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2013年01月04日
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カテゴリ: きりぎりす
 堀河はふと思い出して、手を叩くと留守番の老女を呼び、牛車の中に置いて来たものを取りにやらせた。

 それは、獅子王の太刀であった。

 堀河はそれを資通に渡しながら言った。

「これは、ただ一つだけ、獅子王がわたくしの元に残していったものじゃ。形見に持っていようかとも思ったが、これは源氏にゆかりの宝刀だと聞く。それに、女のわたくしが太刀など持っていても仕方がない。そなたの忠義な心根を信じて、これをそなたに預けよう」

 資通は太刀を手にとると、感慨深げに撫でさすった。

「これは確かに、若殿の鬼切部(おにこうべ)の太刀。あの時、出雲の手前で出会った郎党は、この太刀一つを携(たずさ)えておりました。その郎党は、たまたま下戸(げこ)だったので、毒酒を飲む振りをしたおかげで助かったのだそうです。その後、館はすぐ乱戦になり、ただ逃げ出すのに精一杯だったとか。それでも、若殿の佩刀(はいとう)である鬼切部だけは、敵に奪われまいと、若殿の胴体からようやく外してきたのだと、わしにそれを渡してくれました」

「この太刀はそなたが持っていたのか。正盛殿は出雲で行方がわからなくなったと言っていたが」

「わしはこの太刀を持って、騒乱の出雲には入らずに、山陽へ出て若殿の首を追いました。正盛は出雲の後始末を味方の豪族たちに命じると、自分はすぐに出雲を発って京へ向かったと聞いておりましたから。そして、身軽なわしの方が先に京まで辿り付いたのでございますが……そのおかげで、あれほど悲しいものを見ようとは。わしが京へついた時、すでに正盛が凱旋してくるという噂が広まって、京中えらい騒ぎでした。わしは沿道に潜んで、そっと正盛の凱旋行列を見ていたのです。これ見よがしに若殿の首を槍の先に突き刺して、得意顔で練り歩いてくる正盛を見て、わしがどれほど悔しく辛く哀しかったか、おわかりにはなりますまい。若殿の死によって、わしの全ての望みも心の拠り所も、何もかもが失われたのです」


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最終更新日  2013年01月04日 13時53分22秒
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