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東京都調布市の一角に「みんなの森」と呼ばれる緑地があります。
ここは、調布市によって「特別緑地保全地区」に指定されており、周りを住宅地に囲まれながらも昔ながらの雑木林が残っているところです。
今年の4月から、この緑地を残して活用するために「みんなの森の会」も設立され、保全のための活動が始まったところです。
という訳で、しばらく、この「みんなの森」で見ることができる生き物たちを紹介していこうと思います。
最初に紹介するのはウラシマソウ。
漢字では「浦島草」と書きます。
本種は、春に開花するサトイモ科の一種ですが、一番の特徴はその花の外観にあります。
写真で葉の陰にあるヘビの頭みたいなものが「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる苞葉で、本当の花はその中で咲いています。花が咲くといっても、普通に見られるような見るからに花といった感じではなく、仏炎苞の中に棒状の軸があり、花はこの軸の表面についています。
また、写真では仏炎苞の先から左方向に横に伸びている紐みたいなものが見えますが、これは「付属体」と呼ばれる器官で、花がついている軸の先から長く伸びています。
「浦島草」の浦島は、浦島太郎のことですが、この長く伸びた付属体を浦島太郎が肩に担いだ釣り竿に見立てで名づけられました。
この「釣り竿」が何のためにあるかというと、2022年に神戸大学の末次先生達の研究によって、主要な送粉者と想定される特定のキノコバエ類に対してだけ誘引効果を発揮するという、正に受粉のための「釣り竿」として機能しているということがわかりました。
本種はやや明るい林縁などに生育する多年草で、雌雄別株ですが、その性別は固定されているわけではなく、その年の栄養条件や日照等によって変化し、条件が良いと雌株、悪いと雄株になるといわれています。
なお、果実ができると赤いトウモロコシみたいでおいしそうに見えますが、毒があるので決して食べないようにしてください。
また、蛇足ですが、葉は、写真では複数枚ついているように見えますが、実は地上から一本の葉柄が伸び、その先についた1枚の葉が左右に分かれてさらに小葉に分かれるという「鳥足状複葉」と呼ばれる特殊な構造をしています。
ウラシマソウ Arisaema urashima オモダカ目サトイモ科 2024年4月21日 東京都調布市緑ケ丘2丁目 みんなの森
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