自分でも思い出しながらだから、ますます拙いけど、良かったら読んでみてくださいね。
もし、お時間がある方は、最初から読んでもらえると嬉しいです。
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「ベラのペンダント」19
ベラは、自分でもどうしていいか分からず、迷った揚げくユリウスに相談してみることにした。
「母(ライザ)を父(王様)に逢わせようかと思ってるのだけど、
また母が王妃に命を狙われるんじゃないと心配だし、
実は内心、自分はそれを願ってるのではないかとさえ思ってしまうの・・・」
おそるおそる切り出してはみたものの、ユリウスがなんと言うか不安にかられた。
「そんなことあるわけじゃないですか、ベラお嬢様に限って。」
そうユリウスに否定されても、否定しきれない自分が居る。
「私を忘れてしまい、別の子を愛し育ててきた母を恨んでるのかも・・・」
「たとえそうだとしても、王妃に殺されることを願うほどではないでしょう。」
「そうね。そこまでとは思わないけど、自分でもよくわからなくなってしまうの。」
自信無げにうつむくベラ。
「一人で考えてるから、思い詰めてしまうんですよ。でも、よく話してくれましたね。
一緒に考えましょう。これからどうしたらいいか。」
ユリウスは励ますように言った。
「やっぱりユリウスに話して良かった。心細かったのよね。」
泣き出しそうになるベラをユリウスはじっと見守るしかできない。
幼馴染とはいえ、今はお嬢様と下男なのだ。
「ともかく、お母様を王様に逢わせるのは危険だから今は止めておいた方がいいと思います。
そうしようとすると、またベラお嬢様が自分を疑ってしまうし。」
「そうね。私の気持ちがどちらにせよ、危険なことには変わりないものね。
これで少しは気が晴れたわ。ありがとう。でも、母になんと言ったらいいかしら?
父に逢うのを楽しみにしてるみたいだから」
ベラはまた迷い始めた。
「正直に、危険だからやはり逢わせられないと言ったらどうですか?」
「そうよね。せっかく母に逢えたのに失いたくはないわ。
なんて、そう思えて良かった。」
「その気持ちをお母様に伝えたらどうですか?」
「でも、なんか言いにくいのよね。」と口ごもるベラ。
「甘えたっていいんじゃないですか。今まで甘えられなかったんだから。」
「甘えたいんだけど、どうやって甘えたらいいか分からないの。」
「僕に甘えて練習してみたらどうでしょう。」
「甘える練習ね。こうして相談してること自体甘えてるわよね。」と思わずベラは笑った。
「そうですね。」ユリウスもつられるように笑ってしまった。