Fuzzyな見たり読んだり

Fuzzyな見たり読んだり

2007年02月12日
XML
カテゴリ: 読書・日々の生活





  三崎亜記のこの作品は
  三十年ごとに町が一つ消える という特異な設定の世界である。
  町を消えさせる何かには意思があって、
  失われた人々に対して悲しみすぎたり
  町に入って名を呼んだりしたら、その人も連れて行かれたり
  「汚染」されたりする。


  「当局」は、電気も止め、その町の痕跡は本の中のわずかな記述に至るまで


  電力が供給されていないその町には、その後何年も、夜になると残光が光る。

  そういう町のことを、無関係な人の多くは関係ないこととして忘れ、
  また「汚れる」という連想から忌むべきコトとして差別的な偏見を持つ。

  それでも、隣町に住んでいて、家族がその町にいたり、
  また逆に、たまたま隣町で働いていたりして助かる場合があり
  そういう人たちは、自分の感情が亡くなるわけではないけれど
  「悲しんではいけない(町に連れて行かれるから)」のだった。


  この本には、その町に関するエピソードが七つ収録されている。
  町が失われることを何とか防ごうとする人たちがいる。


  例えば、「自己同一性障害」という病気のような症状があり、
  「分離」したりする。双子のように人間が二人になるのだ。
  なるほどなあ と感心する。


  読み進み、町が失われることに抗おうとする人たちの、

  だんだん泣けてくる。

  現代とは「理不尽な死」といつも背中合わせに生きている時代だし、
  何かを変えていこうとするのはとても強い意志を必要とする。

  そういうことを切々と、告げられている感じがした。
  是非、とお奨めしたい作品だ。


   カバーも洒落ているのだ。
   町の写ったカバーの上に人だけが描かれた透明なシートがかぶせられている。
   失われた町、という感じが確かにするのだった。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年02月12日 19時11分27秒
コメント(2) | コメントを書く
[読書・日々の生活] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

プロフィール

ファニーfuzzy

ファニーfuzzy

カレンダー

お気に入りブログ

久しぶりにフレッシ… New! らぶりーたわ子さん

ねーさんの独り言 飯島あきらさん

コメント新着

ゆうり@ Re: 野田秀樹・「エッグ」 もう5月も末です!お元気ですか?今日は…
ファニーfuzzy @ Re[1]: 野田秀樹・「エッグ」(09/28) ゆうりさん  微妙なテンションでしたので…
ファニーfuzzy @ Re[1]: 野田秀樹・「エッグ」(09/28) ゆうりさん  卒業 おめでとう!!  卒…

バックナンバー

2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月
2026年03月

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: