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2008年04月10日
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カテゴリ: 蒼鬼
 翌朝は清らかに晴れ渡った夏の青空が広がり、明子の久しぶりの外出に相応しい爽やかな陽気だった。

 昨夜は幸いなことに鬼が現れなかったせいか、それともこの明るく輝く夏の日差しのせいか、今日の明子はいつになく正気を取り戻しているようだった。継子が話しかけてもよく返事をするし、女房が広げてみせる鮮やかな衣装の数々にも興味を示している。顔つきや眼差しにも生気が戻り、久しぶりに夫に会うのを楽しみにしているような雰囲気さえあった。

 継子は明子が元に戻ったような気がして嬉しく、思わず袖の陰で涙ぐんだ。そして、この様子ならば帝に会わせても大丈夫かもしれないと、密かに安堵したのだった。

 良房の牛車に同乗して内裏へ入った明子は、そのまま良房に伴われて清涼殿へ上がった。継子もすぐ後ろに控えている。

 文徳帝は寝室である夜御殿(よんのおとど)に篭っておられるようだ。どうやら病というのは本当らしい。

 良房は明子を連れて夜御殿に入り、しばらく何やら話をしていたが、明子をそこに残したまま一人で出て来ると、継子に言った。

「主上は明子としばらく二人きりで話がしたいそうだ。人払いをせよとのご命令だから、そなたは台盤所(だいばんどころ)の方へでも下がっているがよい。私は少し蔵人頭(くろうどのとう)に話があるから、殿上間(てんじょうのま)にいる。用があるときは、女官にでも言って呼んでもらってくれ」

 良房はそう言うと殿上間へ去り、辺りにいた文徳帝付の女官たちも一斉に衣擦れの音をさせて台盤所の方に下がって行った。継子も当然その後に従うべきなのだが、継子にはどうしても明子から目を離すことが出来なかった。

 それで、そっと人目を避けてそこに居残り、誰もいなくなったのを見極めると、側の几帳を一つ夜御殿の前に持っていき、その陰に隠れた。そして、夜御殿の入り口の襖をほんの少しだけ開けて、中の様子をうかがった。


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↓こちらは、現代の京都御所清涼殿の御帳台。現代の平面図が手元にないので定かではないのですが、平安時代と同じ造りになっているなら、この御帳台の右の狛犬の後ろの暗がりの向こうが「夜御殿」。継子はこの暗がりに身を潜めているっていうイメージです。ちなみに、御帳台の真後ろに「台盤所」、この広い清涼殿の左端に「殿上間」があります。台盤所は帝のお食事の支度をする場所という意味ですが、普段は帝に仕える女官たちの控え室になっていました。殿上間は五位以上の位を持つ殿上人の詰め所で、蔵人頭は帝の男性秘書官である蔵人のリーダーです。





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最終更新日  2008年04月10日 12時38分52秒
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