中年事務職サラリーマンのつぶやき

中年事務職サラリーマンのつぶやき

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2008年08月27日
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カテゴリ: 小説
この本も、最近僕がよく読む企業法律小説なのですが、作者の方は東大卒
で現役の弁護士さんだそうで・・・。さすがに弁護士さんが書いてるだけ
あって、リアリティがあります。しかもこの小説が書かれたのは2000年と
言う事ですので、まだMBOと言う言葉がが一般化する前の小説です。や
はり先見の明があるというか・・・。

ここで言うMBOは、マネジメント・バイ・アウトの事で、ビジネス法務
を習った事のある方にとっては言葉としては馴染みがあるのですが、実際
に社会で経験する機会は無いので、小説を読んでみてなるほどこう言う風
に行われるのか!と思った次第です。MBOは、経営陣による会社買収の

として引き続き居残る方法です。もう一つ、MBI(マネジメント・バイ
・イン)とういのがありますが、こちらは外部の投資会社が買収を行い、
外部から経営陣を派遣するケースです。

MBOは、中小企業などで後継者が居ない場合に、現経営陣に株式を売却
するケースなどで活用されますが、そんなのを小説にしても面白くないと
言うか、この小説では面白い形でMBOが描かれていました。

舞台となるのはギャラクシー・デパートという老舗の百貨店です。以前は
日本語の社名だったのですが、バブル崩壊時にギャラクシー・グループの
総帥オーナーである成海に乗っ取られて、株式の過半数をギャラクシー・
グループに握られ、社名もギャラクシー・デパートに改名させられてしま
うのです。そんなある日、ギャラクシー・デパートの生え抜き社員で現・

渡されます。さんざん困った「現・社長」小野里英一は逆に、第三者割当
増資により、株式の過半数を占めるギャラクシー・デパートの株式の希薄
化によって、経営権を奪い取ってしまうと言うトンデモMBOが描かれて
いました(現・経営陣が株式を買い取るのでは無く、新たに株を増発)。

第三者割当増資とは、既存の株主以外の人に、新たに株式を発行する事で

事になります。それなのに、この第三者割当増資は、「株主総会」ではな
く「取締役会」で決議可能なのです(非公開会社を除く)。会社の定款に
は、発行可能株式数が記載されているので、もちろんこの総数は上限です
から、発行可能数をオーバーは出来ないとは思いますが・・・。それでも
上限以下なら現在の発行済み株式数の4倍までは発行可能だと思いました、
確か。。。。

話の内容は突拍子も無いと言うか、日常茶飯事でこんな事が起きてるとは
想像しがたい事ではありますが・・・。

そんなに簡単に、株式の過半数を握る親会社の了承も無く、過半数を希薄
化し逆に自分が過半数を握れる程の大量の株式を、第三者割増増資により
発行出来るものなのか?と疑問に思いますが、やり方からその後の経緯を
含め、面白ろおかしく書かれていて、面白かったです。

この小説では、主人公の小野里英一が「取締役会」で、現在発行済み株式
数の70%に当たる株式数を、新たに発行(第三者割当増資)する採決を
強行に決議するシーンから始まります。当然、この会社の株式の過半数を
占めるギャラクシー・グループの総帥である成海が黙っていません、すぐ
に増資「差止め」の仮処分を裁判所に申請します。増資理由が不透明だと
裁判所に訴える訳です。

結局すったもんだの挙句、仮処分の申し立ては却下され第三者割当増資が
成立してしまいます。当然、謀反を起こした張本人の主人公の小野里は、
ギャラクシー・デパートの株式過半数を握っていたギャラクシー・グループ
が筆頭株主から外れた事により(持ち株比率の低下による)、クビにならず
に済み、更に今後も引き続き経営者として会社に残れる事になりました。

でも、そう都合よく世の中は回らないと言うか、第三者割当増資は、当然
「第三者」に株を売る訳ですから、発行済み総数の70%の株式を1社の
投資ファンドに売ろうものなら、今度はその新たな株主が筆頭株主になる
のです。

今回のケースも、「第三者」として新たに株式を買い取ってくれた「海外」
の投資ファンドが、モノ言う株主として、主人公の社長に対し無理難題を
要求し始めました。要求は「本店閉鎖」及び「大幅な人員削減」をしない
と、株式を他の誰かに売っぱらうと脅しにきたのです。

これでは結局、何のためにオーナーから独立したのか分かりません。結局、
ホワイトナイトなんて居ないと言うか、やはり株主にとっては「株価」が
全てで、株価が上がる政策を常にとっていかないと経営者はすぐにお役ご
免となってしまうのですね。

さてさて、どうなってしまうのやら・・・小説は最後、また意外な展開で
幕を閉じるのであります。

ところで、この小説の主人公は、ギャラクシーデパートの小野里英一かと
思ってましたが、主人公がずっと相談し続ける弁護士「大木」が、もしか
したら主人公なのかもしれません。この牛島信さんの小説には、他の小説
も含めて全て、ずっとこの「大木弁護士」が登場しているのです。

「大木弁護士」シリーズと、サブタイトルを付けた方が良いのではないか
と、余計なお世話ですが思いました。





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最終更新日  2008年08月27日 23時42分41秒
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