1

近所のしょうぶ園で毎年恒例の花火の会『冬の華』が開催された。昼間はお祭りのようなことをやっていたが、午後六時ぴったりに花火の会は始まった。その頃には園は人でいっぱいで、車で乗り付ける人たちもひっきりなしにやって来ていた。三十分間休み無く、音楽に合わせてうち続けられる花火は見事で、狭い空間だけに、本当に頭上で炸裂する驚きもあった。寒気で緊張した夜空に開く『冬の華』、冬に行う花火もなかなかいいものだと毎年思う。子供たちにとっても、ふるさとを思い起こす思い出の一つとなることだろう。
2019年02月16日
閲覧総数 51
2

ノーベル文学賞受賞第一作であるカズオ・イシグロの『クララとお日さま』を読んだ。AF(人工親友)というAIロボットの視点から叙述されていく物語は、いかにも彼らしい少しバイアスのかかった世界である。 人々の人間臭い行動パターンはあるものの、それが子供を思わせる純真さで処理されていく。最初から最後まで一貫して降り続いているお日さまの光を浴びてぽかぽかと暖まっていく感覚、がモチーフとなっている。私はむしろ、悟ってしまった老人の感覚だと感じた。仏教的な悟り、と言っては言い過ぎか。その感覚でもって精緻な世界を作っている。
2023年02月22日
閲覧総数 159


