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2007年11月14日
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カテゴリ: 蒼鬼
 この馬に乗って出て来た騎手がまた、馬場の人々を驚かせた。それは厳めしい武官ではなく、まだ初冠したてのような美しい少年だったのである。

 人々の間で交わされている囁きによれば、この少年は伴能雄という名で、近衛の少将として出仕し始めたばかりらしい。だが、昨夜夢で神からのお告げを受けたと言って、良房に騎乗を願い出たのだという。良房もそれを聞くと、このような年少の者にも関わらず快諾したのだそうだ。

 人々の期待と不安の中、二人の騎手はゆっくりと駒を進め、二頭並んで位置についた。

 右近の馬場中の人々が、一斉にごくりと息を飲む。

 その瞬間、二人の騎手は同時に激しく馬に鞭を入れ、あっという間にそろって馬場へ飛び出した。

 名虎の馬より首一つほども体が大きい赤兎が、まず先頭に躍り出た。だが、名虎の方も負けてはいない。すぐに馬を励まして後を追いすがる。

 能雄は小柄な細身の身体を半ば宙に浮かし、まるで揺れる木の枝に掴まっている猿のように、軽々と馬に跨っていた。そして、その軽い身体を生かして、力の強い赤兎を巧みに疾走させる。

 名虎は必死の形相で馬に鞭を当て、横腹を蹴り、何とか赤兎に追いつくと、今度は逆に空を駆ける勢いで赤兎を抜き去った。その上、見る間にぐんぐん差を広げて行く。

 さすがに、それまで馬に任せるように軽く跨っていただけの能雄も、あせって馬の尻に激しく鞭をくれ始めた。



 左の幕屋の前を駆け抜ける時、馬上の名虎はそのような良房をちらりと見て、口元に不遜な笑みを浮かべた。





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最終更新日  2007年11月14日 11時34分07秒
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