「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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池澤夏樹の世界R5
<池澤夏樹の世界R5>
先日、池澤夏樹の新作『キトラ・ボックス』を図書館に予約したが、借りられるのは3、4ヶ月ほど先になるのではと予想されるのです。
この小説が気になるのは、新疆ウイグル自治区から赴任した女性研究員が登場するとのことで、『氷山の南』で登場したアボリジニの絵描きを彷彿とするわけです。
・・・個人的には池澤夏樹のミニブームが到来しているので、これまで読んできた池澤夏樹の作品を並べてみました。
・科学する心(2019年)
・キトラ・ボックス(2017年)
・砂浜に座り込んだ船(2015年)
・アトミック・ボックス(2014年)
・セーヌの川辺(2013年)
・氷山の南(2012年)
・カデナ(2009年)
・パレオマニア(2004年)
・イラクの小さな橋を渡って(2003年)
・マリコ/マリキータ(1990年)
・スティル・ライフ(1988年)
R5:『イラクの小さな橋を渡って』を追記
<『科学する心』>
図書館に予約していた『科学する心』という本を、待つこと1ヵ月ほどでゲットしたのです。
福岡伸一は科学者から科学的物書きとなったが、池澤夏樹はその逆で、物書きが科学エッセイストをめざしているような感じですね。
【科学する心】
池澤夏樹、集英社インターナショナル、2019年刊
<「BOOK」データベース>より
大学で物理学科に籍を置いたこともある著者は、これまでも折に触れ、自らの作品に科学的題材を織り込んできた。いわば「科学する心」とでも呼ぶべきものを持ち続けた作家が、最先端の人工知能から、進化論、永遠と無限、失われつつある日常の科学などを、「文学的まなざし」を保ちつつ考察する科学エッセイ。
<読む前の大使寸評>
福岡伸一は科学者から科学的物書きとなったが、池澤夏樹はその逆で、物書きが科学エッセイストをめざしているような感じですね。
<図書館予約:(5/11予約、6/15)受取>
rakuten
科学する心
【キトラ・ボックス】
池澤夏樹著、KADOKAWA、2017年刊
<「BOOK」データベース>より
奈良天川村ートルファンー瀬戸内海大三島。それぞれの土地で見つかった禽獣葡萄鏡が同じ鋳型で造られたと推理した藤波三次郎は、国立民俗学博物館研究員の可敦に協力を求める。新疆ウイグル自治区から赴任した彼女は、天川村の神社の銅剣に象嵌された北斗が、キトラ古墳天文図と同じであると見抜いた。なぜウイグルと西日本に同じ鏡があるのか。剣はキトラ古墳からなんらかの形で持ち出されたものなのか。
<読む前の大使寸評>
新疆ウイグル自治区とキトラ古墳天文図とが、どう繋がるのか興味深いのである。
<図書館予約:(4/19予約、7/05受取)>
rakuten
キトラ・ボックス
『キトラ・ボックス』
byドングリ
【砂浜に座り込んだ船】
池澤夏樹著、新潮社、2015年刊
<「BOOK」データベース>より
札幌近郊の海岸で、砂に坐り込んだような姿で坐礁した大きな貨物船。その写真を眺めていると、死んだ友人が語りかけてくる。遊び上手の粋な男で、古い家に母と二人で暮らしていた。老母を喪ってからその死までの、案じながら踏み込めなかった友人の晩年に耳を傾け、自身のあてどなさをあぶりだす表題作など、生者の同伴者としての死者を描いて、人生の底知れなさに触れる全8篇。
【目次】
砂浜に坐り込んだ船/苦麻の村/上と下に腕を伸ばして鉛直に連なった猿たち/大聖堂/夢の中の夢の中の、/イスファハーンの魔神/監獄のバラード/マウント・ボラダイルへの飛翔
<読む前の大使寸評>
これまであまり見かけなかった池澤夏樹の短篇小説集であるが…期待できそうやでぇ♪。
rakuten
砂浜に座り込んだ船
【アトミック・ボックス】
池澤夏樹著、毎日新聞社、2014年刊
<「BOOK」データベースより>
28年前の父の罪を負って娘は逃げる、逃げる…「核」をめぐる究極のポリティカル・サスペンス!
<大使寸評>
池澤夏樹が、これほど面白く読める活劇をものにするとは、意外でした。
ほぼ同時期に読んだ「コラプティオ」、「やっちゃれ、やっちゃれ!」と比べてみると、この本がいちばん面白く読めたのです。
この3作品の優劣を比較するのはどうかとも思うが(笑)、ストリーテラーとしては池澤夏樹が優れているということでしょうね。
rakuten
アトミック・ボックス
【セーヌの川辺】
池澤夏樹著、集英社、2013年刊
<「BOOK」データベース>より
フランス・パリ郊外に位置するフォンテーヌブローに移り住んで一年。著者はエッフェル塔と東京タワーを比較しながら理想の国家のあり方を模索。電力の75%を原子力に頼るフランスでエネルギー問題を考え、サッカーW杯で起こったジダンの頭突きからナショナリズムに思いを巡らす。海外に暮らし、相対的な視点で捉えることで浮かび上がってくる日本のかたちを鮮やかに綴るエッセイ集。
<読む前の大使寸評>
目次を見ると、全篇に亘ってヨーロッパの題材とその言語である。ちょっと気が重くなるが・・・読んでみるか。
なお、借りたのは、2008年刊のハードカバーでした。
rakuten
セーヌの川辺
【氷山の南】
池澤夏樹著、文藝春秋、2012年刊
<「BOOK」データベース>より
2016年1月、18歳のジン・カイザワは、南極海の氷山曳航を計画するシンディバード号にオーストラリアから密航する。乗船を許されたジンは厨房で働く一方、クルーや研究者たちのために船内新聞をつくることに。多民族・多宗教の船内で、ジンはアイヌの血という自らのルーツを強く意識する。女性研究者アイリーンとともに、間近で見る氷山に畏怖の念を覚えるジン。真の大人になるための通過儀礼を経て、プロジェクトに反対する信仰集団と向き合う。このプロジェクトの行方は…。21世紀の冒険小説。
<読む前の大使寸評>
冒険小説というマイナーなジャンルであるが、たまには夢を見たいではないか。
池澤さんの長篇小説といえば、『カデナ』以来となるのだが…読んでみるか♪
主人公の18歳のジンはアイヌの血が混じる青年で、少数民族交換事業の一環でニュージーランドで学んでいたという設定である。
英語がペラペラの18歳のアイヌ系日本人というのはなんだか没入できないところもあるが・・・そんなのは読者の狭量なのかも。
rakuten
氷山の南
【カデナ】
池沢夏樹著、新潮社、2009年刊
<「BOOK」データベースより>
1968年夏。沖縄、アメリカ、ハノイ。フィリピンに生まれ、カデナの米軍に勤務する女性曹長フリーダ。サイパンで両親と兄を喪い、沖縄で一人戦後を生き抜いてきた朝栄。朝栄夫妻にかわいがられ、地元のロックバンドで活躍する青年タカ。朝栄のサイパン時代の旧友で、那覇で再会するベトナム人安南さん。-4人は、カデナ基地からの北爆情報を刻々とベトナムに伝える「スパイ」となる。だがそれはフリーダにとって、B-52機長である恋人の大尉、パトリックを裏切る行為でもあった…。
<読む前の大使寸評>
追って記入
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カデナ
【パレオマニア】
池沢夏樹著、集英社インターナショナル、2004年刊
<「BOOK」データベースより>
ギリシャ、エジプト、インド、イラン、カナダ、イギリス、カンボディア、トルコ、韓国、オーストラリアなど、古代妄想狂を自称する男が大英博物館で気に入った収蔵品を選び、それが作られた土地を訪ねる。知的興奮に満ちた旅。
<読む前の大使寸評>
池沢夏樹は古代妄想狂なのか(笑)・・・各地の取材費は出版社持ちなんやろか♪
大使にとっては、トルコ、韓国、オーストラリアあたりが興味深いのです。
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パレオマニア
【イラクの小さな橋を渡って】
池澤夏樹著、光文社、2003年刊
<出版社>より
『新世紀へようこそ』の著者が、平和運動や政治的なジャーナリズムのためでなく、ただ「遺跡を見るために」米国がいつ攻撃するかわからない2002年10月末のイラクに行った。
国民はほんとうにサダム・フセインの圧制下に苦しんでいたのか?
経済制裁下で食べ物も足りない貧しい国だったのか?
冷静な著者のレポートは、メディアでは報道されない真のイラクの人々の姿を淡々と綴っていく。この国を攻撃することは果たしてほんとうに正しいことなのか、私たちに静かに問いかける。
<読む前の大使寸評>
追って記入
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イラクの小さな橋を渡って
【マリコ/マリキータ】
池澤夏樹著、文藝春秋、1990年刊
<「BOOK」データベース>より
南の島、異国の子供たちと暮らすマリコ。研究者の僕に日本を脱け出し、彼女を追う生き方ができるだろうか(「マリコ/マリキータ」) 前人未踏の遺跡を探検した僕とピエールは、静謐のなか忘我の日々を過ごした。でも僕には、そこにとどまり現世と訣別する道は選べなかった(「帰ってきた男」)。夜に混じり合う情熱の記憶。肌にしみわたる旅の芳香。深く澄んだ水の味わい、5篇の珠玉の短篇集。
<読む前の大使寸評>
池澤さんの初期の短篇集であるが・・・
名も知らぬ遠き島より流れ着いたような感じがするわけで、チョイスしたのです。
rakuten
マリコ/マリキータ
【スティル・ライフ】
池澤夏樹著、中央公論社、1988年刊
<「BOOK」データベース>より
遠いところへ、遠いところへ心を澄まして耳を澄まして、静かに、叙情をたたえてしなやかに―。清新な文体で、時空間を漂うように語りかける不思議な味。ニュー・ノヴェルの誕生。中央公論新人賞・芥川賞受賞作『スティル・ライフ』、受賞第一作『ヤー・チャイカ』を収録。
<大使寸評>
およそ30年ほど前、池澤夏樹デビュー時の単行本のようです。
主人公の友人の佐々井がちょっと変わっているけど、いい奴なんだな~。
持ち物は自分が持って運べる分だけというから、今でいうミリマリストそのもので・・・
合って話す話題が、素粒子とか地質学とかで、不思議な静けさがあるのです。
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スティル・ライフ
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