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2008年03月18日
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カテゴリ: 蒼鬼
 真済は大和の山中をただ北へ向って走り続けた。街道には出ず、尾根伝いに山々を渡り、微かな獣道を辿る。

 蓬髪と裂けた衣を靡かせ、泣くような細いうめき声を迸らせながら駆けるその姿を見た人間は、きっと真済を鬼だと思ったことだろう。

 だが、真済は他の人間のことなどまるで眼中になかった。ただひたすら、野を駆け、山を駆ける。

 やがて、懐かしい高尾の峯々が、遠くに連なっているのが見えてきた。真済はわずかに休息を取ることもせずに走り続ける。そして、高尾の山中に分け入ってからも、止まることを知らなかった。

 だが、あの不動明王と出会った滝がどこにあったのか、真済にはまるで思い出せなかった。滝に行ったのはあの時ただ一度。それに、それ以後そこを訪れたことはなかったからだ。

 真済は回峯行をしていた頃の微かな記憶を辿って、杣道を走り続けた。

 やがて、雨がぽつりぽつりと落ち始め、それは次第に激しさを増していった。風が強まり、稲妻が峯々を照らす。荒々しい嵐に揉まれるように、真済はよろめきながらも闇雲に駆け続けた。

 だが、いつの間にか、誰かに導かれていたのかもしれない。真済はふいに、嵐のざわめきを突いて、聞き覚えのある水音がしているのに気づいた。熊笹の群れを掻き分け、倒れた大木の上を乗り越える。

 そして、ようやくあの滝を見つけた真済は、懐から数珠を取り出すのももどかしく、滝の前に倒れ伏して祈り始めたのであった。


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↓真済さんが住んでいたという神護寺からみた高尾の峯々。京都の市街からは結構離れた山の中なので、公共交通機関ではなかなか行きづらいですが、とっても静かな良いところです♪ 私が行ったのは新緑の季節でしたが、秋の紅葉も素晴らしいそうですよ。ぜひ一度♪





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最終更新日  2008年03月18日 11時18分54秒
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Re: 蒼鬼 -173-   
nonmama-ns  さん
そっか~、歴史小説な訳ですから、真済さんて、実在した人物なのですか~?

ごめんなさいね~、初歩的な質問で~^^;

(2008年03月18日 16時36分42秒)

Re:Re: 蒼鬼 -173-(03/18)  
nonmama-nsさん

私が神護寺に行った時には、たまたま真済さんの肖像画も展示されてましたよ~♪
もちろん、普通の立派なお坊さん風でした。
実際の真済さんは、空海の有能なお弟子さんで、たぶん(絶対?)鬼になんかなってないと思います(笑)
でも、鬼だの天狗だのになったという説話があるのも事実。
私の小説は、そういう説話を元にしたものなので、歴史的にはまったくの嘘っぱちです!(堂々)
だから、ホントにしないでくださいね~♪
(2008年03月19日 12時57分29秒)

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