WILLY-NILLY SILLY DAYS

February 14, 2007
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名前はミルク。

彼女は超小型のヨーキー。我が家に来た16年前、たった400グラムで、まるで黒いネズミのようだった。

とてもお茶目で可愛いかった。

母の親友が動物病院を経営していて、そこで「うちのヨーキーが子犬産んだんだけど、ポリリンちゃん、可愛がってくれない?」と頼まれた。

母の留守の間に受けた電話に私は二つ返事でOKしてしまった。

帰ってきた母にその話をして、「私が面倒みるから!」と言って、無理やり承諾させた。

そして期末試験の後の台風の朝、ミルクを迎えに行った。

何もこんな風雨の激しい日に迎えにいかなくても・・・と母は言ったが、待てなかった。

寝ても覚めてもミルクのことばかり。

可愛くて、可愛くて、いつもミルクと一緒にいたくて、放課後、友達とファーストフードに寄り道するのも断って、家にすっ飛んで帰っていた。

成犬になっても1200グラムしかない超チビ。

やたら繊細で、飼い主に従順で、話をすると一生懸命首をかしげて話を聞く子だった。

好きな人の話、彼氏の話、学校の話、将来の話、ちょっとした愚痴・・・毎日色んなことを話していた。

私は一人っ子だから、家でそういうこと話す相手がいなくて、ミルクは私にとって妹みたいになっていった。

母は流産をしたことがあったので、

「もしかしたら生まれ変わりなのかもね」と言っていたほど。

そんなミルクはすごく寂しがりやで、お留守番をする時は必ずブルブルと震えてドアのところに来るので、出かけるのに後ろ髪を引かれた。

お留守番が続くと必ずお腹を壊す。

だから、初めてオーストラリアに留学すると決めた時は心が痛んだ。

でも、帰ってくるとまたそばにいて、首を傾げながら話を聞いてくれた。

数年後、韓国からダンナが結婚の許しを得に家に来た次の日、ミルクは発作を起こした。

今でも原因は分からない。

それから度々ひきつけのような発作を起こして、獣医さんに「精神的なものかな。最近、犬でもそういう病気はやってるから」と言われ、なんと精神安定剤を処方されてしまった。

ある意味、異常に繊細で人間化してしまったミルク。

父と私の大喧嘩に私は家出を決めた時、夜中にミルクが私の部屋に来て、何か目で訴えていた。

「ごめんね~」と涙を流して、明け方家を出た私。

今思い出しても胸が苦しい。

結婚を決めて韓国に行った私を見て、ミルクはどう思っていたんだろうね。

父とほんの少し和解して、久しぶりに実家に戻ったとき、ミルクは本当に喜んでくれたっけ。

でもソウルで病気になって、どうしようもなく、今の愛犬(まり)を日本に連れて帰って、ミルクはショックと犬嫌いのためか、体調を崩し、もらった獣医さんで一年以上預かってもらうことになってしまった。

やがて私がエナを妊娠し、ソウルに戻り、ミルクもやっと実家に戻った。

すっかりおばあさんになったミルク。

目も見えないし、耳もほとんど聞こえない。

だけど、エナを連れて帰った時、ニオイで私を分かってくれた。

もう歩くこともままならないけど、私の膝の上によじ登ろうとしてからお腹を出して歓迎してくれた。

子供が嫌いなミルクも何故かエナだけは大丈夫で、一緒になって離乳食をほしがっていた。

ミルクとの思い出はここに書ききれないほどある。

何故、今日彼女のことを日記に書いたかというと、

彼女は今、2度目の腎不全を患っているから。

一度目で、「もうダメ」と言われたのに、不死身の彼女はまた元気を取り戻した。

だけど、苦しんで治療を受けるミルクの姿を見て、自然に逝かせてあげたいと母は言い始めた。

今回は過剰な治療はしない。

苦しまないで、安らかに逝けるように。

遠い空の下からミルクのことを想う夜です。

今日の横浜は冬の台風のように風雨が激しくて、それはまるでミルクが家にやって来た日のようらしい・・・

頑張れ、ミルたん。









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Last updated  February 14, 2007 08:25:11 PM
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