Flimsy evidence

February 17, 2009
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カテゴリ: 星の王子さま
 2番目はうぬぼれ屋の住む星だった。



「おぉ!おぉ! これは私を称賛する者が来たか。」 うぬぼれ屋は小さな王子さまを遠くに見つけるなりそう叫んだ。
 うぬぼれ屋には他の人々はみな彼を称賛する者なのだ。
- 「こんにちは。」 小さな王子さまが言った。 「おもしろい帽子ですね。」
- 「これは賛美にこたえるためだ。」 うぬぼれ屋はそう答えた。 「喝采を受けた時に使うものだ。 残念ながらまだ誰も来た事がないがね。」
- 「そうですか?」 小さな王子さまはそう言ったが意味が分からなかった。
- 「手をたたいてみなさい。」 うぬぼれ屋が言った。
 小さな王子さまは手をたたいた。 うぬぼれ屋は帽子を持ち上げてすっと会釈した。
 「ここは王様のところよりも楽しいな。」 王子さまはそう思った。 そしてもう一度手をたたいてみた。 うぬぼれ屋はまた帽子を持ち上げて会釈した。

 「帽子を下に落とすにはどうすればいいの?」 小さな王子さまは尋ねた。
 しかし、うぬぼれ屋は聞いていなかった。 うぬぼれ屋は彼を称える言葉しか聞かないのだ。
- 「君は本当に私を称賛しているのかね?」 彼は小さな王子さまにそう尋ねた。
- 「『称賛』てなんですか?」
- 「称賛とは君が私の事をこの星で一番ハンサムで一番お洒落で一番お金持ちで一番賢い人だと思う事だ。」
- 「でも、この星にはあなたしかいません!」
- 「だとしても、とにかく称賛したまえ!」
- 「称賛します。」 小さな王子さまは少し肩をすくめてそう言った。 「でも、そんな事になんの意味があるの?」

 そして小さな王子さまは出発した。

 「大人って本当にすごく変だ。」 小さな王子さまは旅を続けながらそう思った。





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Last updated  February 19, 2009 07:05:12 PM
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