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2006年12月06日
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カテゴリ: 孤舟
「もう日が暮れまする。どうか、お戻りを」

 側の草むらに跪いて、薄に引っかかっている髑髏を怖々眺めていた従者が、哀願するように少年に言った。少年はなおも名残惜しそうに延寿の顔を見ている。

「四宮様。また私が女院様にひどく叱られまするゆえ」

 従者の困りきった顔を見ると、ようやく少年はしぶしぶ頷いた。そして、驚いている乙前と延寿に言った。

「それでは、これでさらばだ。延寿、構わぬから私を訪ねて来い。今は三条の待賢門院様の御所にいる。雅仁親王に推参を許されたと言えば、門番の武者も無碍に追い返しはせぬだろう」

 そして、立ち去り際に乙前にも呼びかけた。

「いつかまた、お前の歌を聴けると良いな。いや、必ずそうなる気がする」

 子供らしくもない大層自信に満ちた口調に、乙前は思わず微笑んだが、ただ何も言わずに頭を下げた。

 少年は明るく笑って、延寿に手を振りながら去って行く。乙前は延寿と二人で少年の乗った牛車を見送った。



 辺りは宵闇に包まれて、もうすでにあの髑髏の姿も定かではなかった。

                  (終)



↓鴨川の川岸の薄。さすがに髑髏はないけど、白い鳥(鷺?)がいました。






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最終更新日  2006年12月06日 12時09分46秒
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新鮮でした  
冒頭からいきなり、髑髏。

ちょっと驚きながらもそそられて、読み進めてみると、
なんとヒロインが死んだところから始まる物語だったのですね。

さきくさの嫗
なんと悲しく壮絶な芸の道でしょうか!
火のように激しくはかないさきくさの生きざまに息を飲み、
憎しみに踏み迷う袈裟の、苦悩の人生に心を痛め、
胡蝶のあまりにも酷烈な運命には、胸もつぶれる思いがしました。

純真無垢な延寿が、さきくさのために心から悲しんでくれて、
その延寿に、乙前が、初めて真実を明かしてくれて、
本当に救われた思いがします。

延寿の、美しい透明な歌声が
この悲しい物語に差し込む浄土の光のようです。

そして乙前も、今は捨てた今様の封印を解いて歌ってくれる、
―――こちらは、しっかりと地に足をつけた
生命力あふれる力強い歌声が、
ろうろうと耳に響いてくる心地がしました。

華やかで厳しい芸の道
愛と裏切りと絶望とおどろおどろしさと救いと、
いろいろなものが渾然一体となった
深い物語世界を堪能させていただきました。

ありがとうございました。
続いて次作も読ませていただきます。

    ふろぷしーもぷしー拝

(2011年10月08日 23時55分50秒)

Re:新鮮でした(12/06)  
ふろぷしーもぷしーさん

いつもすばらしいご感想をありがとうございます!

この作品を書いたころは、まだ「このくらいのネタと登場人物ならだいたい何枚くらいの作品になる」というのがまったくわかっていなかったため、いろんなエピソードを詰め込みすぎてごちゃごちゃになってしまったかなと思っています(汗)
いつかまた、長編で書き直してみたい作品です♪
(2011年10月14日 15時13分23秒)

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