━【ルー・リード】





ニューヨーク・アンダーグラウンド・シーン ワイルド・サイドを歩け『ルー・リード』






ルー・リード<Lou Reed>
「世界一クールで知性に満ちた3コード・ロッケンロールを鳴らすレジェンダリー・スター!」

ボブ・ディラン、ニール・ヤングと並び称されるロック詩人。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド結成から現在に至るまでアヴァンギャルドなロックを追求し続け、背徳(ヴィシャス)の美学を歌い続ける彷徨詩人。その気だるく、頽廃的な雰囲気の歌声と、飾りのないシンプル&ストレートなロック・サウンドで都市の退廃的な部分やそこに蠢く人々を歌い上げる、現役最高のストリート・パンク・ロッカー。叙情性を持ちながらノイジーで実験的なサウンドと、過激かつポエティックな歌詞との融合は、後の世代の多くのバンドに影響を与えた。
代表曲「ワイルド・サイドを歩け」。



1942年 3月2日 NYブルックリン生まれ。
1965年ジョン・ケイルらと共にヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成。アンディ・ウォーホルに認められ、1967年ウォーホルのプロデュースでデビューする。4枚のアルバムを残しルーは1970年にバンドを脱退。1971年にRCAとソロ契約。1972年、「Lou Reed(ロックの幻想)」でソロデビューし以降、「トランスフォーマー」「ベルリン」等の名盤を残しロック界に多大な影響を及ぼす存在となる。1976年からはアリスタに籍を移すが、1982再びRCAへ1986年まで在籍した。以降ワーナーに籍を移すが現在もアメリカを代表するロック・ミュージシャン、詩人として精力的に活動している。2003年1月には約3年ぶりのニュー・アルバム「THE RAVEN」をリリースした。この5/28リリース「NYCマン~ヒストリー・オブ・ルー・リード」はルー・リード自身による選曲及び編集で1967年のヴェルベット・アンダーグランドの音源からRCA,アリスタを経て現在のワーナー音源まで全31曲収録。ルー・リードの全キャリアをCD2枚に凝縮。かつて無かった究極のオール・タイム・ベストが完成した。

オフィシャルHP:http://www.repriserec.com/loureed/より



1960年代に於けるアメリカのアンダーグラウンドでは、従来のロックの枠には収まりきらない新しいスタイルのバンドが誕生していた。彼らは、演奏テクニックも楽器も充分には持ち合わせていなかったが、伝えるべき自分の感情を思いのままに演奏する奔放さがあった。人種差別、泥沼化するベトナム戦争、冷戦関係といった政治思想を抱えた反社会的精神はアンダーグラウンドでうねりを上げ、 1965年ニューヨークで結成されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドによってそのフラストレーションは解き放たれた。今までタブー視されてきた同性愛やドラッグなどをテーマにした攻撃的で暴力的な音楽は、 1970年代のニューヨークのライヴハウス「CBGB’S」や「マクシス・カンサスシティ」などで活動していた、ラモーンズ、テレビジョン、パティ・スミス、ブロンディなどのグループなどに受け継がれ、彼らのスタイルはニューヨーク・パンクと呼ばれた。



- ヴェルヴェット・アンダーグラウンド Velvet Underground -
オリジナルのメンバーは以下の4人。
ルー・リード(ヴォーカル、ギター、ピアノ)
ジョン・ケイル(ベース、エレクトリック・ヴィオラ、オルガン、ピアノ、ヴォーカル)
スターリング・モリスン(ギター、ベース、ヴォーカル)
モーリーン・タッカー(ドラムス、パーカッション、ヴォーカル)



このルー・リード率いるヴェルヴェット・アンダーグラウンドをその起源に持つニューヨーク・パンクは飛びきりアーティスティックな魅力にあふれていた。シンプルかつワイルドな3コード・ロックンロールに、初めて「知性」を持ち込んだのがヴェルヴェット・アンダーグラウンドであった。「ヴェルヴェッツ・チルドレン(ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの子供達)」なんて言葉でよく形容される、ニューヨーク・パンク・シーンですが、ニューヨーク・ドールズを筆頭に、パティ・スミス、テレヴィジョン、ブロンディ、トーキング・ヘッズ、ハートブレイカーズなど、多様な才能がひしめく群雄割拠のニューヨーク・シーンは途轍もなく面白かった。



『トランスフォーマー / Transformer 』
72年、ソロ・デビュー後、同年末にデヴィッド・ボウイらのプロデュースによる2ndアルバム『トランスフォーマー / Transformer 』をリリース!ロック史に残る名作!
「堕落した人間の歌、他人を傷つける人間の歌、メイキャップの歌、それからラブソングもある。 僕はいつも一枚のレコードに少なくとも、一つはラブソングを入れるのが好きだ。」



「ワイルド・サイドを歩け / Walk On The Wildside 」
ルー・リードの唯一のシングルヒット曲!

ホリーはフロリダのマイアミからやって来た アメリカ中をヒッチハイクして
旅先で眉毛を引っこ抜き すね毛を剃ればもう彼女
彼女は言う、”ねえアンタ、裏街道を歩きなよ”

キャンディは島の外からやって来た 秘密クラブじゃみんなの恋人だった
だが舌を使う時にも 我を忘れることはなかった
(褐色の女たちは歌う doo doo doo do doo)

リトル・ジョーは負け知らず みんなが金を巻き上げられる
あっちでごまかし、こっちでちょろまかす ニューヨークじゃこう言うのさ
”なあアンタ、これが裏街道の人生さ”



シュガー・プラム・フェリーが風を切って歩く ソウルフードを食わせる店を探してね
アポロに行ったんなら ゴーゴー踊る奴の姿を見たはずだぜ

ジャッキーはスピードでいっちまったる 今日の彼女はジェームス・ディーンのつもり
だったら事故に遭わなくちゃ パーティーには精神安定剤の助けがいる

ワイルドサイドを歩くんだ
褐色の女たちは歌う doo doo doo do doo



これが「Transformer」の有名な裏ジャケ!ヨタモノっぽい男とどう見ても男にしか見えない女が写ってもっこりとハードゲイの世界が取りあげられている。あははは。歌詞の登場人物はすべて実在の人物で、アンディ・ウォーホルの「ファクトリー」にたむろってた与太者達だという。ステージ上でのヘロイン注射、美少年レイチェル君との婚約など数々の伝説を残した「ニューヨークの闇の帝王」ルー・リードの最高傑作!



「ソングス・フォー・ドレラ/Songs For Dorella」
ジョン・ケールと二人だけで作られたアンディ・ウォーホルへの追悼アルバム。Velvet Underground 以来約20年ぶりに実現したジョン・ケールとの本格的なコラボレーション。しかし、冒頭の曲「スモール・タウン」でアンディ・ウォーホルのことを「近眼で汚い肌のゲイのデブ、そんな君を人々は奇異の目で見ていたね」と歌っている。ジャケットは光線の加減でアンディ・ウォーホルの顔が浮かび上がる仕様になっています。



『ザ・レイヴン』
エドガー・アラン・ポーを題材に詩の朗読と音楽で構成された注目作。
「自分の生み出した作品の中でも最高峰のものだ。サウンド、ミキシング、曲作り、力強さやリズム...その全部に関するアイデアが集約されている。今までの何もかもの粋だといっていい」とまで言い切る大傑作。
2001年11月にNYで上演された舞台演出家のロバート・ウィルソン(フィリップ・グラスの「浜辺のアインシュタイン」)とのプロジェクト“POE-Try”を発展させたもので、本アルバムのテーマはポーの残した作品『大鴉』を題材にしたもの。オーネット・コールマン、ファイヴ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ、俳優ウィレム・デフォーら多ジャンルからのゲスト陣に加え、確執期間を乗り越えデヴィッド・ボウイも客演!! 現在のパートナー、ローリー・アンダーソンもフィーチャーされている。



「NYCマン ヒストリー・オブ・ルー・リード 1967-2003」
ルー本人が編纂、サウンド・プロダクションに協力した2枚組み31曲のベスト決定盤!



いまなお衰えないパワーを見せ続けロックの歴史に大きな影響を与え、多くのミュージシャンに敬愛されているルー・リード!トレード・マークの感情を殺した唱法が実に渋いぜ。
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巨大産業化し、動脈硬化を起こしてた商業的な音楽産業とは対極のパンク・ムーブメントではありましたが、ロックの懐メロ化が進む昨今、現在も依然、輝き続ける生涯現役の詩人ルー・リードの音楽は、「言うべき事を持った大人のロック」であります。頽廃的、芸術的といわれようとも今なお、ルー・リードの存在意義はあまりに大きすぎるものです。

〈LOU REED 昨年来日時公演レビュー〉
2003年9月17日(水)大阪厚生年金会館 芸術ホール
2003年9月19日(金)、20日(土) 東京厚生年金会館

「ルー・リード── 衰えぬ攻撃精神」

 ロックが誕生してすでに60年。数多くのアーティストたちが、ロックの巨人、ロック界の大物といった呼び名をちょうだいしている。1960年代半ばにニューヨークでヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成してロックシーンに登場し、70年代に入ってからはソロとして活動を続けているルー・リードも確実にその一人だと言える。ほぼ3年ぶりとなるルーの来日公演のステージは、今年に入って相次いで発表された最新アルバム「ザ・レイヴン」と、音楽活動を総括したベストアルバム「NYCマン」をサポートするワールドツアーの一環で、詩人エドガー・アラン・ポーをテーマにした舞台作品をもとに作られた最新作の曲と過去の代表曲とがちりばめられ、彼のこれまでの歩みと現在立っている場を浮かび上がらせ、その巨人ぶりを確かめられる内容となっていた。

「音楽評論家・中川五郎さんレビュー」

 荒々しくてビートがあってと、スタイルとしてのロックにこだわり続け、巨人と呼ばれる者もいれば、ロックに宿る自由で創造的な精神にこだわり続け、そう呼ばれる者もいるが、ルーは間違いなく後者だ。ドラムレスで、ギタリストやベーシストのほかに、チェリストや天使のような歌声を聞かせる異色の男性ボーカリスト、それに太極拳の名人も加わり、6人編成で行われたルーのステージは、形式としてのロックからは大きくはみ出していたものの、ひとつところにとどまることなく、絶えず新たな地平を果敢に切り開こうとするその姿勢は、まさにロックの本質と言えるもので、40年近くにわたってこの音楽と格闘し続けた、彼の衰えることのない攻撃精神と熟成ぶりとが鮮やかに見て取れた。ヴェルヴェット時代の人気曲ばかりに熱い拍手を送っていると、聴き手は未来へと向かうルーにとっとと置き去りにされてしまいそうだ。19日、新宿厚生年金会館。(音楽評論家・中川五郎)

(毎日新聞2003年9月27日東京夕刊から)





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◇USA盤DVD◇NY・アンダーグラウンドの伝説的映画作家、写真家リチャード・カーンの代 表作セレクション『HARD CORE』です。貴重なリージョン・フリー盤ですので日本製プレーヤーで視聴できます。リチャード・カーン監督作品、出演:リディア・ランチ、 ソニック・ユース他...。 リチャード・カーン監督作品で徹底的に描かれるのは凶暴なセックス とヴァイオレンスです。80年代、クラブの闇の中で密かに上映され、ポスト・パンク、オルタ ナティブ・シーンに大きな影響を与えたNY・アンダーグラウンドの最重要な伝説的映像作家のまさにハードなハードな作品集です。SM、ボンデージ、ドラッグ、サイコパス、狂気、フェティ シズム・・・を全て凝縮してフィルムに閉じ込めたかのようなこれらの映像には、恐怖を感じ観る者の狂気を誘発するばかりでなく、観 る物を危険なエクスタシーへと誘い込みます。SEXと暴力と死の強力なオブセッションは、観る者をマインド・ファック(リチャード・カーンの言葉)するかつてない強烈な映画体験となる事と思われます。ソニック・ユース、バットホール・サーファーズ、ジム・フ ィーダースらの先鋭的な音楽との饗宴もお楽しみください。英語版。


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