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2012年04月03日
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カテゴリ: きりぎりす
 だが、そんな自分の心を、堀河は強いて叱りつけた。

 だからと言って、それがどうだというのだ。どうせあの男も他の男と同じ。いずれは自分の元を去っていく。それならば、一度くらいこちらから追い出してやってもよいのではないか。もう一方的に傷つけられるのは御免だ。

 堀河がそう繰り返し繰り返し考えながら、寝殿の隅で明日の待賢門院の装束を整えていると、兵衛がひょっこり顔を出した。そう言えば、既に辺りは薄暗くなっている。もう戻って来たのか。堀河は兵衛に聞いた。

「思ったより早かったの。ご苦労様。もしかして、もう牛車は里へ帰してしまったのかえ?」

「いえ、明日の御幸のために牛車が足らぬので、我らは里のものを使って欲しいと、実能様から遣いが。車宿りに待たせております」

「そう、良かった。ちょっと使いたいから、わたくしに貸しておくれ」

「でも、姉上様、これからどちらに?」

 それを曖昧にごまかして、堀河は装束の始末を兵衛に押しつけると、自分の局へ向った。


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最終更新日  2012年04月03日 11時36分43秒
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