペラ、バレエ、演劇」

などに限定されるのに対し、こちらはもっと大衆的なレベルのパフォーマンスの

フェスティバルである。


日本でいえば「演芸」とか、あるいは「大道芸」のような出し物が目白押し。

ロック、カバレット、フォークロア、パントマイム、漫才、サーカス、手品・・・



ユーモアたっぷりに繰り広げられる、ある意味、エジンバラの人たちが

最も楽しみにしているフェスティバルである。


開幕に先立って先日の日曜日、家の近くのメドウズ公園で、

「フリンジサンデー」が行われたので早速行ってみた。

フリンジに出演するパフォーマーたちが一堂に会して、

この日1日、無料でパフォーマンスの一部を披露してくれるのだ。


いつもは静かな公園も、この日ばかりはこの賑わい。

会場の賑わい

びらを配る人だってこの凝りよう。

びら配り


きれいなバルーンが花を添える。

風船


コインを入れると中に入っている人がロックを演奏してくれる人間ジュークボックス。

人間ジュークボックス

突拍子もないノリに大受け。


フレディ・マーキュリーもビックリのこの抱腹絶倒の芸人。

マーキュリー

最後は、「We are the champion!」と歌いながら

観客にリフトされてながらみんなの頭上を一周したぞ!


このメガネのおばさんも観客3人を引きこみ独特のトークで大受けだった。

めがねのおばさん


観客とのやり取りなしにはありえない大道芸の真髄。


ここはやはりスコットランド、タータンチェックのお兄さんも健在!

スコッティッシュ

だがトークはイマイチだぞ!


どの芸人も、肩の力が抜けていてリラックスした雰囲気である。

芸人も楽しみ、観客も楽しむ。

それが基本のフリンジだ。


さてその中に、日本からの芸人の姿が!

彼らはCru Cru Circusという名前で登場。日本でもその名前なのか

はわからない。

言葉ができない分、パントマイムで魅せる!

日本のお笑い日本のお笑い2


ジャグリングの芸も素晴らしいが、おもしろい顔やパントマイムだけで

十分観客を笑わせてくれた。


さて、広大な公園をあちこち見ながら歩いていると

公園の一隅に設けられた野外特設ステージの前に一際、大きな人だかりが。

聴衆


何か面白そうなもんが始まるらしいと

興味を引かれて行ってみると・・・


なんと、それは日本の太鼓のパフォーマー「道」(TAO)だった。

私も太鼓は大好きだし、何かめちゃくちゃ期待できそうな予感。

太鼓


いや~、はっきりいってカッコよかった~!


引き締まったカラダに、赤い文字を背中にを染め抜いた白装束。

太鼓2


そのいでたちの粋もさることながら、

パフォーマンスの質も高い!

太鼓3


伝統をしっかりと受け継ぎながらも、伝統にしばられず、現代的な感覚で

自由に表現してゆく。

独特の美学に貫かれたそのパフォーマンスは、

ガイジンには絶対に真似できない日本人ならではの感性だ。


勇壮な太鼓の乱れ打ちが始まると、観客席からはやんやの大喝采。


これですよ、これ!

軽い興奮の中で、私は思う。

日本が世界に問うことのできるものは、やっぱり日本独自の伝統文化。

それも、現代日本の普通の若者の感覚で自由に表現された伝統文化が斬新だ。



ここ10年ほど、歌舞伎や能、三味線などの伝統芸能の分野で若手の活躍が

めざましく、古臭く時代錯誤であるだけだった伝統芸能を

現代的な感覚で蘇らせ、それが世界に評価されてきているが、

こういうことができるようになった日本を私は頼もしく思う。


こういう若者がどんどん出てきてほしい。

そして、世界の人びとにアピールしてほしい。


アテネオリンピックでも、日本の若者たちの活躍がめざましい。

特にプレッシャーに弱かった日本が、土壇場で冷静に演技し、大逆転劇を

演じた男子体操。

金を期待され、そして当然のように金メダルを手にした北島。

メディアにたたかれ続けたすずさんと一緒に三度目のオリンピックで銀メダルを

手にした山本。


いやはや。おばさん(あっしまった!マダムでございました)たちが心配するまで

もなく、とってもいい感じに育ってる若者たちはちゃんといます。


バブル崩壊後、迷走する日本にも、ちょっとは光明が見えるといえるんじゃないかしら。


そんな感懐をいだいて家路についた夢先案内人でした。





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最終更新日  2004年08月19日 02時13分48秒
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