Fastest Lap

Fastest Lap

December 13, 2009
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テーマ: F1(444)
カテゴリ: Formula 1
12月8日の記事の続きになります。

僕は以前から可夢偉というドライヴァーに大きな期待を寄せています。
そのせいか、彼がインテルラゴスで披露した走りには高揚しました。彼の無難な走りを見て関係者のほとんどが琢磨と同レヴェルのドライヴァーと判断していましたが僕の判断はちょっと違っていました。

琢磨は巧いし、トップ・コンテンダーと渡り合える資質を備えています。しかし、自身の実力だけを頼りにF1でチャンピオンを獲れる資質があるかといえば微妙なところです。
★7co★さんの質問にもありましたが、今季のジェンソンがそうであるように、マシンに恵まれなければ現在のF1ではチャンピオンを獲れないのが現状です。僕が事あるごとに言っている「チャンピオンに相応しいドライヴァーがタイトルを獲れていない」はこの部分に起因します。
ドライヴァーズ・チャンピオンシップとは名ばかりで、ドライヴァーの技量によってチャンピオンが決定することはごく稀。
マシンの出来によって大きく左右されるコンストラクターズ・チャンピオンシップがドライヴァーズ・チャンピオンシップにも大きな影を落としています。どんなに優れたドライヴァーも良いマシンに乗れなければチャンピオンは不可能と言ってしまっていいからです。

たとえばニコ。彼がF1にデヴュウする際、マクラーレンに空きシートさえあればルイスよりも早くGP2出身のチャンピオンになっていたでしょう。
現在のF1ドライヴァーがすべて同じマシンに乗ってチャンピオンを争えばもっと明確な差が出るか、あるいはもっと均衡し僅差になるかのいずれかです。

たとえば今季のフェラーリに乗ってチャンピオン争いをできるドライヴァーは多くても2~3人程度ですが、ブラウンGPのマシンでチャンピオン争いをしたら6~7人がチャンピオン候補になるでしょう。ただし、これはあくまでも平等にマシンを用意してもらえたら・・・の但し書きがつきます。

ここで誤解が無いように申し上げておきますが、僕はマシンの力に頼ってタイトルを獲ることを全否定するつもりはありません。
しかし、結果として上手くて速くて、技能的にも精神面でも、すべてにおいてチャンピオンに最も相応しいドライヴァーがタイトルを獲っていないという事実が存在しているのもまた事実です。
例えば今季最もチャンピオンに相応しい走りや仕事ぶりを見せたのはセバスチャン・ヴェッテルとルイス・ハミルトンの2人だけです。次点を選ぶならマーク・ウェバー。
ジェンソンははっきり言ってチャンピオンに相応しい仕事はほとんどしていません。「チャンピオンに相応しい走りや仕事」という視点に基づきジェンソンをランク付けするなら、僕がランキングするのはせいぜい6位ぐらいです。
レーシング・ドライヴァーとして当たり前のようにいつもの仕事を普通にしていただけでチャンピオンを獲れました。もっとマシン性能が拮抗していてシーズンを通して高度な頭脳戦を強いられていたなら彼がタイトルを獲ることは不可能だったでしょう。
シーズン後半、ライヴァルに追いつかれたときにはレース・マネジメント・スキルの低さから自身の戦闘力不足を露呈し、競争力の底上げのためにクオリファイング向上とスターティング・グリッドを上げるアタック力も見せられず、挙句にはまだ遙か彼方の初タイトルを前に緊張(??)し、手堅いというよりは不甲斐ない戦いを連発して低迷。
これではとても切れるエース・ドライヴァーとは呼べず、タイトル・ホルダーであることをちらつかせ大幅なベースアップを要求しマクラーレンと交渉するジェンソンを引きとめようとしないのはブラウンGP(メルセデスGP)にとっては当たり前のこと。
まして、来シーズン、ブラウンGPはメルセデス・ワークス。メルセデスも来シーズンからはフェラーリ同様モノコックからパワー・ユニットまで自前で作り上げるコンストラクターになるわけです。
来季からさらにお金がかかると解っているのにマシン性能でタイトルが獲れたドライヴァーに大枚をはたくようなことはしません。マクラーレン・メルセデス時代はドライヴァーの出入り(契約)のタイミングの悪さからニコと契約できなかったメルセデスですが今度は自分のティームを持ったので気兼ねなくお気に入りのドライヴァーを乗せることが出来ます。


~続く~






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Last updated  December 14, 2009 03:27:57 AM
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