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2014年03月17日
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カテゴリ: 羅刹
羅刹  -左京大夫藤原道雅異聞-


 生暖かい風が、ふいに頬をなぶった。

 目の前の暗闇の中で、何か白いものがふわりと巻き上がる。

 能季(よしすえ)の袖に縋りついていた師実(もろざね)は、思わずひいぃっと声を上げ、さらに能季の腕にしがみついてきた。

 だが、能季は師実の手を振りほどき、細い肩を押しながら言った。

「ほら、あれだ。私はここにいるから、行って取って来るがいい」

 だが、師実はまだ能季の袖に縋って、しきりにかぶりを振っている。師実の従者の行綱(ゆきつな)が、見かねて囁いた。

「私がちょっと行って、取って参りますよ。なに、誰が取ってきたかなんてばれやしませんからな」

 だが、能季は行綱を制して言った。



 能季は少し身を屈め、師実の目をじっと覗き込んだ。

「あんな風に馬鹿にされて口惜しくはないのか。男なら覚悟を決めて、あの片袖を取って来い。私がここで見守っていてやるから」

 能季から力強く肩を叩かれた師実は、昨夜の屈辱感が甦ってきたのか、それともようやく勇気が湧いてきたのか、かすかに頷くとしっかりと顔を上げて暗闇に向き直った。


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最終更新日  2014年03月17日 16時46分25秒
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Re:羅刹 -1-(03/17)  
千菊丸2151  さん
新連載開始、おめでとうございます。

序盤から怪しい夜の場面・・一体どうなることやら。 (2014年03月20日 22時00分14秒)

Re[1]:羅刹 -1-(03/17)  
千菊丸2151さん

コメント、ありがとうございます!
ちょっと長いですが、お時間があったらときどき覗きに来てくださいね(*^_^*)
(2014年03月26日 15時34分59秒)

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