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書籍の感想です。今回は「泣くな研修医」です。泣くな研修医 (幻冬舎文庫) [ 中山祐次郎 ]研修医のお話です。研修医と言うと、お医者さん以上にブラックな就労環境なイメージです。この本でも安い賃金で長時間働き、家に帰らずソファで寝ることもしばしば、なんて姿も描かれますが、この本の良いところは焦点がそこではないところです。医者になった以上、当然患者を救いたい、でも診察しても判断ができない。末期の患者に何ひとつしてあげられないという焦り、苦しみという部分が描かれていて応援したくなるお話です。先輩の医師はものすごく厳しいけど、意地悪ではないのです。研修医とは言え、医者。判断を間違えれば患者は死ぬ。だからこそ、研修医であっても甘えは許さない。勉強した知識と診察の結果を結び付けられないことを怒られ、他の可能性がないか確認することを怠ったことを怒られ、悔しい日々を過ごすのでした。主人公である隆治はそれこそ寝る間も惜しんで努力しているのですが、ラストでなんでそこまで頑張るのかが描かれます。それは隆治だけでなく、両親にとってもトラウマとなっている事柄で忘れたかのように話題にすることもなかったことでした。しかし、両親も隆治も心の底ではそれを忘れたことはなく、隆治はそれに追い立てられるように頑張っていたのでした。幼い頃のことで、部分的にしか覚えていないことを両親に問い、真実を知る隆治。昔だったら耐えられなかったかもしれない事実に、医者隆治は理解を示すことができ、やっと過去を消化することができたのです。なかなか良かったです。続編も読んたでみたいと思います。
2024.11.28
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書籍の感想です。今回は「転移先は薬師が少ない世界でした5」です。転移先は薬師が少ない世界でした(5) (レジーナ文庫) [ 饕餮 ]5巻です。ただの家畜であるはずのコッコまで幻獣に進化しちゃうってやり過ぎな気がする(笑)リンへのお詫びなのかもしれませんが、もう今の状態でまったく困ってないですからねー一応誘拐されて気持ち困った状態になりましたが、まったく苦労なく解決。まあ、神獣、幻獣がワサワサいたら、敵なしですよね。後は進んだことと言うと、遂にエアハルトから告白してもらったことですかね。態度を見れは明らかでしたが、口ではそんな事は言わず、リンも自分からは言い出せずという感じで両思いなのにジリジリした展開でしたが、周囲にもあっという間に知られてしまいました。エアハルトはからかわれても、「おう、良いだろう」なんて言うもんだから、からかい甲斐がないですね。ちょっとマンネリ感があるかも。仕事して、ご飯食べて、従魔と仲良くするみたいな話が何度も出てくるので、その辺はもう良いかな。
2024.11.24
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書籍の感想です。今回は「月の立つ林で」です。月の立つ林で (一般書 405) [ 青山 美智子 ]青山美智子さんの作品です。青山さんの作品に多くあるパターンではありますが、連作短篇集という感じで、一つの章が一人の人物の再生のお話として完結していて、次の章ではその人がさり気なく脇を固めていたりして、ゆるく繋がっていき、最終的に一つのお話となっていきます。各章で必ず出てくるのが、ポッドキャストの「ツキない話」という番組です。「かぐや姫は元気かな」という言葉で始まるこの番組は月にまつわる話を優しい語り口で話してくれるので、新月の話とかは普通に興味深いです。新月、新しい月の始まり、あらゆることの開始に適した日。実際には月の話をしているだけなので、それを聞いたから人生が変わったわけではないのですが、そっと後押ししてくれる感じで、月のイメージにピッタリです。そんな月に後押しされて、看護師として自信をなくした女性を助け、お笑い芸人を目指しつつ、宅配の仕事に精を出す。小さな町工場を経営するオヤジは娘が連れてきた相手に困惑し、母親から嫌われていると思いこんでいる少女はバイクの免許を取り、新たな世界を目指す。そんなみんなのほんの少しの成長が新しい出会いを生み出すのでした。とても静かな素敵なお話です。
2024.11.22
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書籍の感想です。今回は「今、出来る、精一杯。」です。今、出来る、精一杯。 [ 根本 宗子 ]読んでいて疲れる作品でした。決して文体が読みにくいとかそういう意味ではありません。出てくる登場人物がみんな不幸というか、現状に苦しんでいて、悩みもがいています。それが読んでて辛くて、一緒に息止めているみたいな感じです。そういう意味では褒め言葉なのかなーあるスーパーのアルバイトの場がメインなのですが、おばさんに理不尽な言いがかりをつけられる彼女。その彼女は店長と付き合っているのですが、「バレるとまずい」とか言っておばさんの理不尽から守ってくれない。唯一彼女を守りたいと思う子は別の陽キャのギャルと彼女が仲良くする姿を見てイライラする。おばさんはある屈折した感情を抱えているし、店長もさらに屈折して歪んた想いがあるし、新しいバイトの女性は過去のトラウマから人と交わることを極度に恐れています。新しく入った別の男性は要領が極端に悪く、また気配りができない。バイトリーダはとても面倒見の良い人に思えたけど、この人も面倒な人だった。そんなこんなみんな何かしら抱えていて、でも精一杯生きようと努力する。ぶつかって壊れて、それでも進もうとする。泥だらけ、傷だらけ。読んでいて辛い。特別な何かも起きないし、人生は続いていく。タイトルの通りです。「今、出来る、精一杯。」
2024.11.19
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書籍の感想です。今回は「一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた4」です。一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた4 ~落第剣士の学院無双~ (ファンタジア文庫) [ 月島 秀一 ]4巻です。剣王祭という学院対抗戦に出場したアレン。まだ謎が多いのですが、アレンをなるべく目立たせないようにしようとするレイア。アレンが一足飛びに強くならないように間違った訓練方法を指導したにも関わらず、どんどん強くなってしまうアレン。結局、国最強と謳われる神童を倒した事でアレンの名前は全国レベルになってしまいます。黒の組織からのスカウトを警戒するよう言われますが何と黒の組織が千刃学院に大規模進行をかけてきます。先の流れからすると、アレンを勧誘に来たかと思ったのですが、目的はリアのファフニールとの事です。集めて何するのかな?ちなみに表アレンてはまったく歯が立ちませんでしたが、裏アレンは逆に無双過ぎw裏アレンは一億年ボタンを渡してきた爺さんと作戦会議してます。敵ではないようです。知り合いなんですかねえ?ちなみにアレンの先生であるレイアも一億年ボタンサバイバーでした。しかしレイアは500年で空間をぶち破ってあの牢獄を脱出しています。アレンみたいに一億年まるまる過ごし、さらに何度も連打する人は今までにないようです。アレンは剣の才能はないけど、忍耐力は超絶凄いということなんですねー
2024.11.17
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書籍の感想です。今回は「一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた3」です。一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた3 ~落第剣士の学院無双~ (ファンタジア文庫) [ 月島 秀一 ]3巻です。リアと勝負して、その結果、リアを奴隷とすることになったのは1巻。とはいえ、アレンは奴隷として扱ったことはなく、王家と平民だけど対等に付き合うために奴隷という言葉を使います。なので、二人はとても仲良しなのですが、色んな意味でリアの父親には言い訳が立ちません。何もしていないとは言え、一緒の部屋で暮らしているとか相当ヤバイです。という訳で言い訳する間もなく、「最強の男」である事を証明する羽目に。その後、リアとデートすることになったのですが、美術館に飾られた謎の壁画は何なのでしょうね。意味深ですが、意味のところ意味不明です。7体の獣の1体がアレンの中にいるアイツなんですかねえ。一年戦争という名前の一年生の大会に参加。一年戦争って聞くともちろんガンダムの事を思い浮かべる訳ですが、作者もあえてこの名前にしてますよねーその後、リアが誘拐され、その救出。リアの血を調べていたので、何か強くなるための薬とか作るんですかね。黒の組織との戦いが激化しそうな予感。アレンはアイツに飲み込まれちゃうのかな。
2024.11.16
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書籍の感想です。今回は「一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた2」です。一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた2 ~落第剣士の学院無双~ (ファンタジア文庫) [ 月島 秀一 ]2巻です。前巻で暴走したアレンは1ヶ月の停学になってしまう。しかし、本来は退学相当だったところなので、何とか良い方向に持ち込めたという感じです。しかも停学の間、魔剣士としてボランティア活動をすることに。魔剣士とは要は冒険者みたいな感じです。依頼を受けてモンスターなどと戦う仕事です。だたし、今回はボランティア活動なので、無報酬ですが、訓練という意味では非常に良い訓練です。リアとローズが一緒なので、並のモンスターはあっさりと討伐です。そんな中、黒の組織という犯罪組織の一員にかつて決闘をしたドドリエルがいました。彼は決闘に破れたあと、学院を辞めて、犯罪組織に入っていたのです。不思議な能力を手に入れたドドリエルは中々の強敵です。今後も出てくるのかな?復学後、魂装の習得に向けた授業を進めるが、アレンはなかなか習得できません。それはアレンが本当に才能がないからなのかな。それとも何か封印でもされているんですかねー後は素振り部という傍から見たら異様とも取れる部活を立ち上げ、更には生徒会に加入することになります。もう女の子だらけですwラスト、リアの父上から呼び出しを食らうアレン。ただでさえ過保護な父親らしいのに、娘を奴隷にしたなどとバレたら、問答無用で処刑されてしまう恐れもありますよね・・・
2024.11.15
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書籍の感想です。今回は「一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた1」です。一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた1 ~落第剣士の学院無双~ (ファンタジア文庫) [ 月島 秀一 ]底辺からの成り上がり物語です。努力しても努力してもまったく剣士としての芽が出ないアレン。天才剣士と目されるドドリエルと退校を条件にした決闘をすることになってしまいます。当然勝ち目などないわけですが、そんなアレンの前に怪しげなおじいさんが現れる。曰く「このボタンを押すと、時間の止まった異次元で一億年過ごすことができる」一億年も修行すればドドリエルと良い勝負ができると思ったアレンはボタンを押してしまいます。そこは何もない小さな空間で、人によっては頭がおかしくなりそうなものですが、アレンはこれ幸いと修行に明け暮れます。しかもだんだん楽しくなってきて、一億年満了して元の世界に戻ってきたところで、おかわり希望です。結果、10回以上繰り返し、10億年以上の修行は才能のないアレンをトンデモナイ剣士に変えたのでした。アレンはまだ自信を持てなかったのですが、ドドリエルとの戦いは圧勝です。そりゃ、10億年も修行したら、100年に一人の天才くらい余裕ですよねーその後、名門の剣術学院に推薦で入学します。そこでローズ、リアという美人で強い仲間を見つけ、ライバルである氷王学院との対決することに!ちなみに一億年ボタンを押せたのは偶然ではないようです。地元のお母さん、オジサンたちは実はものすごく強くて、面倒ごとからアレンを守ろうとしていたようです。しかし、アレンは見つかってしまい、一億年ボタンで秘めたる力を開花させてしまいました。こちらも今後の展開が気になりますね。
2024.11.14
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ゲームの感想です。知恵のかりものクリアしました。ゼルダの伝説 知恵のかりもの面白かったです。アイテムや敵を覚えることで、自由に活用できるのでそれを使って敵を倒したり、難所をクリアしたりします。1回目はノーマルモード、2回目はハードモードで最後までクリアすることができました。私が好きなかりものは以下です。1.古びたベッド横に2マスあるので、2つ、3つと使う事で橋のように使うことができます。序盤はめちゃくちゃ使います。2.床ビュン何かにぶつかるとすぐ壊れてしまうので、微妙に使いにくいのですが、サッと対岸に移動したい時に大活躍します。3.水のかたまりめちゃくちゃ使い勝手が良いです。このゲーム、降りたり、対岸に移動する手段は色々あるのですが、上に登る手段は限られています。この水のかたまりは殆どの場所で出すことができ、縦に重ねることができ、泳いで上がることができるので、大抵の場所を登ることができるようになります。あまりに便利すぎるので、2回目はあまり使わないように意識したほどです。4.キャンゾル火を点けることができるモンスター。燭台に火を点けたり、火に弱い敵に投げつけたり、終盤までずっと使ってました。5.キースノーマルキースが使いやすいです。たくさん出して敵を攻撃したり、手に持って空中の移動に使ったり、なかなか便利6.ウィズローブファイヤー、アイス、エレキどれも使えます。属性攻撃が必要なボス戦でも大活躍です。7.イトチュラ天井があるところなら階段のように使えて非常に便利8.ウォールチュラ壁をよじ登りたい時にこの子を出してシンクする事で登ることができます。9.バクダン魚壁を壊すことができます。これがないとクリアできないギミック多数。10.タートナック地上で敵と戦う時は大抵これを出してました。火力があり、燃えないので使いやすいです。11.ガブフィン水の中で戦う時はこの子。好戦的だし、ほっといても掃討してくれます。組み合わせや使いみちを色々考えるのが楽しいです。ハードモードはハートが出ない上ダメージ量が多いので、ベッドも重要ですねー中盤はふかふかベッド、後半はゼルダのベッドです。後はモリブリンもまあまあ役に立ちます。ウィズローブを倒すのは結構大変なのですが、出てくるタイミングに合わせて槍モリブリンを多数配置して、槍でコツコツダメージ与えて倒しました。
2024.11.13
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書籍の感想です。今回は「アイネクライネナハトムジーク」です。アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫) [ 伊坂幸太郎 ]伊坂さんの連作短篇集です。それぞれの章が一つのお話として完結しているのですが、それぞれの登場人物が他の章に色々な形で出てきます。父として、母として、同僚として、先生として、友だちとして、世界チャンピオンとして。様々な愛の形が描かれている感じです。1章では仕事で失敗して街頭アンケートをさせられている男性が描かれます。心癒やされる女性からアンケートを取れたのですが、それだけ。結婚している友だちに「出会い方には意味がない。出会いの意味は後から分かる」と分かるような分からないような事を言われます。そんな彼はとても素敵な偶然に出会うことになります。「出会いの意味は後から分かる」のだと思います。1章では日本人がヘビー級ボクシングのチャンピオンに挑戦する様が描かれ、更に仕事の失敗は実際には先輩社員の失敗な訳ですが、その後の章ではそのチャンピオンや先輩が出てきます。その彼、彼女らの子どもが出てきたり、ニヤリとさせられる話が続きます。関係性を想像しながら読むのも楽しい小説ですね。
2024.11.12
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書籍の感想です。今回は「パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!2」です。パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!(2) (レジーナ文庫) [ 八神凪 ]2巻です。前半はやや無理感があったのですが、結構楽しくなってきました。福引でリゾート旅行に行ける事になります。この辺の展開はイマイチと思っていたのですが、女神の封印とそれにまつわる話になっていき、ルーナが大きく関わっているようです。更にはただの猟師だと思っていたルーナのお父さんが10年前に魔王を倒した勇者らしいことが判明します。そりゃ、ルーナがこの話に関わりありますよね。そして前巻でただのクズ野郎だと思っていたアントンが何でそんなに捻くれちゃったのかが描かれて良い感じです。アントンも勇者の恩恵を持っていて、本来は勇者の恩恵持ちは何でもこなせる万能タイプのはずなのにどれもこれもろくにできないアントンは酷い扱いを受けます。しかしそれもアントンを誘拐してゲルズの策略で勇者の恩恵を封じていたのです。封じることで何か特別なスキルを得られるのではないかという人体実験です。しかし、それは誰にも明かされていないため、アントンは「勇者恩恵持ちのくせに」と蔑まれ、アントンも努力がまったく結果に結びつかない現実に打ちのめされていたのでした。10年ぶりにゲルズに再会し、ゲルズが未だにアントンを利用しようとしている事に気付き、何とか撃退する事に成功します。今後の重要人物になりそうな予感です。さて、ルーナはアントンが救おうとした女の子を救うため、不死鳥を探すことにします。ちなみにその不死鳥は女神の封印を担当している一人のようです。父親は謎の言葉を残して姿を隠してしまったので、父親と再会する目的としても、不死鳥のもとへ向かうのは必然なのだと思います。という感じで2巻は終わりなのですが、残念ながら3巻以降は出ていないようですね。web小説としては続きが公開されていますが、紙の本で出てくれるとありがたいですねー
2024.11.10
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書籍の感想です。今回は「パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!1」です。パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!(1) (レジーナ文庫) [ 八神凪 ]レジーナ文庫にしては人でなしが多い印象です。レジーナはたくさんの良い人とちょびっとの悪い人というパターンが多い印象なので。主人公は補助魔法の使い手ルーナ。元々のパーティのリーダ(男)は自分のパーティの女の子に手を出すことしか考えていません。しかも他の3人のメンバ(女)はリーダにベタぼれなせいでパーティから出ていけと言われてしまいます。知らなかったとは言え、そんなエロリーダの元で戦うことに嫌気が差していたルーナは喜んでパーティを脱退したのです。しかし話はそれだけで終わりません。ルーナの補助魔法のおかげで高レベルモンスターを倒せていたエロリーダ一行ですが、自分たちが強くなったと勘違いしていて、無謀な討伐に行ってしまいます。当然倒せる訳もなく、さらに最悪な事に下手に手傷だけ負わせたせいで、ますます獰猛になって暴れ回ります。しかも自分たちがそれをやったことを隠すし、逃げる際に仲間を囮にして逃げたり、トンデモナイ奴らです。何とかこの件を解決したと思ったら、今度は依頼を頼んだパーティの女性に手を出そうとする貴族が出てきたり、そこから逃げるためにダンジョンに来たら、メンバを囮にして逃げようとするパーティに出会ったり・・・クズ野郎が多いです(笑)良い人もいっぱい出てくるんですけどねー補助魔法しか使えないルーナが工夫しながら頑張る話かと思ったのですが、ルーナ自身に秘密があるみたいですね。昔の大怪我した時の記憶があやふやだし、女神(?)の封印に反応して操られたようになっちゃうし、何か過去に何かありそうです。ルーナの記憶が戻ったとき、何が起こるんでしょうか?
2024.11.09
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書籍の感想です。今回は「やさしい猫」です。やさしい猫 (単行本) [ 中島 京子 ]タイトルとあらすじからは想像できない内容でした。お父さんを小さい頃に亡くし、お母さんであるミユキと二人で暮らすマヤ。ある時、スリランカ人のクマラと出会う。だんだん仲良くなっていき、いよいよ結婚という時に、クマラの勤めていた会社が倒産してしまう。次の就職先を探している間に在留期間を過ぎてしまい、オーバーステイとなってしまう。警察に見つかり、入管に収容されてしまいます。ミユキとマヤがクマラを取り戻すために戦うお話です。読んでいてキツイと思ったのは入管がこれ程非人道的な面があるということ。病気になっても、病院で診察してもらうことすらしてもらえないのです(外にまったく出られない)仮放免も滅多なことでは許可されず、許可されても、移動も制限され、働くこともできず、非常に厳しい立場であることがわかります。とは言え、オーバーステイなどルール違反をした外国人に自国に帰るよう言う事自体は正しいように思います。偽装結婚も少なくないのでしょうし、日本人すら救えない状況で外国人を救っていられるのかとも思います。この小説のクマラさんとミユキ、マヤは何にも悪いことはしておらず、迷惑もかけていません。もちろん、オーバーステイになったことは悪いことですが、急に会社が倒産したこと、そのような場合の救済措置が周知されていない事が原因で、悪意で在留特別許可を得ようなどと思っていません。けど、悪意がある人も多いのでしょうね。そういう人とそうでない人をどうやって見分ければ良いのか、難しいところです。しかも制度にも色々な不備があって、例えば、仮放免の子は生まれた時から仮放免になっちゃう。その子が日本で生まれて、日本で育ち、日本語しか喋れないとしても、母国に帰れって言われる。母国で生活なんて無理なのに。どうしたら良いか簡単な解決方法はないです。もっともっと悩まないといけない問題なのだと思いました。
2024.11.07
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書籍の感想です。今回は「三河雑兵心得9 上田合戦仁義」です。三河雑兵心得(9) 上田合戦仁義 (双葉文庫) [ 井原忠政 ]秀吉に睨まれた家康ですが、次男を人質に出す事で何とか難を逃れます。茂兵衛は秀吉和平派と目されてしまい、次男を大坂に送る役を担ったり、面倒事を押し付けられます。家康も和平派なのですが、茂兵衛に不満の目を向けさせる事で何とか進めていきます。しかしそんな矢先、真田昌幸が反旗を翻します。みんないつかは裏切るだろうと思ってはいたもののやはり実際にやられると困ってしまいます。なんだかんだ言っても、信州を取りまとめていたのは真田昌幸だからです。となれば早々に鎮圧しなければなりませんが、徳川軍に油断があるように茂兵衛は感じています。というのも、北条との戦い、秀吉との戦いとどちらも敵より少ない兵数ながら、各自が奮戦し軍事的には勝つことができたからです。そのため、真田軍2千に7千の兵力を持って戦うわけですから、負けるはずがない。そんな気分で戦後処理の話なぞしてしまいます。しかし真田軍は寡兵ですが、弱兵ではありませんでした。また真田昌幸の策も練りに練ったもので、徳川軍は惨敗してしまいます。茂兵衛は殿として、友軍の撤退を支援します。そして・・・うーん、次巻が気になります!
2024.11.04
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書籍の感想です。今回は「転移先は薬師が少ない世界でした4」です。転移先は薬師が少ない世界でした(4) (レジーナ文庫) [ 饕餮 ]改めて王族が面倒だと感じる回でした。無茶や冗談が通ると思っている王太子はあわや従魔に殺されかけます。リンが止めたから収まったものの、リンの不利益には敏感な従魔たちは部屋を破壊します。神獣となった子たちの力の一端を見た感じ。その後のダンジョンでは従魔と人間の冒険者との差があり過ぎる事が見えてきました。このままの暮らしって可能なんですかね?
2024.11.03
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書籍の感想です。今回は「三河雑兵心得8 小牧長久手仁義」です。三河雑兵心得(8) 小牧長久手仁義 (双葉文庫) [ 井原忠政 ]小牧長久手の戦いです。要は秀吉との戦いですね。茂兵衛は昔は難しいことは考えずにいられましたが、妻を持ち、子を持ち、鉄砲大将になったこともあり、やや歯切れが悪い印象。目の前な事象に対する最善だけを考えられなくなっています。それがおとなになるという事なんでしょうか。それは自分だけでなく、小牧長久手の戦い後に昇進が決まっている寄騎を死なせてしまうわけにもいかず、自分の隠し子を育ててくれる寄騎に危険な任務を任せることも怯んでしまうなど、精彩を欠きかねない状況です。それでも何とか小牧長久手の戦いをくぐり抜けます。戦力的には互角だったものの、秀吉軍を圧倒します。それは「信長憎し」という怒りの力が旧武田武士の力を倍化させたのでしょう。それは家康の寛容さが引き寄せた力、ということなのでしょう。それにしても家康は本当にずっと綱渡りだったんだなあ、と感じます。今川に人質とされ、今川が倒れた後は武田の猛攻にさらされ、信玄の死にぎりぎり救われたものの、同盟者の信長は恐ろしいほど疑り深い男で細心の注意が必要だったはずです。信長が本能寺の変で倒れ、1番の同盟者である家康の立場は非常に危ういものでした。そこを何とか乗り切り、ついに5ヶ国の太守になりました。しかし、出る杭は打たれる、とばかりに秀吉に目を付けられます。絶妙なバランス感覚がなければとても生き残れなかったでしょう。そんな家康の人生を元百姓の茂兵衛視点から見るというのは中々楽しい小説ですね。さて、ラストで家康から主命と言われて聞かれた問いに素直に答えてしまう茂兵衛。それは大恩ある平八郎に対する裏切りにもあたる回答でした。前々から少しずつ平八郎と方向性の違いを感じていた茂兵衛は遂に平八郎と仲違いしてしまうのでしょうか。次巻も楽しみです!
2024.11.02
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書籍の感想です。今回は「転移先は薬師が少ない世界でした3」です。転移先は薬師が少ない世界でした(3) (レジーナ文庫) [ 饕餮 ]軽く読めました。前巻の料理ばかりの話は終わって良かったです。ポーション作ったりしていますが、神様にお祈りに行ったら、神様に会えて、色々な情報ゲット。本来は伝えないといけない事を伝え忘れがたくさんあったらしい。そんな中の一つがリンと同じく転生者がいるということ。しかもその転生者は優衣の前世での知り合いばかり。というのも、神様がリンの助けになると思って選別した人々だからです。リンほどの超強力なチートスキルはないようですが、とは言え十分強い彼ら、彼女ら。世界を変えられるくらいの力になるのかしら?
2024.10.30
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書籍の感想です。今回は「AI法廷のハッカー弁護士」です。AI法廷のハッカー弁護士 [ 竹田 人造 ]裁判官にAIが導入されたら、という少し未来のお話です。IFの話ではありますが、近い将来、あり得るかもしれません。人間の裁判官は恣意的な判断をするかもしれません。また、証拠資料をその場で読み、判断する事は無理なので証拠資料は事前提出が基本ですが、AI裁判官は一瞬で読み込んでしまうので、裁判の迅速化に繋がります。なので、うまく活用されれば非常に有用に思えますが、ハッカー弁護士の機島は逆にAIの不備をついて勝訴を勝ち取るという悪徳(?)弁護士です。被告の納得感などお構いなし、過程もどうでも良い、ただ勝ちさえすれば良い、というやり方で一審で無罪を勝ち取った機島ですが、被告の軒下は納得しません。ひよんな事から、機島がチートしている事が軒下にバレてしまい、控訴審では無罪は無罪でも被害者の自殺ではなく、真犯人を見つけて欲しいと頼まれた機島。果たして、機島は・・・そんな感じで転がり込んできた軒下は機島の良心(?)のような存在として活躍(?)していきます。話は、過去のAI裁判官による判決の謎を機島が求めている事が明らかになります。果たして、AI裁判官に隠された秘密とは・・・なかなか面白かったです。機島のどんな手段でも勝訴を勝ち取るという姿は破天荒でもあり、面白くもあります。またAI裁判官が導入されたらどうなるかという未来が克明に描かれ、ワクワクしながら読みました。機械には不要かもしれませんが、人間には「納得感」が必要です。AI裁判官には結論だけでなく、理由もキチンと説明できる機能があると良いかなと思いました。
2024.10.29
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書籍の感想です。今回は「瑕疵物件ルームホッパー 但し、幽霊在住に限ります」です。瑕疵物件ルームホッパー 但し、幽霊在住に限ります (集英社オレンジ文庫) [ 響野 夏菜 ]うーむ、微妙でした。瀬山冬は子どもの時から幽霊が視えてしまい、周りから気味悪がられ、孤立していました。そんな彼の元に仕事の依頼という事で幽霊がいる部屋に住むという話が来ます。部屋に住むだけでかなりのお金をもらえます。雇い主の花純からのリクエストは「死者が死に際に何を思っていたか」を聞き出すこと。何のためにそんな事をするのか良く分からないです。なので、冬が苦労して幽霊から事情を聞き出すのですが、何かスッキリしません。満足感がないと言うか。ちなみにルームホッパーって何だろうと思ったらジョブホッパーという言葉があるんですね。元の意味は違うみたいですが、「職を転々と変える人のこと」を指すようです。冬は幽霊のいる部屋から部屋へ引っ越しを繰り返すので、ルームホッパーということのようです。冬も不思議なんだけど、その相手である花純も不思議すぎて、ちょっと楽しめなかったです。
2024.10.24
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書籍の感想です。今回は「滅びの前のシャングリラ」です。滅びの前のシャングリラ (単行本) [ 凪良 ゆう ]あと1ヶ月で地球が滅ぶと知ったら、皆さんどうしますか?この小説はそんな質問を投げかけてくる物語です。そして家族とは何か、生きるとは何か、などを考える物語でもあります。1ヶ月後に巨大な隕石が衝突して、地上の殆どの生物が死滅する・・・ノストラダムスの大予言もあった、フェイクニュースも盛んです。でも今回は国内、国外の政府が発表している。嘘ではなさそうと思った時、その1ヶ月をどう過ごしましょうか。この小説では多くの人が無法者と化し、無秩序な世界が描かれます。主人公の一人、友樹はパシリとして使われる日々。世界の終わりを願ったこともあるし、自分が死んでしまえば良いと思ったこともあります。そんな時に報じられた隕石衝突のニュース。時間差で叶えられた世界の終わり。そんな時、初恋の相手が東京まで行きたいという話を聞き、彼女を守って東京行きを決意します。品川まで苦労して到着した友樹と雪絵だが、トチ狂ったクラスメイトに殺されそうになります。そんな時に出てきたのが、ヤクザのオジサン。誰かと思ったら、友樹の母親の元彼でした。チンピラの彼が最後に望んだのは友樹の母親の静香だったのです。チンピラの信士、静香、友樹、雪絵の4人による不思議な同居生活が始まります。4人はホントの家族ではないもののそれなりに幸せなひとときを過ごします。信士は友樹の実の父親なのですが、雪絵は友樹のクラスメイトに過ぎません。まだ友樹は告白もしてないしね。ですが、雪絵にとっては今までにないくらい幸せな時間を得ることができたのです。雪絵の家も複雑な事情を抱えていて、心から安らぐと感じる事ができなかったのです。そして、雪絵が望んでいるアイドルのラストライブ。友樹や雪絵はそのアイドルのライブを見たいだけだったけど、最終章はそのアイドル、路子の物語。表があるなら裏もある。隕石が落ちるその日、ラストライブが始まります。最後まで自分の命である歌を届ける者、その歌に希望を感じる者、愛する者を守る事に心血を注ぐ者、子どものやりたいことを叶えてあげるために頑張る大人たち。人間の理性の下には暴力が隠れていて、簡単に世界は壊れてしまうのかもしれません。しかし、暴徒となるだけが人間じゃない。希望も絶望もその人次第。
2024.10.22
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書籍の感想です。今回は「三河雑兵心得7 伊賀越仁義」です。三河雑兵心得(7) 伊賀越仁義 (双葉文庫) [ 井原忠政 ]茂兵衛は鉄砲対象の隊長なのでもはや雑兵ではないですが、「元百姓」というところは変わりません。なので、何度か「かくなる上は腹を召して」とか「派手に戦って討ち死にも本望」みたいなシーンが出てくるのですが、茂兵衛にはその辺の心意気が分からない。仲間のために命を懸けるのは吝かではないので、臆病者ではないんですけどねー果てさて、信長が光秀に討たれ、状況は一変します。堺に物見に来ていた家康一行は三河まで何とか逃げ帰らないといけません。色々な伝手を頼って何とか戻れる目処が立ち、安堵する茂兵衛ですが、家康は既に先を見ています。すなわち、まだ安定していない甲斐、信濃です。旧武田領なので、信長亡き今、混乱しています。その混乱に乗じて、手中に収めてしまおうという魂胆です。やったことは火事場泥棒なのですが、今まで辛抱を重ね、様々信頼を得るための行動が家康の評価となり、「家康に叛意なし」と認めさせることができたのです。こうして、5ヶ国を保有する大名となった家康。その下に仕える茂兵衛はこの先どんな活躍をするのでしょうね。楽しみです。
2024.10.20
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書籍の感想です。今回は「終焉の詩 フェンネル大陸 偽王伝」です。【中古】 終焉の詩 フェンネル大陸 偽王伝 講談社ノベルス/高里椎奈【著】シスタスが全世界を支配するかのように攻勢に出ますが真意が分かりません。フェンはそんな曖昧なものに自分の命も仲間の命もかけられないと感じます。相手の目的を知り、話し合いでも解決できない時、仲間を守るために戦うことは仕方のないことかもしれません。そのためには相手の真意を直接聞くことです。もっとも戦争が始まってしまえば相手の一番偉い人に侵略する目的を聞き出すことなんて非常に難しい話なわけですが。フェンはそれを言い訳にはせず、皇王の元に向かい話を聞くことを選択します。偽王を名乗っていますが、仲間に命じることもなく、ただやりたい事を言うのみです。その思いに賛同した者たちが、続きます。多くの仲間たちに助けられ、六神長クレイノアと皇王のいる寝所まで辿り着きます。皇王は病に冒され、長くは保たない病状ですが、クレイノアから語られた侵略の真意は・・・これはなかなか予想していませんでした。なるほどねーという感じですかね。一つ思ったのは、死ななすぎかなという感じですかね。プロにグサッとやられて、深手、というか即死でもおかしくないはずだけど実は生きていたというパターンが何回か繰り返されれるとちょっと微妙に感じました。もっとも戦争終結後の事後処理に必要な方々ばかりなので、生きていてもらわないと困るわけですが。フェンが名乗った偽王は結果大きく人を動かし、戦争を止める事に貢献できました。頑張ったね。
2024.10.18
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書籍の感想です。今回は「転移先は薬師が少ない世界でした2」です。転移先は薬師が少ない世界でした(2) (レジーナ文庫) [ 饕餮 ]リンが大活躍の2巻です。今回は食べ物、料理のお話が多めでした。どの世界だろうが、美味しい物が大好きなのは誰でも同じ。なので、リンが今まで食べた事もないとなれば群がるのは道理ではあります。さらに魔獣のテイムもガンガン増えていきます。最初のスライムは薬師と相性が良い魔獣ということだったので、ありかと思いますが、凶暴な魔獣をあっさりテイムしちゃうのはテイマーでもないのに何でもアリな感じですかね。神様のチート付きだから、良い事づくめなのかな。
2024.10.13
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書籍の感想です。今回は「同志少女よ、敵を撃て」です。同志少女よ、敵を撃て [ 逢坂 冬馬 ]第11回アガサ・クリスティー賞の大賞作品です。面白かったです。独ソ戦が舞台です。ソ連に侵攻したドイツ軍兵士に一方的に村に破壊され、母親を殺されたセフィラマ。それを助けたソ連軍の士官イリーナですが、有無を言わさず母親の死体を焼いてしまいます。イリーナはセフィラマに問います。「死ぬか、戦うか」ドイツ軍への復讐、そして母親の遺体に敬意を払わなかったイリーナへの復讐を胸にセフィラマは戦うことを決意。訓練学校に入隊し、狙撃兵を目指すことになるのでした。知らなかったのですが、第二次世界大戦でソ連軍では100万人を超える女性兵士が従軍したそうです。救護などの役割という訳ではなく、兵士として戦った方も結構いたようです。セフィラマはその中の1人、狙撃兵として戦ったという設定ですね。戦局は史実通り進みます。スターリングラード攻防戦に勝利したソ連軍はついにドイツ軍を押し返し、ソ連軍優位に傾きはじめます。そしてケーニヒスベルク要塞の攻略戦の果てに彼女が見たものとは・・・イリーナは仇の1人な訳ですが、狙撃兵としての教官でもあり、これまで生き延びてこられたのはイリーナの徹底した教えのおかげです。ここにセフィラマの迷いかあります。またセフィラマはソ連という国の熱烈な愛国者という訳ではありません。ドイツ軍に肩入れしているわけではありませんが、母親を殺した狙撃兵を殺すことが、生きる意味になっているだけです。そして、イリーナに戦う意味を聞かれた時、セフィラマは女性を守るため、と答えています。通常時でも、女性は生きづらかったのでしょう。ましてや、戦時となれば女性は被害に遭いやすい。そんなことも含めてセフィラマは女性を守れる存在になりたいと思ったのかもしれません。その思いはラストの行動に大きな影響を与えます。果たしてセフィラマは誰(自分も含めて)を救い、誰を殺すのか・・・いやー、良かったです。
2024.10.13
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書籍の感想です。今回は「雲の花嫁 フェンネル大陸 偽王伝」です。【中古】 雲の花嫁 フェンネル大陸 偽王伝 講談社ノベルス/高里椎奈【著】前巻で偽王と名乗ったフェンですが、土地もないし、お金もないし、民はサチとテオだけ。とてもシスタスに対抗できる存在とは言えません。しかし、王を敵と見做すシスタスなので、ソルドと偽王に関係があると思わせてはいけません。と言うわけで、南のエキナケアに入ります。そこから旅は道連れ、シスタスへ。そこでは無実の罪の商人の娘が処刑されようとしていました。シスタスの無道を捨て置くことはできず、助け出しますが、村人が大挙してフェンたちを取り囲みます。娘を差し出さなければ村ごと滅ぼされると言うのです。部外者のフェンにはできることはないのでしょうか?テオの一言がフェンの気持ちを固めることができました「俺達グールは皆の為に生き、皆に生かされて生きる」そうだ。自分の人生は皆の為に使って良いんだ。サチの種蒔きと、フェンの真っ直ぐな気持ちが少しずつ仲間を増やしていきます。果たしてフェンたちはどこへ向かうのでしょうか。
2024.10.07
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書籍の感想です。今回は「ゴミの王国」です。ゴミの王国 [ 朝倉宏景 ]面白かったです。潔癖症の男、朝陽とゴミ集めしてしまう女、友笑のお話です。朝陽は潔癖症の父親が支配する実家が嫌で半ば強引に家を出て東京で一人暮らしをしています。父親に抵抗するように、選んだ仕事はゴミ収集の仕事です。こんな汚い仕事を子どもはやっているんだぜという意趣返しのつもりのようですが、部屋はほぼ荷物がなく、きれいにゴミ一つありません。ずっと綺麗にする環境で育った朝陽は結局同じ事をしています。ある日、隣の部屋の女性がゴミを部屋に運び込んでいるのを見かけます。当然、部屋はゴミ屋敷と化しています。なんとか出ていってもらいたいと思っていた朝陽でしたが、友笑の生い立ちを聞いているうちに、朝陽と友笑はネガとポジのように単に裏返しなだけで、根っこは同じなのではないかと思い始めるのでした。ゴミ問題、ゴミの捨て方の問題、不法投棄の問題なども話しつつ、自分の生い立ちを認め、他人との距離感を保つ術を得ていくさまはとても良いです。各自、自分の中の王国があって、それを折り合いつけながら、関わりを持っている。例え家族でも、夫婦でも、完全に同一になることなどありえない。お互いの国を認めあって友好条約を結ぶのでしょう。なので、清潔の国生まれの朝陽と、ゴミの国生まれの友笑だったとしても、ダメではないのです。ぶつかって、喧嘩しても、また拾えば良いのです。リサイクルされるように。読みやすいし、キャラも良かった。意地っ張りなミントというキャラも良かった。
2024.10.03
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書籍の感想です。今回は「たまごの旅人」です。たまごの旅人 [ 近藤 史恵 ]海外旅行の添乗員として頑張る遥のお話です。添乗員とかバスガイドさんも大変ですよね。たくさんの方をひとつにまとめて、予定の工程をこなさないといけないわけですから。海外旅行の添乗員ともなると心細さは凄いでしょうね。遥の初添乗はアイスランドです。まったく知識もなく、そもそも海外旅行の経験も一年留学したことがあるくらい。それでも自信があるように見せて、参加者を安心させないといけない。面倒な参加者もいる。気の良い参加者もいる。そんな中で遥は頑張る。そんな遥を寿ぐかのように最終日にオーロラが見られたのでした。アイスランド、ちょっと行ってみたいなと思っちゃいました。その次のクロアチア、スロベニアも素敵な感じで行ってみたいと思いました。こういう知らない国の素敵なものを知るのはとても嬉しいですよねーその後、コロナで海外旅行ができなくなり、遥は沖縄でコールセンターの仕事で食いつなぎます。もう旅にか変わる仕事は無理だと思っていたけど、ある人との出会いがまた挑戦する気持ちにさせてくれたのでした。頑張れ、遥。
2024.10.01
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書籍の感想です。今回は「エヴァーグリーン・ゲーム」です。エヴァーグリーン・ゲーム (一般書 438) [ 石井 仁蔵 ]チェスに心血を注ぐ人たちのお話です。透は難病で遠足にも行けず、小児病棟で無聊をかこっていました。そんなとき出会ったのがチェスで、たちまち夢中になりました。先に退院したチェス友だちが不慮の事故で亡くなり、彼は病気に勝ち、チェスのグランドマスターを夢見るようになります。各章ごとに視点は変わり、透に勝てずにチェスを諦めようと思った高校生。その高校生が大学卒業後、チェスができるカフェを開始。生まれた時から目が見えない女性がチェスに光明を求めて、そのカフェへ通うようになります。不良少年は「熱くなれるもの」を求めて、辿り着いた先がチェスでした。過去に詐欺行為に加担したり、その後、アメリカで偽装結婚して、マフィアの一員になったりと、相当やばい人です。しかし日本人初のグランドマスターになるなど、チェスに対する姿勢は真摯で、実力もピカイチです。そんな彼らが集まった賞金1億円の大会です。果たして、結末は・・・私は将棋はできますが、チェスは駒の動かし方くらいで、定石も何も知りません。それでも凄い熱量を感じました。面白かったです。
2024.09.29
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書籍の感想です。今回は「風牙天明 フェンネル大陸 偽王伝」です。【中古】 風牙天明 フェンネル大陸 偽王伝 講談社ノベルス/高里椎奈(著者)フェンの物語です。今回大きくお話が動きました。これを書きたかったのでしょうね。前巻で世界制覇を目指すかのように動き出した大国のシスタス。今度は自らを皇王と名乗り、世界で唯一の王で、他の王を認めないと宣言したのです。他国はびっくりですが、面と向かっては反対しにくい。何しろ、シスタスに全力で攻撃されたら、とても耐えられないからです。そこで、裏でコソコソと小国による同盟を画策します。シスタスに対抗できるようになるまでの我慢です。というわけでフェンはコンフリーに向かいます。コンフリーの代表は王とは名乗っていませんが、王の中の王と呼ぶに相応しい人物らしく、同盟の盟主になってもらおうという魂胆です。ちなみになぜそんな重要な役割をフェンに任せたかですが、相談の手紙がフェンの母国語ヘンルーダ語だと意味が理解できるように細工してあったのです。しかしコンフリーの代表ウィルは同盟の代表になどなりたくない。戦いたくないし、戦わないことを守りたい人々がいる。フェンは戦わないこと、守るということ、多くの大切なことをウィルから学びます。それは欠けてしまったフェンという存在を少しずつ補っていくかのようです。そして、シスタスの横暴に耐えきれなくなったフェンはシスタスの使者の元に向かいます。しかし子どもという事で相手にしてくれません。「子どもの相手ができぬと言うなら・・・」何とフェンは王宣言をします。偽王と。サチとテオはその突然の宣言にもまったく驚くこともなく、臣下だと豪語するあたり、豪胆ですねーこの先、フェンが各国を取りまとめることになるのですかね。その先には母国であるフェンベルクとの邂逅もあるのでしょうか。
2024.09.25
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書籍の感想です。今回は「ロジカ・ドラマチカ」です。ロジカ・ドラマチカ [ 古野まほろ ]まあまあ面白かったです。ちょっとくどいかなぁ。誰かが喋った言葉を元に「論理的思考」だけで言葉の真意に辿り着くという遊技をする警視正、司馬と官房長官の孫、結子の話です。例えば「今かけ直そうか届けようかでも残りは小銭だけだから、もう郵便局に駆け込むしかないか」という文章です。ちょっと謎めいた文章ですねー感覚的に「こんな意味じゃね?」などと推理することはできると思いますが、二人は論理的に相手がぐうの音も出ないほど、推論が正しいことを認めさせる事が目的なので、一語一語取り出し、これはこう解釈できる、こう定義できると一足飛びの結論には走らず、言葉から読み取れる論理だけで正解に向けて議論を戦わせるのです。こんな今度な論戦を展開できるとしたら、愉しいだろうね。毎回だと疲れるけど。
2024.09.23
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書籍の感想です。今回は「闇の中をどこまで高く」です。闇の中をどこまで高く (海外文学セレクション) [ セコイア・ナガマツ ]うーん、何とも言えない。最初は単なるディストピア小説かと思ったのですが、そうとも言えないです。序章は温暖化により北極から数万年前の少女の遺体が見つかります。そこには内臓を別の臓器に変えてしまうというウィルスが存在していたのです。次の章ではその蔓延を止めることはできず、子どもを中心に世界中で流行。手立てはなく、苦しみながら多くの子どもが亡くなっていきます。そんな中、子どもを安楽死させる遊園地が建設され、そこで働くスタッフがこの章の主人公です。売れないコメディアンだったスキップは子どもたちを楽しませるために働きます。しかしそれは最後に楽しい想い出、ということであり、その先は死なのです。スキップの心は次第に摩耗していきます。そんな中、遊園地に新しく来た奥さんと子どもにスキップはスタッフ以上の感情を抱きます。しかし、子供の体調は日に日に悪くなり、ついに遊園地で遊ぶ日が来てしまいます・・・何か書いてても辛い。なのですが、スキップに救いがあったのかとかそういう話が続いていくわけではないのです。大人にも広がったり、臓器移植用にブタの遺伝子を操作していたら、喋れる豚が誕生してしまったり、地球を離れ、新しい星を目指したりします。新しい星を探す話が盛り上がるのかと思ったら、今度はまた地球に戻り、一応、ワクチンが開発され、徐々に回復する人も出てきますが、亡くなった方の数が膨大で死が近くにある生活が描かれます。温暖化が止まらないので、多くの都市が海に沈み、それも停滞を促進しています。ラストは外界から来た世界を見つめる者の存在が描かれます。彼女(?)は何万年も生き、我慢できずに人間に介在し、溶け込んで暮らしているのです。ある希望を持って。絶望的な描写が多いですが、人々はしぶとく生き延び、かと言って今までと同じ暮らしができるわけもなく、という感じの不思議な小説でした。
2024.09.20
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書籍の感想です。今回は「試験に出るパズル 千葉千波の事件日記」です。【中古】 試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 講談社ノベルス/高田崇史(著者)ちょっと不思議な本でした。謎が出て、イケメンで聡明な千葉くんが鮮やかに謎を読み解くのですが、実は微妙に勘違いだったりみたいな話です。例えば、第一話では喫茶店で売人が何らかの方法で売買する場所を確認している。しかし、その方法が分からない。喫茶店で待ち伏せて、売人が何から情報を得ようとしているか必死に考えます。そして、ついに暗号を読み解き、売買の場所を特定できた事で、めでたしめでたしなわけですが、実は暗号だと思っていたものは何にも関係なくてたまたま合致しただけ、というオチ。他にも連続爆弾魔のメッセージの法則性を読み取ったりするのですが、実は何の法則性もなくいきあたりばったりだったり、とか。千葉くんが頭が良くて無類のパズル好きなのがわかるだけに微妙にずっこけるオチが面白いような肩透かしのような。そんな感じの小説です。軽妙な語り口で、ページ数はかなりありますが、グイグイ読み進められます。
2024.09.14
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書籍の感想です。今回は「成瀬は信じた道を行く」です。成瀬は信じた道をいく [ 宮島 未奈 ]成瀬あかり大活躍のシリーズです。成瀬は今回もそんなに大したことをしているわけではありません。町内のパトロールをしたり、大学に進学したり、琵琶湖観光大使に立候補したり、紅白歌合戦のけん玉チャレンジで紅白歌合戦に出演したり、スタンプラリー全制覇を目指したり・・・しかし、読んでて目が離せなくなります。小説の中の成瀬の周囲の人も成瀬の魅力に引き込まれていきます。それは成瀬が「自分がやりたいことを真っ直ぐに実行しているから」なのだと思います。成瀬の基準は自分がやりたいかやりたくないかです。できるかできないか、とか、人からどう思われる、とかは考えません。多くの人は失敗したら笑われる、とか、考えてしまい、興味あることにもなかなか手を出すことができません。そんな我々には成瀬は「清々しい」「格好良い」と感じられるのでしょうねー今作では成瀬激推しの小学生みらいちゃんも登場。みらいちゃんは成瀬みたいになるのかしら?続編出ないかなー
2024.09.10
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書籍の感想です。今回は「ツナグ」です。ツナグ (新潮文庫 新潮文庫) [ 辻村 深月 ]辻村深月さんの作品です。一生に一度だけ、死者と再会できるとしたら、誰と会いたいですか?一度この権利を使ってしまったら、今後二度と別の死者と会うことはできません。そんな不思議な仲介をしてくれる使者(使者と書いて「ツナグ」と読む)を利用する人々の話です。今の自分の生活に嫌気が指しているOLが指名したのは4ヶ月前に急死したアイドル。生前、酔い潰れた時に介抱してくれたことをきっかけに彼女を心の支えにしていました。そんな彼女が亡くなった。巷には自殺説も出ている。彼女から何か(具体的にはわからないが)を得たくて彼女が亡くなった真相を知りたくて、支えが欲しくてOLはアイドルと再会することを望む。そして、ついに亡くなったはずの「推し」と話すことになった彼女は何を得るのか・・・次の話は頑固な昔気質のオヤジが亡くなった母親と会う話。オヤジが自分勝手過ぎてちょっとやな感じ。そして3話がなかなか辛い話。親友だと思っていた友だちに裏切られたと思い、ある細工をする。その細工のせいかわからないが、親友は自転車事故で死んでしまう。罪悪感、そして、もし細工した事を彼女が知っていたらという焦り、謝りたい、真実を知りたいなどの気持ちが入り混じりつつ、亡くなった親友との再会を望む。再開した彼女との会話。今日ひと晩だけここにいる親友と、これからも生き続けないといけない彼女。罪を洗いざらい話したらどんなに心が軽くなるだろうという誘惑に駆られながら、彼女は自分の中に留め、罪に抱えて生きていくことを選ぶ。しかし最後に親友から託された伝言は・・・いやー、恐ろしいです。しかし、この話はここだけで終わらず、ラストの話でツナグ視点でここまでのエピソードを振り返るのですが、その中である一言が決定的になったことが明らかになります。本人は軽い話題作りくらいのつもりだったのだと思いますが、ここまでやるかという思いがあったのだと思います。それが意趣返しみたいな行為につながるわけですね。生者と死者は一瞬の邂逅を得たわけですが、永遠の反目という結果になってしまいました。とても含みのある良い小説でした。
2024.09.09
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書籍の感想です。今回は「賢女ひきいる魔法の旅は」です。賢女ひきいる魔法の旅は [ ダイアナ・ウィン・ジョーンズ ]ハウルの動く城の作者であるダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品です。と思ったら、完成させる前に亡くなり、未完成だったものを妹さんが完成させたという事です。スカア島の賢女と呼ばれる叔母に育てられているエイリーンは叔母と一緒に王子を救う旅に出掛ける事になります。行き先は10年前に突如魔法の障壁で囲われたログラ島です。王子はその島にいるらしく、各島の男と一緒に行く事で障壁を破ることができるというあやふやな予言を頼りに各島を回ることになったのです。賢女たる叔母についていけば良いと思っていたエイリーンですが、途中で叔母が呪いを受けてしまったため、エイリーンが頑張らないといけなくなりました。しかしエイリーンは自信がありません。賢女の血筋なわけですから、優秀な魔法使いであっておかしくないのですが、一族の通過儀礼である不思議な幻を見るという儀式に失敗したからなのです。だから、今は当然叔母のようにはできないし、これからもできないと思っているわけですね。そんな中で、仲間から励まされたり、神獣に気に入られたり、女神から高く評価されたりしながら、ログラ島を目指します。10年も封鎖されたログラ島はどうなっているのでしょう?そして、ログラ行きを命じた王の目的は・・・まあまあ、面白かったです。登場人物が面倒な人が多くて嫌だったなあ。あんなキンキンしてて、叔母さんは本当に賢女としてやっていけるのかね?賢女はもっと思慮深く、思いやりのある方の方が良かったなあ。
2024.09.06
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書籍の感想です。今回は「院内刑事 ブラック・メディスン」です。新装版 院内刑事 ブラック・メディスン (講談社文庫) [ 濱 嘉之 ]院内刑事の2巻です。今回はジェネリック医薬品に関する不正疑惑です。ジェネリック医薬品って同じ成分で安いわけですから患者にとってはメリットしかないと思っていたのですが、必ずしもそうではないというところは悩ましいですね。成分が同じだとしても、薬効が同じとは限らない(同じかもしれないけど)というのは先発医薬品を作ったメーカーのまやかしなのかどうか。でも、料理も材料同じでも手順や調理法が違えば味は変わるので、そういうことなのでしょうね。ジェネリック医薬品のそういう話も交えながら、実際にはジェネリック医薬品の海外への横流ししている件に関するお話でした。相変わらず政治の難しい話もあるので、ついていくのが難しいところもあるのですが、面白かったです。
2024.09.03
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書籍の感想です。今回は「院内刑事」です。【中古】 院内刑事 講談社+α文庫/濱嘉之(著者)元公安だった広瀬が病院のセキュリティアドバイザーとして活躍するお話です。面白かったです。政治の話とか難しいところもあるのですが、そこは雰囲気だけで読み進めても問題なく、読ませる力がすごいです。あっという間に読み終えちゃいました。広瀬は公安の情報マンとしてどのようにすれは情報を集めることができるか熟知した情報のスペシャリストです。情報量もすごいですが、それを支える人脈も凄い。元公安なので、警察関係に強いのは当然として政治家の偉い人にパイプがあり、さらに財界とも関係を築いています。そして病院にヤクザが患者として運び込まれることもあり、その見舞客が迷惑な場合もあります。そんな時にはヤクザの偉い方との関係を使って黙らせることもあります。まさに清濁併せ持つという感じですが、それを悪いこと、私利私欲には使わないのが良い感じですねー現職大臣が毒を盛られたらしいということからその調査をするという大きな流れがあり、その間で院内で起こる問題にも対応していく様はカコイイです。広瀬の元後輩である彼は今後も活躍するんですかね。こちらも楽しみです。
2024.09.01
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書籍の感想です。今回は「闇と光の双翼 フェンネル大陸 偽王伝」です。【中古】 闇と光の双翼 フェンネル大陸 偽王伝 講談社ノベルス/高里椎奈(著者)パラクレスでの面倒な役割を何とか終えたフェンたち。結果は思わしくなく、ソルドにどう説明しようかと思っていたら、何とシスタスが攻め込んできて、王都オゼイユが陥落したというのです。フェンはソルドの民ではありません。なので、この事態を避け、別の国に避難する事もできます。しかし、王都から逃げ延びた人の中に親友ロカがいないことに気付きます。ロカを助けるためにフェンはソルドと行動をともにすることにしたのです。ソルドは外交で近隣国と仲良くすることで国体を保ってきました。なので軍隊は小さくとてもシスタスに対抗できません。そこで150年不敗というリーク国に助力を求めることにしたのです。リークの力を借り、国境を破ることで、兵站を阻害し、そこから王都に攻め上がる作戦です。何とかシスタスを追い払い、ロカを助けることができたわけですが、この戦いで仲間(?)になったゴルディ・ゴードンは意外と良いキャラですね。この後も出てくるのかな。ちなみに、ゴルディ・ゴードンはゴードンのなかのゴードンという意味らしいです(笑)男の中の男、みたいな感じですかね。さて、シスタスは撤退したものの、完全に諦めたわけではないようで、次巻以降、また攻めてきそうで怖いですね。フェンはいつまでソルドに尽くすつもりなのかな。
2024.08.30
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書籍の感想です。今回は「虚空の王者 フェンネル大陸 偽王伝」です。【中古】 虚空の王者 フェンネル大陸 偽王伝 講談社ノベルス/高里椎奈(著者)前巻で図らずもソルド王国の秘密に関わってしまったフェン。その関係で300年鎖国している謎の国、パラクレスに潜入することになりました。そこでフェンはとにかく終わらせたい人々と出会います。終わらせたいものは様々ですが、命で贖うことで終わらせようとする姿勢にフェンは納得いきません。しかしソルド王国からの依頼で来たわけですから、全く何もしないというわけにもいかず、悩んだ末にフェンが選んだ道は・・・フェンの話だけは聞いてもらえたので、少なくとも想いは伝える事ができました。しかし、それを聞いても、自分の鎖を断ち切ることができず、自由になれない彼をフェンは止めることができませんでした。フェンは大丈夫かな。
2024.08.24
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書籍の感想です。今回は「幽霊たちの不在証明」です。幽霊たちの不在証明 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [ 朝永 理人 ]高校の文化祭のお化け屋敷の出し物をやっているクラスで、首つり幽霊役の女子生徒が本当に殺されるという事件が起きます。彼女に想いを寄せていた閑寺はクラスメイトの甲森と犯人探しを始めるのでした、というお話。今まで話したこともない甲森と謎解きを始めるというのは若干唐突な感じはあります。解決編で徐々に犯行時間が狭められていく様はなかなか面白いです。ただ、トリックの一端がこれかあと思う部分もありました。彼女が死んじゃうから無理がある気がしちゃうのかなあ。首絞められて殺されるとなれば抵抗も相当激しいだろうし、そんなに事が上手く行くとは思えないです。ポカリと殴られて気を失うくらいなら、一瞬だからあり得るかなとは思うんですけどねー文章は読みやすいし、とても良いんですけどね。
2024.08.22
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書籍の感想です。今回は「天国からの宅配便」です。天国からの宅配便 [ 柊サナカ ]タイトルから不思議系のお話かと思ってました。天国から、亡くなった方が荷物を送ってくる、みたいな話を想像していたのですが、ちょっと違いました。天国宅配便の七星は天使でもないし、亡くなってもいない普通の人間です。勤める天国宅配便も普通の会社です。天国宅配便は亡くなった方が生前に依頼していた遺品を亡くなった後に送り届けるという仕事を請け負っています。相手は親友だったり、家族だったり、最愛の人だったりいろいろですが、生前すれ違ってしまってうまく想いを伝えられないこともあろうかと思います。そんな時に気持ちと共に荷物を届けるこの宅配便はとても素敵だなあと思いました。一話は一緒に暮らしていた親友二人に先立たれ、生きる気力を失っていたおばあさんへの届け物。もちろん親友二人からの届け物です。二話は昔ながらのしきたりを重んじるおばあさんと東京の大学へ行きたいという孫との話。三話は幼馴染で好き同士だったはずの二人。ある日突然彼女から「結婚した」と言われて、告白もできずに終わった恋。40代になった彼の元に、突然彼女から、天国宅配便が届きます。まだ40代という早すぎる死を信じられない彼ですが、彼女の死、そしてなぜ彼女が若い時に嘘をついたのか理解した時、彼も自分に嘘をつくのをやめて、新たな道を歩むことを決意するのでした。四話は高校のサイエンス部の顧問だった先生からの手紙がお届け物です。サイエンス部は居場所がなかったり、他所で問題を起こした生徒が集められた場所でした。なので、長部は部長でしたが、他の部員と話したことはほとんどなかったのに、長部に 他の4人に手紙を渡すよう依頼されていました。手紙には3/20に各自それぞれ物を準備して、集まろうと書かれていた。それはなんの脈絡もなく書かれているわけではなく、夏に近所の子どもたちを遊ばせていた彼には子ども用プール、出先が器用な彼女には緻密な凧、元写真部の彼女にはカメラと三脚と部員たちの向き不向きをきちんと理解した上で書かれた依頼物でした。長部の頑張りもあって、3/20に再開した5人。そして顧問の意図を知ったのでした。どのお話も、「知ることは大事。先入観は危険。」と言う事を教えてくれる良いお話でした。知ろうと一歩踏み出す勇気を天国宅配便が役立つのはとても素敵ですねー2巻、3巻とあるらしいので、続きぜひ読んでみようと思います。
2024.08.20
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書籍の感想です。今回は「本好きの下剋上 第五部 女神の化身5」です。本好きの下剋上第五部「女神の化身5」(5-5) [ 香月美夜 ]マインちゃんシリーズです。登場人物が多くなり、最近は読むのがきつかったのですが、今回は比較的分かりやすくて良かったです。話もググッと進んだ感じですね。マインちゃんは本人が望んでいないのに、平民→青色神官→上級貴族→領主の娘→次期領主の婚約者と順調に(?)ステップアップしてきましたが、ついに王族になるかならないかというところまで来ちゃいました。政変によって多くの貴族の命が失われたわけですが、それによって魔力量が不足しているという表面的な問題だと思われていました。しかし過去の資料を丹念にあたれば正式な王、これは形式的な意味ではなく、すべての力を発揮できる王という意味ですが、になる手段も残されていました。しかし、人も魔力も足りないため、図書館の管理は後回しにされ、古文書の知識も失われてしまったのです。結果的に誰よりもきちんとお祈りをし、本を読みまくって、祭事に詳しいマインちゃんは王に最も相応しいとみなされる位置にいたのです。しかし、能力は十分でも王族ではないマインちゃんは最後の扉を開けることができず、王の証であるグルトリスハイトを手にする事ができません。マインちゃんは王になりたいわけではないのですが、最愛(?)の方を守るため、動き出します。王族は命令すれば簡単に養子にできると思っていたと思いますが、フェルディナンド様も引き抜かれてしまった今、マインちゃんをホイホイと差し出すことはできません。ベンノさんに仕込まれた商人テクニックで王子を追い詰め、多くの条件を飲ませることに成功したのです。しかし、しかし、条件の中でこれだけは絶対に譲れないと思っていた図書館建設はあっさりと却下されてしまいます。マインちゃんには最優先事項だけど、他の人には国家を転覆させかねないほどの金がかかる割に意味のないことに思えちゃうから、仕方ないですね。空の図書室だけ用意してもらって自分で本は揃えていくしかないですねーちなみにこれも伏線になっていて、マインちゃんが好きなヒルデブランド王子はマインちゃんのこの要望を「兄王子が嫌いで嫁ぎたくないから無茶な要求を出してきた」と勘違いしちゃいます。そして「自分が王になってマインちゃんを救わなければ・・・」と思い詰めているのが心配です。マインちゃんの思いとは関係ないところで政変の種が生まれそうです。さて、いろいろありましたが、何とか1年の猶予を得たエーレンフェストですが、マインちゃん頼みだったところを脱却できるのですかね。次巻も楽しみです!
2024.08.18
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書籍の感想です。今回は「六の宮の姫君」です。六の宮の姫君 (創元推理文庫) [ 北村薫 ]何に興味を持ったのか忘れてしまいましたが、この本を手に取りました。あらすじの探偵、という言葉に興味を持ったのかな。なんでこんな事を書いたかと言うと、あまり私が読まないようなジャンルの本だったからです。卒論のテーマが芥川龍之介である「私」はバイト先で芥川が発した言葉を知る機会に恵まれます。その方によると、六の宮の姫君について、「あれは玉突きだね。いや、というよりはキャッチボールだ」とのこと。何が玉突きで、何がキャッチボールなのか。「私」の調査が始まります。芥川龍之介の小説を読み、随筆、手紙の類いまで読めるものは図書館巡りをしながら、芥川の内面を理解しようと頑張ります。しかし、キャッチボールと言うからには相手がいるはずです。玉突きだとしても、AからB、そしてBからCとなるはずで、芥川一人では完結しない。そこでさらに手を広げ、芥川の交友関係から容疑者(?)を予想して、彼らの書物を読み進めていくのです。そして「私」が導き出した推理とは・・・明治、大正、昭和の文学についてまるで知らない私には少々内容が難しかったです。芥川龍之介も羅生門と藪の中しか読んだことないし。菊池寛って日本史の歴史の知識としては知ってたけど直木賞や芥川賞を創設した人だと知らなかったくらい何も知らなかったです。登場人物たちが生き生きと描かれていて読みやすかったです。
2024.08.16
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書籍の感想です。今回は「梟の好敵手」です。梟の好敵手 (集英社文庫(日本) 梟の一族) [ 福田 和代 ]眠らない梟の一族のシリーズの3巻です。前巻で望まないながらもハイパーウラマに参戦することになった梟の面々。顔が知られている諒一、容子は良いとして一般人である史奈は顔にペイントを施し、ニックネームで出場です。あくまでも梟を潰そうと目論む運営側は当日にルールを変更したり、下半身であればボールを持っている人以外のプレイヤーでも攻撃して良い、など強引で適当なやり口です。元々はドーピングありの極限のゲームの開催と発展を狙っていたはずなのに、その辺はどうでも良いかのように執拗に梟を狙ってきます。出水という男が敵だったわけですが、その上がいるようです。出水はとにかく梟を凹ましてやろうと躍起でしたが、上の奴らに良いように利用されてしまったようです。ハイパーウラマはスポーツとしての魅力もあるのにこんな戦いに巻き込まれて残念ですね。「梟」と「狗」が準決勝で対戦したのですが、プレイヤー、観客とちらもゲームとして楽しんでいる様子が感じられます。
2024.08.11
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書籍の感想です。今回は「バレットコード:ファイアウォール」です。バレットコード:ファイアウォール(1) (電撃文庫) [ 斉藤 すず ]最初の印象はソードアートオンライン的な、クラインの壺的なお話。ソードアートオンラインはログインしたら、自発的なログアウトはできず、ゲーム内で死ぬと本当に死んでしまうというデスゲームのお話。クラインの壺はかなり昔の作品ですが、フルダイブVRによって何が現実で何が仮想か分からなくなってくる話。戦争を実体験することで、戦争の愚かさを学ぶという名目で、VR空間の戦場に駆り出された若者たちはどうやら何か手違いが起きていることに気付く。死んだら現実世界に転送されるはずなのに転送されないのです。さらに敵は第二次世界大戦時のドイツ軍のはずなのに、得体の知れない生物が敵なのです。もしかしたら、ここは現実なのかも知れない、そうでなくても、死んだ時にきちんとログアウトできない状態なのかも知れない。そんな混沌とした世界に送り込まれてしまった優馬は世界有数のプレイヤー、千歳率いるチームに救われる。仮想空間の可能性は高いものの、死んだ時にどうなるのかが、はっきりしないため、彼女、彼らはゲームのクリアに向かって行動を開始するのです。うーん、まあまあ面白いのですが、描写がグロい。文章だけなので、何とか読み進めることはできますが、良くわからん敵が人を食べるっていう設定とか要らないと思うんですよねぇ。優馬の両親のことや優馬のトラウマになっている過去の事故のことをきちんと書いてくれているとこは好印象です。千歳が最初から優馬推しなところは書かれていない深い理由があるのかな?続編あるらしいですが、もう良いかな・・・
2024.08.09
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書籍の感想です。今回は「騎士の系譜 フェンネル大陸 偽王伝」です。【中古】 騎士の系譜 フェンネル大陸 偽王伝 講談社ノベルス/高里椎奈(著者)王がいない無秩序と言っても良い国を体験したフェン。今度は比較的馴染みのある王国です。ソルド王国でフェンは王に絶対的忠誠を誓う騎士に出会う。そして騎士見習いのロカにも出会う。ロカと仲良くなったフェンは探検しているうちに偶然、謀反計画を聞いてしまうのです。逃げる二人は半ば伝説と化した一族の村へ迷い込んでしまいます。伝説の一族は本筋にはあまり絡んできません。反乱の平定には一役買いますが、重要なのはそこではありません。フェンは王と騎士と民の関係を改めて感じ入ります。王は民を守り、民は王を支える。そして騎士は王を護る。しかし騎士が護るのは王という1個人だけではありません。王という仕組みであり、国そのものであり、ひいては民なのです。フェンは王女だったころの自分を思い起こしていたのかな。
2024.08.05
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書籍の感想です。今回は「ポピュラス 続 闇との戦い」です。アフィはないみたいですね。古い本だから、仕方ないですね。前作「ポピュラス 闇との戦い」の半年後を描いた作品です。今回は闇の勢力の本拠地とでも言うべき、島が浮き上がってきて、決戦になります。13年に一度、やってくるそうです。ゲームでいうと、アルマゲドンモードということなのかな?ゲームだと、アルマゲドンモードになると全勢力でお互いの戦士、兵士が戦い、全滅するまで続きます。ちょっと違うかもしれませんが、最終決戦という意味では似てるかも。ディエンたちが警備している街に島が浮上してくることになり、ディエン、ライヒ、モンテ、アンジェ、シュマロが活躍することとなります。未だ若輩ではあるのですが、それぞれ落ち着きが出てきて、その成長も面白いですね。大人しかったモンテが大胆に、反対にわがままだったアンジェが思慮深くなり、それぞれが頼れる戦士となったのでした。聖なる武器が出てきたり、闇の勢力の根源が何かなどもうポピュラスでも何でもないという話になっていきますが、話としてはまあまあ面白かったです。
2024.08.02
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書籍の感想です。今回は「ポピュラス 闇との戦い」です。【中古】ポピュラス—闇との戦い (角川文庫—スニーカー文庫)何か、この本、凄い値段になってますね。560円の本が、9000円ってビックリですね。さて、ポピュラスです。大昔、パソコンで遊んだ記憶があります。元々のポピュラスは神様同士の戦いで、大地を整地することで、自軍の勢力を増やし、繁栄させていく。繁栄させると、神としてのパワーが増し、さらに凄い技が使えるようになります。例えば、土地を水没させたり、沼地に変えたりして敵の勢力を弱めていきます。で、最後にアルマゲドンという最終決戦モードで勝つことで、ステージクリアという感じです。ステージは1000ステージもあって、私は最初の20ステージくらいで勝てなくて止めたような記憶があります。そういえばパワーモンガーというちょっと似た感じのゲームがあったな、と思い出したり。で、この小説ですが、神様が起こす奇跡ではなく、アカデミアという光の国の組織のメンバが起こす技となっています。闇の戦士、闇の兵士の侵略を阻むために、大地担当のディエンとモンテ、水担当のライヒとアンジェ、闇の戦士と互角に戦えるシュマロの5人がパーティを組み、闇の侵攻が進んでいると思われる村に向かうのでした。旅を通じて、だんだんみんなの気持ちがまとまっていく様はなかなか楽しいです。そして、高い潜在能力を持ちつつ、制御しきれなかったディエンとライヒが実戦を通じて成長していく様子もとてもワクワクしながら読めました。
2024.07.30
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書籍の感想です。今回は「腕貫探偵」です。腕貫探偵市民サーヴィス課臨時出張所という若干怪しいとも思えるような場所で安楽椅子探偵が活躍する話です。読んで思ったのですが、私は安楽椅子探偵が好きではないんだと思いました。現場も見に行かず、悩みもせず、話を聞いただけでたちどころに謎を解決してしまうというのは何か納得感が弱くて好きではないみたいです。しかも相談する人が警察官とかならまだ納得できるんです。捜査のプロですから、必要な情報を過不足なく伝えることも可能かと。今回は普通の市民です。説明不足があったりしそうなものですが、さらりと説明が行われ、解決されていきます。ちなみに今回の探偵である腕貫をした役所の方は最後まで名前は出ず、あくまでも市民からの相談に乗っただけ、というスタイルでちょっと面白いです。
2024.07.28
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書籍の感想です。今回は「神様たちのお伊勢参り10 伝説の竜の罪と罰」です。神様たちのお伊勢参り(10)伝説の竜の罪と罰 (双葉文庫) [ 竹村優希 ]指の怪我が酷くなってきた芽衣。田沢湖で伝承になっている八郎太郎という竜を助ける過程で、穢れであることを知ります。人間が抱えられる穢れではないため、芽衣は妖になりつつあるのかもしれません。それを祓うために穢れを引き受けてくれるという禍津日神がいると知り、訪ねることに。しかし、非常に多くの穢れを引き受け、動くこともままならない禍津日神を見て、神様にだけ頼るのではなく、かと言って自分の命を軽視するわけでもない第3の選択肢を選ぼうと頑張るのでした。そんな芽衣を見た神様たちは・・・とりあえずここ何巻か悩んでいた問題が、落ち着いて良かったね。
2024.07.25
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