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『ベクシンスキーの絵のように…(8)』...禍々しき邪気に包まれし銀行…かつて栄華を誇った金脈は下水処理場の如き様相….そこを味わい、楽しみ、沈溺した者たちの巣窟には、今もなお彼らの魂が彷徨う...そのぽっかりと空いた奈落の口腔にうっかりと誘われてゆく人々の姿が見えてくる...青黒い炎と煙は臭気を帯び画面から漏れ出て額縁を汚している..この建物には魔物がいてそれは蜘蛛の姿をしており縄張りはきっちりと示している..けれども今ではいないその魔物たちもまた死んだ...その怪物は怨念により産み出され怨念により死に絶えた...蹲っている人が多数見える皆、怯え懇願しているような姿だ債務者の墓場だろう…中には一族全員の姿さえ見出だせる.この上なく不幸なものたちによる夢と希望の成れの果てがここにある...Eili...
2021年10月24日
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『ベクシンスキーの絵のように…(7)』...この威圧感は何だろう見上げてみるとぽっかりと浮いた中身のない案山子のような...制裁者のようないで立ちにしばし言葉を失う.胸に十字架が灯されているが宗教者ではない.この者は、兵士だ…それも死地を何度も潜り抜けておきながらこの地で散っていった勇者の姿だ.恨みはあるのだろうか…ない.ただ無念さだけが強く辺りを包み込んでいる。...兵士の姿は空洞で禍々しい憂鬱な夕日に満たされている.見るとそこには異界の月が精いっぱいに侵食を試みるも力及ばずといったところだろうか…蝕を成せずにいる.しかし、一矢を報いて誇りを保ちどこか凛々しい姿には毅然とした潔さを伝えている.この空間がかつての戦場でありこの地はそれを忘れることはさせないのだ..この地は緩やか傾斜で、窪地にはうっそうとした森林が広がっている丘の上にもところどころに隠れ潜める場はあるがどれもこじんまりとした領域で格好の標的と化している.大体の当時の面影をしりこの地で起きた悲劇も目に浮かぶ.では彼らはどこに向かって逃げたのか…何を拒んだのか.種族の未来を得るがため己の未来を捨てたのだ.ではこの地に宿る彼らの亡霊は如何に….それは監視だこの地を平定するまで、彼らは死後も監視し続けなければならぬのだ...Eili ...
2021年10月24日
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『ベクシンスキーの絵のように…(6)』...青いフードの男は企みようやくにして近づいた.彼は世の理を発見したつもりでいる.表向きはモンクの装いだが裏の顔は欺けない…..邪な想いから今まさに聖典を盗み出しているのだ.出会いではない探求でもない.精神の恵まれぬもののしでかす過ちがここに示されてる...何やらこそこそとその場で読み砕き…その後ろめたさが卑屈な臭気を帯びて落ち着きがない.彼が、この時誤読し間違った解釈のもとで災難を招こうとしている...相応しくないもの….彼は文字を読めてもその真髄を理解できず資格がないからこそ盗み出すほかない.しかし、たとえ盗みに成功しても真実を得ることができない...Eili...
2021年10月22日
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『ベクシンスキーの絵のように…(5)』...愛し合うとは、この姿だ…世界は二人に容赦がなかった.しかし、ここに彼らの勝利も刻まれている...幾年もの砂嵐の中で彼らは耐え忍び…耐え忍び…その場に凍り付くことで伝えた...僕たちは発見するそして何か大切なものを探そうとするほとんど希求するほどのすがりつく想いをこめて...けれどもそこにかけらた優しさは微塵もなく無慈悲にも絡みつく2体の欠片を残すのみ...しかし、命を超えて愛が勝ったことを彼らの屍は示した...神が負けたのだ...もし仮に神が勝つためには何が必要だったのかと問われれば.決して事実を表に出さず封印しきる事に違いない.彼らは見えないものの姿で示されそれ故、神秘をまとうことができる.そして、見えないものは怖れられと同時に興味をそそる誘惑さえも格段に強まってゆく.科学者と考古学者を道ずれにして誘う世界に真実の痕跡が置かれている...Eili...
2021年10月19日
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『ベクシンスキーの絵のように…(4)』...立ち並ぶ巨人兵の如き修道僧その岸壁に挟まれて独り男が心細げな松明を片手に潜り抜けようとしている….この畏怖漂わせる聖者の参道を進むは勇者幾億幾千年の時を超えて繋ぐもの...暗く陰鬱とした領域に足を踏み入れた若者は引き戻せないことを知っている.そしてこの世界の印象とは裏腹に不安を感じてはいない...恐れることそのものが敗北であることを理解しているからだ..行く手を拒むその道にこそ求めるものの鍵が隠されていることに気づいている...巨僧をひとりまたひとりと過ぎさるたびに彼には真実を解き明かす条件というものが整ってくる.この時いぶかしむ巨僧をひとりの頭が溜まらずにして傾げこの若者を眺め下す.. 「越えおった…」..小さきながら、低く轟いたその声は風となり、彼を追いかけ、松明をかすかに揺らす..もう一人の巨僧は餌をぶら下げている若者は見向きもせず、気にも留めない..一際威圧感を発する巨僧の前その威張り腐った佇まいがこの世界を作り、凍り付かせている.彼らは死の世界から遣わされ防いでいる..その先の世界に、彼ら自身は入ることを許されいるわけではない..ここでもう一人の巨僧が静かに祈りを始める自然と胸の前に出た手は若者が進むことを拒絶せずむしろ見守っている.下界から偉人が現れたのだ...この巨僧たちの一族から死神が地上に遣わされていることに気付くと山門は近いのだと知る.....Eili...
2021年10月17日
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『ベクシンスキーの絵のように…(3)』....男が独り死神の寵愛を受けている.この男が如何に残忍な魂なのかは隠しようがなく瞳に現れている...そこに漂う憐れみは無知ゆえの暴力からくる悲しみであり無理解のまま死後も棚びく救いのなさ.この者が一体何人の命を奪い取ったか僕は想像できるそして、こうしたものが時より、この地上に堕ちてくる.僕たちは気づけないでいる恐怖のない苦しみ.このものは魔を帯びりており人の目から…その存在が忘れ去られている.彼の生命の叫びは暴力.彼の世の唯一のかかわりは暴力..それを知る唯一の死神が制裁を与えているねじ込むように教え諭している..そしてこの男の空虚な瞳にはようやくにして哀しみが灯るのだ.この後彼の瞳から幾千年の時を経て雫がこぼれ落ちる...Eili...
2021年10月17日
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『ベクシンスキーの絵のように…(2)』....白無垢の枯れた樹木が希望のない天に向かい伸びている.逆さまになった死に絶えた根を添えて神に差し出しているのだ..乾く身体の牢獄を抜け極小の精が一粒浮遊する..その灯は陽炎のように…それはまるで紺碧を裏返した異世界に染み入るように抜け出すのだ...けれどもその祝福にも似た開放は囲まれるそこもまた刹那に閉じられる...Eili ...
2021年10月16日
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『ベクシンスキーの絵のように…』,...この世界は由来を伝えぬまま僕たちを無情にも荒野の如き海原に放り出す….倒れこんだ身体は揺らめきながら陽に焼かれ爛れている…..頭上にかすめるカモメの声が波音にかき消されてはまた舞い戻る..そして気がつけば僕らは皆深く…蒼く…果てのない水柱の中に閉じ込められ.ゆっくりとゆっくりと沈み込んでゆく...僕は独り覚醒させられて見つめている.ここに感じる孤独感とじれったさは堪らない...ただこの水柱はしごく神聖な姿をして美しく時を忘れて見とれてしまう….そして隠された残酷な世界は荘厳な煌めきの中で讃えられているのだ...Eili ...
2021年10月16日
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