なんであたしがあんたの機嫌取んなきゃいけないのよ

なんであたしがあんたの機嫌取んなきゃいけないのよ



2024.08.22
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カテゴリ: 映画/ドラマ



鬼龍院花子の生涯【Blu-ray】 [ 仲代達矢 ]

鬼政親分、前半はものすごく粋でかっこよかったのに後半の残念さがすごい
土佐犬の闘犬場に女性を引き連れて乗り込んでいく冒頭のシーンかっこよかった。
白い中折れ帽子に白い着流しで現れる鬼政、オシャレすぎる。その隣に座る岩下志麻のインパクトもすごい。
あの夜叉みたいな顔の迫力。鬼政に閨に呼ばれた二人の女性が「姐さん、上がらせてもらいますき」と頭を下げ「上がりや」と応える怒りと疲れに燃えるような顔が素晴らしかった。
まだ仁義のあるやくざの映画か。どもりの小僧を下男として使っていたり、買って来た少女が学校へ行きたいと申し出たのを行かせてあげたり。
「女学校に行かせてきっちゃ」「おなごに教育などいらん!」のやりとりがあった次のシーンで、松江が大学卒業したというのが流れて目頭が熱くなった。
夏目雅子の演技は初めて見たけれど、画面に映った時の見栄えがすごい。一番地味な着物を着ているのに、華やかで清廉で賢さがあって素敵だ。
鬼龍院花子のバカ面もピッタリすぎてハマリ役だった。
大親分から堅気に手を出すなとたしなめられて激高した時から運命が変わってしまったのかな。
有名な「なめたらいかんぜよ」ってこれか。


陽暉楼 [ 緒形拳 ]

三部作2話目は女衒の話?緒形拳のたたずまいカッコイイなー
3話目を見た後では、このかっこよさの裏に何があるのかが分かってしまった何だかツライけど。
気の強い素人娘は浅野温子だったのか!何も知らない世間知らず美人は何も知らないままで良かったんじゃないのか。
親の借金を背負ってもいない子に芸事は教えられない、自由気ままでは困るというのはすごい断り文句だな。芸事を覚えられなかったら最後の居場所であるここを追い出されるかもしれないという恐怖と共にあの踊りと歌は成り立つのか…
桃赤さんも堅気の女の子がわざわざ芸者になりたいと行ってきたら、やめときっていうだろうな。自分に立てついてきたとしても立場が全然違うのだから、素人は黙っておきな、ということろか。
雨の中「大阪に行くことになった、さいなら」という別れのシーン良かったな。
彼女たちの「さいなら」はもう永遠に会うことのない「さようなら」なのだろうな。
子供ができたとか、和食の店を開いたとか、人生に新しい風が吹いてきた時にへし折られてしまう女のやるせなさに泣いちゃった。


櫂 [ 緒形拳 ]

2作目の緒形拳のイメージが全部覆ったぞ。
世話した女性を娘同然だと思って手を出さないかっこよさはどこかへ消え、知り合った女性はすべて手を付けるみたいな人に変わってしまった。
まともだったり、情に厚かったりする人間はすべて死ぬか痛い目に合うかする映画だったな。
女衒家業を汚いと毛嫌いしながらも家の切り盛りを頑張って、病気で倒れたりしても踏ん張っていた喜和がとうとう家を出ていき、蔵みたいなところで封筒張りの内職をしながら生きているところに岩伍が来て、当てつけは止めろと髪を引っ張ったら髪がごっぞり抜け落ちるというシーンが心に迫る。
疲れて老けた顔に薄く塗られた白粉が老齢を際立たせる中で、緒形拳の手に毛束が纏わりつくという画が強すぎる。
岩伍は喜和を家に呼び戻したいと思っているようにも見えたけれど、もはやそれは何のために呼び戻そうとしているのかもわからない。世間体なのか、一緒に暮らしている他の者達への印象操作なのか、長年連れ添って来た義理なのか、愛なのか
背負える重荷って大事だな。身軽に生きてると生きるとっかかりというのを失ってしまうかもしれないな。






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Last updated  2024.08.22 18:13:01


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