WILLY-NILLY SILLY DAYS

April 19, 2007
XML
テーマ: 海外生活(7776)
カテゴリ: カテゴリ未分類


東京まで電車で35分ほど。周りには緑がいっぱいあって、海までは自転車で10分だった。
(新しいマンションの中吊り広告のような言い方だけど^^;)

元旦になると除夜の鐘ではなくて、港から汽笛の音が聞こえてくる。

とここまで言えば、想像がつくかもしれない。

そうです。「横浜」です。

うちは横浜でも南の方で、夏になると仲の悪い父のウィンドサーフィンやらヨットやらに毎週鎌倉まで付き合わされて、ぶすっとしていた記憶が今でも蘇る。

砂が嫌いで、長靴を履いて砂浜を歩いていた子供。

子供らしく、どろどろになるのなんて耐えられなかった。

公衆シャワーで砂を落とすとき、タイルや排水溝にへばりつく髪の毛を見るだけで泣きたい気持ちになった。

海の帰りに蘭の花がちょこっとグラスに付いている「グァバジュース」をマリーナの横のカフェで飲むのが唯一の目的で仕方なく行った夏の海。

なんて可愛くない子供だったんだろう。

もう30年近くも昔のことだから、車にはエアコンなんてついてなくて、くそ暑かったなぁ。

思い出そのものは潮風のベタベタだったり、砂のザラザラだったり、不快な感覚。

だけど、心に残っている色彩はすごく鮮やかでキレイだ。

グァバジュースのピンク。

蘭の花の紫。

海の青。

父のウィンドサーフィンの帆のオレンジ。

車の黄色。

ビーチパラソルの赤。

そんなところで育った私が、初めてソウルへ上陸した時の空の色と街の色にはショックを受けた。

9年前の冬。

キンポに降りた時は大雪で、もう日没を過ぎていた。

ネオンの明かりに妙に明るく照らされた灰色がかった夜の空からほこりみたいな色の雪がボタボタ落ちてきて、

道路を走る車は元々何色の車だったんだか分からないくらい雪をかぶってて、

タイヤが雪を融かして泥を跳ね返していた。

その反面、不自然にどぎついソウルのネオン。

その時はハングルも読めなかったから、完全に別の惑星に来てしまったかのような印象を受けたけど、ちょっとだけ懐かしいような感じもした。

お母さんにダメだと言われた体に悪そうな駄菓子を食べてしまったような???そんな感じ。


それから5年後そのソウルで結婚し、2年ほど住んだけど、馴染めたとは言えない。

そして私たちはシドニーという街を選んでやってきた。

ソウルよりはシドニーの方が少しだけ横浜に似ている色がある。

今はここが暮らすに心地よいと思えるけれど、

年取ったら私は横浜が、ダンナはソウルが恋しくなるに違いない。

横浜とソウルの間に住めたらいちばんいい。

でも、それってどこなんだろう。

済州島? とか対馬?とか冗談で言ってみたけど・・・

やっぱりシドニーかな。

距離の問題じゃなくて、心の問題で。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  April 19, 2007 09:44:04 PM
コメント(8) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: