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2011年12月06日
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カテゴリ: きりぎりす
 女院の院司の殿上人に見守られて、待賢門院は三条東殿へ向った。

 堀河たち女房も、車を連ねて三条西殿を出る。と思ったらもう着いているというほどの近さだが、普段薄暗い御所の中に篭って過ごしている女性たちにとっては、たとえ短い時間でも外に出るのは気分が良い。堀河も久しぶりに晴れやかな気持ちになった。

 三条東殿では、知らせを受けた鳥羽院に仕える近臣たちが、待賢門院を出迎えてくれた。

 御簾の奥には、脇息に寛いでおられる鳥羽院の姿も見える。

 鳥羽院は待賢門院より二歳年下の二十七歳。色白でふっくらとした優しげな面立ちに、艶やかに梳られた漆黒の鬢(びん)の髪。紅の袴に白い引直衣を緩やかに着こなした鳥羽院は、まるで絵巻物の中の優雅な貴公子のように美しい。

 隣に座を占めた待賢門院とにこやかに語り合っている様子は、まさに似合いの一対だった。

 だが、それをそのままに受け取ることは出来ない。

 真に身分の高い人間というものは、決して本心を人前で明かしたりはしないものだ。

 待賢門院もそうだが、この鳥羽院も心の中で何を考えているのかまるでわからない。




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↓高貴な人の御座所の雰囲気。中央の細長い台のようなものが「脇息」です。





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最終更新日  2011年12月06日 13時22分55秒
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