GOAL通信

GOAL通信

2006.01.23
XML
カテゴリ: 教室の運営



 すり減った靴を引きずり、ジャラジャラと飾りを付けた荷物をぶら提げ、携帯を握りしめた様々な表情の子供たち。次々と会話が弾み、ざわめきを歓迎しながら、制服とも私服とも付かぬアンバランスな格好が教室を埋めていく。いつも定時に起きる不思議な空間。

 硬い椅子に腰掛け、さっそく交換ノートを広げては爆笑している。今日の事件を大声で講師に語っては、ボードに自慢のイラストを描き始める。どこで覚えてきたのか、わけの分からないポーズを繰り返す者。仲間とヘッドロックを始める者。目の輝きとともに生き生きとした生き様があちこちに溢れ返る。それは沈んだ者をも巻き込む不思議な力だ。

 始業前後に演じられるこの感覚。私は教室の方向を決めるヒントとして、彼らの動きをいつもそっと見守っている。彼らがここに来る目的は何なのだろう。私の目には、学習のほかに、何か大きな力の塊に吸い寄せられているように映る。子供たちにとっての社交場。くつろげる場所。ここで花開く笑顔を明日への活力にしてほしい。

 「サロンという名の教室」は、私がたどり着こうとする最後の姿。子供たちを包みこみ、子供の時勢へと進化していく。例えば下駄箱の上にそっと置いた一輪の花。たった一人でも心の傷を癒し、和んでくれたらと思う。流行りの歌もお笑いも漫画も彼らの波長にシンクロするならば悪ではない。

 教室の中心にそびえる巨大な樹。壁や天井に溢れるアート絵画。ただ今演奏中の展示とBGM。大工道具の陳列。今日の新聞の掲示と解説。アクアリウム。落書きボード。のぞき穴。塾らしくない、冒険的で刺激的な塾。私は色々な実験を試してみたい。

 そんなものは塾ではないと言うならば、一体どんなものが塾なのか。塾は学ぶ空間であると同時に、その内部に魅力のある空気が必要だと思う。空気は私が創る。そして常に進行形で変化していく。沈黙の中で苦悶で取り組む塾よりも、明日も明後日も行ってみたいと思う塾を私は選ぶ。学びの根本は、自らの能動的な姿勢にあると信じる。

 今、教室に集まる子供たちが見せる表情。魅力ある仕草。その一つ一つを生きた形のまま教室に描いていきたい。みんなの心の中の色に合わせながら。そんな馬鹿げたことを考えながら毎日が過ぎていく。2年後、3年後もきっと、夜中に独りで腕を組んでいる私がいるだろう。でも、子供たちが演じきれる受け皿を真剣に考える今の気持ちは忘れたくない。そう思いながら、また壁や床を眺めている。




 ワクワクするという言葉が好きだった


 今の子供たちを見ていると

 何故かその感覚を伝えてあげたくなるのです


 世の中にひとつぐらい

 こんな塾があってもいいじゃないですか





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.01.24 04:07:15
[教室の運営] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

サイド自由欄

img2c074974zik6zj.jpg
GOAL通信へようこそ。

プロフィール

masa/k

masa/k

カレンダー

バックナンバー

2026.06
2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: