GOAL通信

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2006.02.03
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カテゴリ: 教室の運営



 それは入念に準備された授業よりも、むしろ予想しない流れの中で起きることが多い。

 授業の展開が狂い始めた時、何とか自分のペースに修正しようとする若い講師たちもいるが、そんな時、私はまず生徒たちの様子を見る。型が崩れるには何かしらの理由がある。空間を埋めているリズムはないか。じっと待ち、生徒の波長を聴く。

 沈黙の時も、騒がしい時も、しばらく彼らの生の姿を受け入れてみる。一日の終わりの社交場がこの瞬間ならば、その流れを止めることだけが授業の型ではないはずだ。2分、3分。師の沈黙に気付き、今度は彼らが私の出方を待っている。やがて語り始める時、彼らの視線は正確に私を捉えている。強引に進める時には見せない輝きだ。

 空気を壊さない限り、彼らは言葉に絡み付いてくる。フィルムが切れて場面が変わる時のタイミング。伝わるという感覚はそんなほんの一瞬に垣間見ることができる。授業が一つのストーリーとするならば、意識して変化を取り入れてみる。語りのリズムだけで彼らは大きく動き、表情も変わる。

 大切な言葉が根付いていくヒントは、生徒の観察に始まる。空気を読み、刺激を盛り込む。そして展開の中で時を操作し、泥臭いわなを仕掛けていく。授業に決まった型などない。方法論もない。あるとすれば使い物にならないマニュアルだけだろう。

 教える側における真の能力とは、一方通行の錆びついた指導力ではない。いかに生徒の心をつかみ、残せるか。いかに次に繋がるものを丁寧に塗りこむことができるか。そして、どこまでこだわれるか。私には生徒に伝えたいことがある。だからこそ生徒の感覚を、その時の流れを、正面から受け入れ続けている。 





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最終更新日  2006.02.04 10:12:16
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