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2012年05月16日
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カテゴリ: きりぎりす
「お隠し下さいますな。私はあの夜、このまだら模様の牡牛に引かれた牛車に若殿が乗せられるのを、辻の角から密かに見ておりました。私はずっとこの牛を探していたのです。今日は都中の名だたる方々がこの法金剛院にお集まりになると聞いて、きっとあの牛が見つかるのではないかと、この車宿りで探しておりました。いや、私は決して怪しい者ではございませぬ。若殿に長年お仕えして参った者でございます」

 そう言えば、獅子王は東国でずっと従者と一緒だったと言っていた。これが、坂東で逸(はぐ)れたというその従者だろうか。

 いや、もしかしたら獅子王を探している敵方の者かも。

「何か証拠でもあるのか?」

「それは……何もござりませぬ。ただ、この顔を若殿に見ていただければ。どうか、資通が来たとお伝えくだされ……」


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最終更新日  2012年05月16日 15時51分43秒
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