全3件 (3件中 1-3件目)
1
ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツを何事もなくオーヴァーテイクしていくクルマは量産車では恐らく今のところ1台しかない。ブガッティ・ヴェイロンは量産車と呼ぶには微妙なのでこれは除く。このヴェイロンを除けばランボルギーニ・アヴェンタドールだけだろう。アヴェンタドールはベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツに輪をかけて恐ろしいマシンだ。アウディというバックボーンがあってこそ実現した新世代のハルデックスカップリングを用いた最新のフルタイム4WD技術はもちろんのこと、アウディ傘下に入ってランボが革新したのは4WD車の軽量化技術である。6.5リッターの排気量を持つV12を搭載しているにも関わらず、カーボンやアルミなどを多用したボディはこのサイズながら1.6t程度に抑えられている。ランボにとってもはやフェラーリはパフォーマンス上の敵ではない。サーキットのアタック・ラップでは良い勝負になるコースもあるだろう。しかし、ワインディングや市街地、スノーロードなど一般道のあらゆるコンディション下で素晴らしい順応力や適応力を見せるスマート・スーパースポーツはランボであり、そのフラッグシップであるアヴェンタドールも例外ではない。まァ、このあたりをフェラーリが昨年だったかチクリとつついた。ランボルギーニを名指ししたわけではないが、フェラーリは最先端の軽量化技術で一昔前には考えられない軽量化を実現したランボとマクラーレンに対して牽制の意味合いを含めた発言を行っている。カーボンが疲労限界を迎えたときにどうなるかのデータがまだ充分ではないため、フェラーリでは積極的にカーボンやアルミなど異なる材質のものを市販車にふんだんに投入してまで軽量化することはしない、と言明したのである。僕はどちらの考え方も間違ってはいないと思っているので、この件に関して白黒つけるつもりはない。しかし、こういったコンストラクターやメーカーの主義主張に至るまで細部のディテイルを理解して乗ることがこのクラスのクルマのオーナーには要求されるから昨夜冒頭書いたように「F12に3,590万円投資するか?ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツに3,150万円投資するか?この領域になるとかなり明確な価値観や哲学、美学が購入の動機になる」という言葉につながっていくのである。さて、アヴェンタドールに話が逸れたが、もう一つだけアヴェンタドールの話題。アヴェンタドールは7速のISRという最新型のトランスミッションを有している。アヴェンタドールが最先端の4WDとして抜け出しているのはこのISRも強みの一つだが、これと比べるとベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツのミッションは少々古さが否めないZF社製のクイックシフト6速オートマなのだ。スロットル踏みっぱなしでも走れるオートマ車でサイドウェイに持ち込み立ち上がってくるマシンなんです!!昨夜も書いたがベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツの弱点は重すぎることだが、その堅牢なボディはこの馬力を受け止め、さらにサイドウェイさせようともヤレることはない。まさに剛健。フェラーリではこうはいかない。昔から比べればフェラーリのボディ剛性はかなり上がってきているが、いまだ物足りなさを感じずにはいられないシチュエイションはかなりある。昔はブッシュ類のメンテを怠ったりすると簡単にボディにクラックが入ってしまう個体さえあった。コンピュータによる解析を駆使できる時代が来たがフェラーリはこの部分だけはまだ不十分だ。ベントレーといえば紳士淑女のためのGTという位置づけやイメージが日本では先行していますが本来そのポジションにある王道はロールスロイスであって、ベントレーはルマンを始めとするサーキットで勝って自らの歴史を作ってきたスポーツカー・コンストラクターの色合いが強いと僕は思っています。いや、それがベントレーの真実です。なので、ベントレー・コンチネンタルのシリーズのラインナップからベストな1台を僕が選ぶなら必然的にベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツになるワケです。ちなみに、35GT-Rや35GT-RスペックVでも鈴鹿や富士で同じことを試してみた。無論、35GT-Rでも出来るのだが何故かときめかない。やはり、オートマのベントレーをサイドウェイさせている!という刺激に勝るものはない。ただし、タイム的にはこの走りは決してよろしくないことは予め申し添える。タイムにこだわるなら徹頭徹尾グリップで無駄を削ぎ落とすのがベントレーでも定石だ。こいつは近年購入したマシンの中で抜群の文字通りスーパースポーツです。ドイツの血が混じって更に侮れなくなった。アヴェンタドールも良いが、今のところはこいつと徹底的に付き合っていこうと考えている。ショックやサスなどの足回りをどうしようか・・・とも考えているが、この手のクルマはノーマルの状態で極限まで使いこなしてナンボです。マンソリー仕様とか色んなサードパーティもありますが僕自身は正直あまり興味がありません。ベントレーはそもそもコンペティションで磨かれた技術でクルマを仕上げているのでノーマルの状態で極限までスポーツ・ドライヴィングを楽しみ尽くし、そのクルマとある種の涅槃にたどり着くまで徹底的に向き合う。共に涅槃に辿りついたら新しい刺激を求めて新しい車両を増車する。それが僕のポリシーです。かなり前置きが長くなってしまった。息子の初ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツ体験に話を戻そう。ルックスからは想像できないちょっと低めのW12のサウンドがアイドリングを始めると彼は「お~っつ!お~っつ!」と感嘆の声を上げる。他のエンジンの音域とは明らかに違うので彼はこのサウンドに高揚して(?)いる可能性もある。走り始めてから、本格的にという表現より凶暴なという表現の方が適切なトルクが立ち上がってくる3,000r.p.m前後になると彼は目を見開いて乗っている。しかしながら、4秒未満で0-100km/h加速を実現する瞬発力と強靭な加速力のなかでも彼は恐怖を感じているようには見えない。笑顔なのだ。むしろその先へいけ!とワクワクしながら楽しんでいるようにさえ感じる。いや、事実彼は楽しんでいる。終始、笑顔なのである。恐るべし・・・である。息子ながら恐ろしいと感じた瞬間だった。ワインディングとストリートでベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツを楽しんだ彼は停車中のコクピットに座りたがった。いや、これは正確な表現ではない。ドライヴァーズ・シートに立った。ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツは意外とヒップ・ポイントが低く、まだ彼の身長ではスティアリング・ホイールよりも上にはいかず、フロント・ウィンドウから正面を見るにはシートの淵に立って乗るしかないので、ちょっとしたフラストレーションが溜まるらしい。要するに僕と同じポジションで乗りたい欲求があるらしい。そんな彼のために僕が色々と探し回り見つけたのが写真のこのクルマである。座面自体は低いがスティアリングを握ろうとすれば座るポイントが前に来るのでこれなら彼でも若干だが前が見える。彼はとても嬉しそうにスティアリングを切り、シフトレバーをカチりカチりと動かす。写真でも解るようにこれだけ細かく動く。とにかく僕と同じように操作したいという欲求が芽生えているらしい。ドライヴィング中の僕の動きを良く観察しているから何をどう操作すれば良いのかまで彼は充分に分かっている。ワイパーまで動かせるし、ターン・シグナルも出せる。しかも偶然操作できるのではなく、雨が降っている時にクルマに乗せるとワイパーを動かすのだ。その知能は一体どういう種類のものなのか僕には見当もつかない。彼の次の夢はおそらくベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツを自分でドライヴィングすることなのではないかと思うが僕としてもそんな簡単にベントレーに乗せるわけにはいかない。まずはその前に35GT-Rの壁を越えてからの話だ。彼が35GT-Rをどう乗るのかが今から楽しみでならない。
September 13, 2012
コメント(0)
息子は念願かなってベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツの助手席に乗った。息子の圧倒的な熱意に僕が負けた形となった。彼の熱意たるや半端ではない。パッセンジャー・シートではなく、ドライヴァーズ・シートに座らせろと要求してくる。とにかく座らせるまではベントレーから降りようとはしない。もはや35GT-Rは彼にとっては過去のクルマになってしまった。イタリアから帰ってきてからは僕の手を引いてベントレーの前に連れて行く。これじゃないとダメだ!といわんばかりに。一歩も引かない思いの強さはあらゆることを成就する上でとても重要なファクターなので僕はとても嬉しく感じている。十番界隈でもベントレー・コンチネンタルGTはよく見かけるが、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツになるとなかなか出会うことはない。コンチGTは458イタリアの新車よりも400万円ほど安価なのでベントレーをあまり知らなくても、あるいは熱狂的なベントレー・ファンじゃなくても踏み込んでいけるモデルだが、スーパースポーツはフェラーリの最新鋭458スパイダーよりも高価で、最新鋭の12気筒モデルF12ベルリネッタと比べてもおよそ400万円安価に収まる程度だ。すなわち、F12に3,590万円投資するか?ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツに3,150万円投資するか?この領域になるとかなり明確な価値観や哲学、美学が購入の動機になる。だから、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツはよほどベントレーというクルマが好きか、このクルマを選ぶ明確な理由がなければ買おうとは思わないクルマだ。そういう意味ではクルマ好きの目をかなり引くクルマなので下手なことはできない。だから街乗りは常にジェントルなドライヴィングを実践できるブレないモラルやマナーも持ち合わせていなければならない。言い換えれば、ストリートで安易なドライヴィングは許されないクルマで、試すならクローズドに持ち込んで余すことなくW12ツゥイン・チャージド・ターボの異次元体験をすべきクルマだ。そうすればコンチネンタルGTとスーパースポーツの間にある600万円の価格差がどこにあるのかをドライヴィング・スキルの高いドライヴァーならばハッキリと感じることが出来る。これは差という表現ではなく、壁という表現を用いたほうが適切であるように思う。ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツとコンチネンタルGTは似て非なるもの。911GT3RSと911GT3の違いではなく911GT3RSと911ぐらいの厚くて高い壁だ。コンチネンタルGTはあくまでもGTであり、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツはその名の通りスーパースポーツである。サーキットでバトルすればその違いは明白で、ドライヴァーの腕が互角ならコーナーを3つ抜ければかなりの差が開く。一旦差が開いたら二度とその差を詰めることはできないほどの決定的な差である。無論その差に由来するのは馬力やトルクがベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツのほうが上という部分や、補強された上で軽量化された堅牢なボディを持っている部分は否めない。ベントレー・コンチネンタルはスーパースポーツもGTも共にトルクスプリット型の4WDではなくバイアストルクであり前後の駆動配分は終始固定だ。どちらも6速オートマティックで強大なトルクを路面に伝える。35GT-Rのように無段可変するトルク・スプリット・スタイルのハイテク4WDが主流の昨今、言い方は悪いが骨董品と思えなくもない。実際、かく言う僕も最初はそう思っていた。実際にクローズド・コースに運び込みアタック・ラップを繰り返すまでは・・・。しかし、乗ってみてその考えは一変した。「こう来たか・・・」と思わずにはいられなかった。このベントレーが心底おもしろいと感じる部分は例えば鈴鹿の130Rや、富士のコカコーラで若干オーヴァー・スピードによるアンダーが出た場合も荷重移動をしっかり行い、落ち着いて適量のスロットル・オープンをすることにより自在にドリフトさせサイドウェイ状態に移行させることも可能なのだ。安定指向の4WDではなく積極的にコーナリングを楽しめるようにセッティングしている。もはや、かつての悪路で安定性を追究するための4WDシステムはどこにもなく、よりトルクとパワーを使い切るための絶対条件としてのパワー・トレーンなのだ。その代わりといってはなんだがクローズドを本気で攻め込むとその重さも災いしてミシュランは4輪とも半日でライフが終わる。違う銘柄のタイアも何種類か試してみたがライフは大きく変わらない。しかし、日常使用でタイアに頼りきった走りをしなければ、タイア・ライフはそんなに短くはない。また、クローズドを攻めると見えてくるのがコーナーやストレート以外のまったく目を向けないようなポイントでの身のこなし、いや調教といったほうが良いか?がベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツはピカイチだ。クローズドに持ち込んでバトルすれば耐久レースでなければフェラーリ599もガヤルドもアウディR8もアストン・マーティンDB9もベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツの前に出ることは簡単ではない。先ほども書いたがドライヴァーの腕が互角なら前に出られる可能性があるとすればベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツのドライヴァーがミスをした時だけだ。ただし、耐久レースだと重さが災いしてタイアが早く終わるので勝負にならない。低ミュー路の耐久レースなら話は別だが・・・。なので、ベントレー・コンチネンタル・スーパースポーツの弱点はその重さである。続く・・・
September 12, 2012
コメント(0)
後半戦に入り、やはり今年のF1もある程度想定内に収まるようになってきました。アジア・ラウンドはそんなに多くのウィナーは誕生しないでしょう。シンガポールからアブダビまでの5戦で生まれるウィナーは荒れない限りせいぜい2人か3人。チャンピオンは逆転で誕生する可能性が濃厚です。ただし、少しばかり覚醒が遅かったので追い上げは届かない可能性もあります。その場合はフェルナンドが逃げ切る可能性がありますが、僕の私見としてはフェルナンドが常に2位の15ポイントを獲得するのは難しいと考えます。特にフライアウェイの2連戦、アメリカとブラジルはフェラーリのマシンはかなり苦手とするコースと思われます。ここで崩れる可能性が高いのでフェラーリ&フェルナンドはアブダビまでにチャンピオンを決める必要があります。しかし、今季の難しいところはランキング2位から4位までの得点差が2点しかない部分。キミ・ライコネンやセバスチャン・ヴェッテルもフェルナンドに届くかどうかは解らなくても1つでもランキングを上げるためにしぶとくポイントを積み上げるはずで、市街地などで失敗する可能性が高いフェラーリ&フェルナンドは一気に大量失点を重ねる可能性が出てきます。もはや失うものは無いマクラーレン&ルイス、ルノー&キミ、レッドブル&セバスチャンは思い切った戦略で望んでくる中、フェラーリ&フェルナンドは3ティーム、3人のドライヴァーにアジャストした戦術を考案するのはまず不可能。3人のうちの誰かには前に行かれてしまう可能性が極めて高く、チャンピオン争いはこれからが正念場。マクラーレン&ルイスの速さから逃げるアドヴァンテージとして57ポイント・リードはちょっと微妙かな・・・と思います。無論はまれば同じマシンを使うジェンソンも速い。フェルナンドとしてはティーム・オーダーはしないマクラーレンの伝統を守ってもらってジェンソンが優勝をもぎとり25ポイントをルイスに与えないことも重要になってくるでしょうね。これは戦術的に決して難しくはありません。ティーム・オーダーを出すフェラーリはフェルナンドは普通に走らせ、フェリペに指示を出して例えばインラップでルイスを押さえ、アウトラップをジェンソンの後ろでしかコースインできないよう誘導するだけで目論みは達成できます。これによって焦ったルイスがジェンソンに絡みマクラーレン2台が同士討ちになればフェルナンドの獲得ポイントが上がります。シンガポールのストリートやヨンアムはもとより、ブッダ・インターナショナルもその戦術がはまりやすいコースだし、テクニカルなセクションが続く鈴鹿で抜くのはかなりのリスクを負わなければならず、ティーム・オーダーを出すティームとそうではないティームのポイント獲得数は大きく差が出てくるはずです。それゆえに冒頭部分で僕はウィナーは2~3人でなないかと書いたわけです。ここを考慮すれば、ここにきてキミが復帰後初勝利を上げ、ルイスがポール・トゥ・ウィンを並べてくる可能性が見えてきます。マクラーレンのシャシのポテンシャルは今季のティームの中では抜けています。昨年のレッドブルほどではありませんが・・。わざと終盤戦はオーダーでの戦いが活きるコースを選んでいるのではないかと思うほど、ティームで戦うことが活きるコースが続くのでフェラーリに限らず幾つかのティームが間違いなく立ててくる戦術だと思います。
September 11, 2012
コメント(2)
全3件 (3件中 1-3件目)
1