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2011年10月28日
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カテゴリ: きりぎりす
 堀河は急に獅子王が薄気味悪くなり、当惑したような目で堀河を見つめる獅子王を残して、局を飛び出してしまった。

 その日一日、堀河は仕事がほとんど手につかなかった。

 あの男は一体誰なのだろう。いや、そもそもあの男は人なのだろうか。もしかしたら、自分は何かとんでもないものを拾い上げ、しかもそれを自分の局の中へ入れてしまったのかもしれない。一体これからどうしたら良いのか。どうやったらあの男から逃れられよう。

 堀河は考え続けたが、答えは何も浮かんでこない。

 いっそ誰かに相談してみようか。

 だが、こんな突拍子もないことを、同僚の女房たちに話すことが出来るわけがない。唯一頼りになりそうな妹の兵衛は、里に下がってしまっているし。

 いや、兵衛にだって話せない。兵衛は気性の明るいさっぱりとした女だが、反面ひどい怖がりで物怪(もののけ)の類いにはことのほか弱かった。自分の局の隣にそんな不気味なものがいることを知ったら、きっと卒倒してしまうだろう。

 ああ、一体どうしたら良いのか……。

 堀河の頭の中は混乱し、心細さと恐ろしさで気が狂いそうだった。


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最終更新日  2011年10月28日 16時47分09秒
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