Flatのガンプラ製作日記

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ザク考察(Up 04/10/21)


第2章:ザクが残したもの(Up 04/10/21)

第1章:ザクというモビルスーツ



ザクである。一年戦争のジオン軍の代表的モビルスーツであり、すべてのモビル
スーツの源である。

一年戦争開戦当初、ザクの仮想敵と想定されていたのは艦艇及び戦闘機であり、
それらに対しての戦闘力はまさしく超兵器と呼ぶにふさわしいほど絶大で、
ジオン軍に圧倒的勝利をもたらす。

その後、ジオン軍は地球への侵攻を決意。ここでもザクは大活躍し、連邦軍は
次々と重要拠点を奪われると事となった。

このように宇宙、陸上と場所を問わず、大活躍したザクであるが、活躍出来た
最大の理由は「特徴が無い」とまで言われるほどのバランスの良さであろう。
能力を特化させていないため、ザクは様々な任務に適応可能で、兵站への負担も
非常に軽かったのである。

まさに名機といわれる所以である。

転機は連邦軍がモビルスーツの開発に成功したことによる。もともと仮想敵が艦艇と
戦闘機であったザクには、モビルスーツ相手は荷が重かったのかもしれない。

連邦軍のモビルスーツに対抗するかのように、ジオン軍はグフ、ドム、ゲルググと
次々と新型モビルスーツを開発していくが、最終決戦の場であるア・バオア・クー戦に
おいてもザクが戦闘に参加していることが確認されている。

これはジオン軍の窮乏を表しているとも考えられるが、あえてドムやゲルググなどの
新型モビルスーツを他のパイロットに譲り、自分はザクを使い続けていたという
ベテランのパイロットが数多くいたようである。
使い慣れていたから、という理由で済ませるのは簡単だが、「玄人好み」する素晴らしい
「何か」が、ザクには詰まっていたのでなかろうか?

ザクとはどんなモビルスーツか?
玄人受けする魅力を持った大人のモビルスーツなのである!

第2章:ザクが残したもの



ザクはどのような功績を挙げ、後世に何を残したのかを考えてみる。

ザクが従来の兵器と一線を画している機能といえば、やはり「手」であるが、ザクが
最も戦果を挙げたのは、開戦当初の「一週間戦争」と、「ルウム戦役」である。
「一週間戦争」ではまず、宣戦布告後に行われたサイド1,2,4への奇襲に出撃。
核ミサイルによる無差別攻撃を敢行し、驚異的な攻撃力を見せている。
また、「ブリティッシュ作戦」では、サイド2の8バンチ・コロニー、アイランド
フィッシュに、ザクの工作部隊が進入。「手」を使用して核パルスエンジンを装着し、
同コロニーを南米の連邦軍本部ジャブロー基地目掛けて落下させることに成功した。
コロニーは結果的に大気圏突入の衝撃で軌道を逸れ、ジャブローには落下しなかったが、
一連の作戦が人間さながらの作業性を持つMSの存在なしに成功しなかったであろう
ことは明らかである。
「手」に持つ武装を切り替えるだけで、ザクは様々な作戦に対応することが出来たので
ある。ここまで汎用性の高い兵器は他に類を見ない。しかも、「手」に持てるのは武器
だけではない。状況に応じて、「土木作業部隊」になったり、「工作部隊」にまでなり
えたのである。

さらにサイド5宙域で戦われた「ルウム戦役」において、ザクは圧倒的な対艦攻撃力
をも実証して見せた。レーダーの効かないミノフスキー粒子散布下では、小型で
機動性の高いザクを艦砲で追うことは事実上不可能で、連邦軍艦隊は文字通り成す術
なく大敗。実に出撃戦力の8割を失うことになったのだ。一説にはこの時、推力を強化
したS型のザクが通常の3倍の速度で連邦軍艦隊を翻弄、たった1機で5隻もの艦艇を
撃沈したと言われているほどである。今日ではS型ザクの推力が通常型の1.3倍ほど
だったことが確認されており、この逸話もザクの性能が産んだ一種の戦場伝説である
とする説が支配的であるにせよ、その有効性に疑問の余地はない。
いずれにせよ、こうした戦績が大艦巨砲主義を無用にしてしまったのは間違いない
だろう。いくら火力が大きくても、命中しなければ無意味であり、事実連邦軍も、
一年戦争後半には独自にMSを量産、艦艇にも応急的にではあるが、MS搭載能力を
付加し、反抗作戦に臨んでいる。

戦争はザクの登場によって、MS対MSの戦いで決せられる時代を迎えたのである。

これがザクがもたらしたものである。

しかし、仮想敵を艦艇としていたザクの兵器としては役割は逆に言えばここで
終わってしまったといってもあながち言いすぎではなかろう。
連邦のMSに抗するのは荷が重かったのである。

つまり、 ザクによって、時代は進み、進んだ時代はザクを時代遅れにしたのである。
皮肉な話である。

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