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2006年10月02日
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カテゴリ: 孤舟
 左衛門尉はもう目をそらすことも出来ずに、じっと舞台の上の遊女を見つめていた。

 その強い眼差しに気付いたのだろうか。それとも、酔って遊女たちを囃し立てている客人の一人に媚びを売るためだけだったのだろうか。

 遊女は歌いながら、ふいに手に持っていた扇をその客人に向って投げた。だが、扇はふわりと舞い上がり、すぐ前に座っていたその客の手には渡らずに、左衛門尉の膝先へと落ちて来たのである。びっくりして扇を手に取った左衛門尉に、遊女は頷きながらにっこりと艶に笑った。

 それがさきくさとの出会いだった。

 宴が終わった後、左衛門尉は何とかもう一度さきくさに会いたいと、屋敷の庭や厨のあたりを探し回った。だが、遊女の一行はもうおおかた家へ引き上げたらしい。

 それでも諦めきれずにうろうろしていると、ようやく帰りが遅れた遊女の一人をつかまえることが出来た。だが、さきくさのことを問う左衛門尉にその遊女が答えたのは、さきくさは今宵宰相中将殿の夜伽に召されたということだった。

 それを聞いた時の切なさ……左衛門尉が初めて味わう胸の痛みだった。

 だが、主君である殿が相手ではどうしようもない。左衛門尉はその夜、さきくさが投げた扇を抱いて眠った。夢の中にだけでもさきくさの姿が見られることを願いながら。





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最終更新日  2006年10月02日 10時13分18秒
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