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やあ (´・ω・`)ようこそ、寡黙をくれた弓と苦悩に満ちた槍へ。このポーションはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。うん、「また」なんだ。済まない。仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。でも、雑記が更新されているのを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って、今日の雑記を書いたんだ。じゃあ、注文を聞こうか。二つ目まで紹介したからには、そのまま三つ目まで行きたいのが人情ってもの。寝屋川三大中華の最後の一店。その名は「五十番」。丁度「お母さん」というくらいのおばちゃんと、恐らくそのおばちゃんの母であろう二人が、この店を切り盛りしていた。特筆すべきは麻婆豆腐。既存の「豆腐にあんかけを絡めたもの」ではなく、「あんかけに砕いた豆腐が入っている」と言ったものがドンブリに入って出てきたのは、本当の衝撃的だった。しかもまた、これがやたらと美味で、これまで自らすすんで麻婆豆腐を食べるなんてことが無かった僕が、その出会いをきっかけに食べるようにすらなった。その麻婆豆腐を中心に据えた唐揚げ麻婆豆腐定食、通称カラマー。文字通りの唐揚げ+麻婆豆腐+白飯の定食で、初めて行ったヤツはまずこれから食え、的なメニュー。ちなみに「カラマーをドンブリで」という注文をすると、麻婆丼+から揚げの定食になるという裏技が存在した。他にも定食メニューは充実しており、全て番号で管理されていた。恐らくNo.1~10くらいまであったのかな?個人的にオヌヌメだったのはNo.3で、焼き飯+から揚げという構成だ。正直、濃い味付けが主流となっている昨今では、ここの焼き飯は一味も二味も足りなく感じてしまえたかも知れない。が、その足りない部分が、どうにも懐かしく感じてしまう、そんな趣の深い味わいの、炒飯ではない焼き飯だ。上記の味的な魅力に加え、値段が殺人的に安い。定食一発が500円程度で食えて、ものによってはお釣りが来たとかいう、正直採算を考えていたのかどうか、疑わしい料金設定。閉店時間も早かったし、恐らく近所に住む貧乏学生相手の、半ボランティア的な運営体制だったのかもしれない。さて、勘のイイ読者の方は恐らく気付いているとは思います。気付いていないひとも、これまでの文章に何らかの違和感を感じているのではないでしょうか。その答えは、「このお店はもう存在していない」からです。∴、全て過去形で表記していたのです。このお店が無くなる、そう知ったときは本当に衝撃的でした。当時、まだ学生だった僕と、バイト仲間でもあったPOSプロと、休日のお昼にこのお店を訪れ、一人で二つずつ定食を注文し、合計定食が四つ。POSプロが定食二つ言ったあと、すぐさまオレがさらに二つ言ったとき、目を白黒させているお店のひとの表情は、今でも忘れられないwww確かに一つだと、ややボリュームに欠けるところがあるが、そんな傾いたことをする輩はこれまでいなかったらしく、しきりに「えっと、ひとつで一人分あるよ??」なんて聞き返されたりwwwww勿論、オレ達二人は涼しい顔して二人前の定食を腹に収めていったわけだが、それでも会計が千円いくか、いかないかというレベル。一仕事終えたあとのオレたちに向かい、お店のおばちゃんは言う。「こんなにいっぱい食べてくれて、嬉しいんやけどねぇ…」年配の方が、足を悪くされたらしく、調理場に立つことが困難になったため、この店が閉店すると聞いたのは、そのときだった。とりあえず腹は膨れたが、代わりに胸のあたりにぽっかり穴があいたような、そんな感覚に陥ったのはいうまでもなく、僕らはただ呆然と、その言葉と現実を受け入れる他に無かった。「その店が、実は最近復活しました!」なんてオチだったら最高の締め方になるのだが、現実というもの、そうはいかないことを、オレ達はいやというほどに思い知っている。今でもそこには、面影を残したままの「跡地」がそこにあり、当時の姿に思いを馳せる他に術がない僕は、ただそこに立ち尽くす。「もしかして復活してるんじゃないか」なんて、在りもしないことを思いながら。だが、このシャッターが、もう二度と僕たちのために開けられることがなくとも、僕の、僕たちの心には、かつてここに僕たちに最高のクオリティを提供した、珠玉の名店が存在した事実は消えることがなく、また、決して色褪せることはない。∴、大三元、金太郎に並ぶ店が、この先に現れたとしても、五十番は永久欠番のまま、寝屋川四大中華として、後世に語り継いでいくことだろう。そして、この店とその味との最高の出会いがあったという感動に対し、僭越ながら感謝の言葉を述べたい。ありがとう、五十番。ありがとう、最高の定食メニュー。いつか時代が変わっても、僕は忘れない。
2006/12/08
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