ファーストキス

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『千鶴』

『千鶴』

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2005.11.26
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私は、徐々に片岡和人に対しての想いが募っていった。

笑うとちょっと右端の口角がちょっとだけ上がる所とか、
煙草を吸う時、少しだけ苦そうな顔をする所とか、
照れ笑いした後に、目線を上げた時の顔がセクシーなところとか、
・・・とにかく、彼に恋をせずにはいられなかった。

だから、あの日、ドキッとした。
「かっずぼ~ん!たっだいま~!!」
私が、マンションに帰ると、いるはずの彼の気配が無かった。
「おーい!いるんでしょ。夕飯買って来てあげたぞぉ。一緒に食べよー」

・・・鍵が掛かっていた。
寝ているのかな?
私がリビングで夕飯を食べようとし始めた頃、片岡和人は部屋から現れ、それから程なくしてハルナちゃんが泣き腫らした目で出てきた。

二人の間に何かあったことは明白だった。

私はそれから数日経ってやっぱりどうしても気になって、あの日のことを彼に切り出してみた。
正気では聞けないかもしれないから、ビールを買って、二人で飲みながらさり気なさを装って。

「あのさ。言いたくなったら言わなくてもいいんだけどさぁ・・・・・。
ハルナちゃんと何かあった?」
「・・・・・・」
「ハルナちゃん、泣いた目をしてたから気になって・・・」
「・・・抱いた」

「抱いたんだ」
この彼の言葉はとてもショックだった。
でも、私は努めて平静を装って、質問を続けた。
「え?!ついに・・・ヤッちゃったの?!」
軽く聞いているように自然に振舞ったけど、声が上擦っているのが分かった。

「そーだったんだ。それで・・・か」
私のビールを持つ手がカタカタと震えた。





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Last updated  2005.11.26 21:40:25
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