じゅびあの徒然日記

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2008年03月01日
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カテゴリ: カラダの病気
タイトルの映画を観てきた。

原作は医師の手によるもので、2006年に「このミステリーがすごい!」賞をとっているそうだ。
だが医師の目から見るとあまりにも当たり前すぎる犯人で、「この人を犯人にしちゃうんじゃ反則だよな」という感じで、ミステリーとしては冗長な感もありながら「葉桜の季節に君を想うということ」の方が騙される楽しみはあったように思う。

個人的に不定愁訴外来の竹内結子が、患者さんに「たまには僕らが先生の愚痴を聞いてあげるから」と言われているところで、泣けた(職業柄である)。

また、オペのシーンはよくできていて、メーンの部分以外は下っ端の医師にやらせてるところとか、心停止させて人工心肺に乗せ、また回復液を入れて心拍が再開するところなど、ローテート研修していた頃を思い出した。
心停止→人工心肺→心拍再開なんて、現物を見ていてもイッツマジック!
本当にちゃんと心拍が再開するのか、ドキドキした。
人工心肺を停止して、最初は心筋が痙攣するように、徐々に安定した拍動が再開していく様子は、毎回感動もの!
ある限られた時間、まさに心臓を眠らせるのだ。



麻酔医というのは全国的に数が少なく、ある程度の規模の総合病院でも外科手術であれば外科医若手の一人が麻酔を担当、なんていうのが常々だった(10年以上前の話)。
たまたまローテート中の研修医がいれば、低リスクのケースでは麻酔を担当するのは研修医の仕事だった(今のローテーターの先生たちに尋ねると、臨床研修医制度が確立して以後は、やらされていないようだから皆さん安心してクダサイ)。
麻酔をかけるか、最後の縫合をやるか、期間中どのオペでもどちらかをやっていた。
気管内挿管のトレーニングとしてだけでなく、オペ中の麻酔をなんと「1年目の私」がやっていた。
スムーズに進む場合はほぼマニュアル通りに事が進むが、急変時にはオペ中の上級医の誰かが手をおろして(手洗いをして術野の清潔操作をしている医師が、中断して)駆けつけるのだ。
オペも麻酔もスムーズに進むことがほとんどだったが、オペ終了と同時にタイミングよく麻酔が覚めないと外科の気短な先生たちのご機嫌を損ね、怒鳴られることが多々あった。
慣れないうちは、オペの残り時間(皮膚縫合まで終わる時間)の感覚がつかめず、まだ術野をいじっているのに麻酔が浅くて反射が出たり(「バックアップ!」と怒鳴られる)、皮膚縫合まで終わっても全く自発呼吸が出ずにオペ室に長居を強いられたりして(「おい、まだ覚めないのかよー」とブツブツ言われる)、溜息ばかりだった。
筋弛緩薬には比較的長く有効なものと、短くて効果が切れるものの2種類があり、オペ中一定時間ごとに追加していく。
また吸入麻酔薬は脂肪に親和性があるため、女性なら体重の割に多く、肥満の人ほど多く使わないと効かないし、脂肪蓄積量が多い分抜けるにも時間がかかり覚めにくいということになる。
慣れてくると、オペの終了が近くなったら筋弛緩を追加せず、吸入麻酔薬をギリギリまでしっかりかけるとか、そのへんで調整できるのだが、初めはひどいものだった。
皮下組織の縫合にとりかかる前くらいに自発呼吸を出し、皮膚縫合が終わって片付いた時点でリバースを打って患者さんにさくっと起きて頂ければベストである。

なかなか麻酔が覚めないことにイライラした上級医(一番気の短い先生だった)に「じゅびちゃん、もういいよー。リバース打っちまえよー。帰れないじゃんかよ」と怒鳴られ、指示どおりにしたら病室へ戻ったところで呼吸が再停止し、その場で緊急挿管したなんていうとんでもない、そして忘れられないエピソードもある(この件では後にこの上級医がしこたま油を絞られた)。

私が外科にいたのはほんの数ヶ月のことだけれど、その間ほぼ毎日のように麻酔をかけていたわけで、何度か「これは危ないんじゃないか」という緊張を強いられる場面がなかったわけではない。
1度だけ、あまりの緊張と恐怖でオペ中に嗚咽してしまったことがある。
「じゅびちゃん!途中で泣くな!最後まで自分の仕事をやれ!オペ中に何かあった場合は、すべて俺が責任を取るんだからな!」と怒鳴ったT先生からは、今でも年賀状を頂いている。
...カッコよすぎるぜT先生。


このレベルでも医療ミスといえば医療ミス、だが卒後一人前になるまで、またなってからも、何一つ失敗したことがない、と言える医者はこの世に一人もいないはず。

もうすぐ私も当時のT先生と同じ年代になる...。
なかなかT先生のようにカッコよくなれないな。





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最終更新日  2008年03月01日 22時36分03秒
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