GOAL通信

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2006.03.20
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カテゴリ: 教育全般



 塾の都合で能力に基準を敷き、入塾テストやらで生徒を選別し、揚げ句にラインに届かない者を切るというやり方を近くの塾ではやっている。大したもんだ。優秀な生徒には併願を強要し、一人で何校という実績がそのまま塾の実績として広告の活字に踊る。一方ラインぎりぎりの生徒は経営を支えるお客さんとして貴重な財力源となる。生徒の大半はこの範疇だ。ほんの数名の広告塔とそれを支える絶対多数の生徒たち。能力でクラスは分けられ、保護者には常に危機感が与えられ、上のクラスに昇るためにという名目で様々な追加履修が用意されている。当初チラシに書かれていた学費とのギャップに愕然とし、やがてうちのような個別へ流れてくる。解らないままどんどん進んでいき宿題が追いつかない、やる気がなくなってきた、何とかしてくれと。

 宿題を大量に出すのは、成績が伸びない時の逃げ口を敷いているに過ぎない。そういう塾は決まってこう言う。お宅のお子さんは宿題をしっかりやってこないですからねえ、やってくる子との差は出るでしょう。さあ困った。宿題をやろうにも解らないから進まない。やがて堂々巡りでどつぼにはまる時が来る。授業は上の空、テストの点は上がらず、塾に行った気になって日々を消化していく。もちろん上のクラスに上がれるわけもなく、週回数や教科数、講習会のコマ数だけが増えていく。親は言う。あんたがしっかりやらないからだと。やがて幻想が現実になる時、転塾の兆しが家庭に流れ始める。チラシを集める親の傍らで、当の本人は何処でもいいよと冷めた表情だ。一体、何をやっているのか。親も子も、この塾も。

 塾が方針に沿って生徒を選ぶのは自由だ。だがそれは明確なシステムと目的と計画があり、それらを手順を含めて公表した上で、消化できないという具体的な理由説明がなければならない。システムを買う買わない、軌道に乗る乗らないは生徒側の判断。ほんの1時間足らずの入塾テストで、あるいは面接だけで、その子の1年後が判ったら大したもんだ。現在のその子の姿を、学力を、生活背景を、過去をすべて受け入れ、どうすれば伸びるかを真剣に考え、何よりもまず指導実践し、励まし育成していこうとするのが塾ではないのか。指導を試みないで何が判る。

 ピラミッドの底辺にいる多数の生徒たちは、みな勉強の方法を知りたがっている。親に反抗する子供も、テストを5分で終えて寝ている子供も、ツッパって問題を起こす子供たちでさえも、本音を訊けばみな知りたいという。その智慧と手順をコーチングできるのは誰なのか。私が生徒を選ばないというのは、生徒個人の持つ可能性を高めたいからに他ならない。ゼロならまず1にする。偏差値40を45にしてくれという親。底辺の苦しみを受け入れ、方法をひも解いてやることも大切な仕事と捉えている。それは私の中では、60を65にしてくれということと同じ基準だ。

 入塾テストの結果を下方修正し、後に塾内テストであたかも伸びたかのように誇張する。そんな塾があると聞く。馬鹿げた戦略だが、それを真に受けてしまう親子もいる。危機感は生徒本人が持つのはいいが、親が過剰に持ってはだめだ。中1以上であれば、親は冷静に分析し、尻を押すサポートに徹すればいい。親が前に出るケースの時は子が伸びない。正面に座りまくしたてる親。尻込みするか、他人事のような死んだ表情の子供。入塾時の面談で思うことだ。

 世の中に塾は無数あるが、本当に個に対応できる神のような塾がいくつある。みんな似たり寄ったりではないか。サービス合戦は飽和を迎え、売り文句も陳腐そのもの。「できる」「わかる」で本当にできるようになったら、とっくに生徒で溢れている。上位校100名合格。そりゃそうだろう、校舎が100近くあり、一人でいくつも受かってるのだから。塾の質を問う時、普通と秀逸の境界は生徒ごとの伸び率に集約される。そこを見抜き、わが子をどのシステムに乗せるか慎重に考えない限り、失敗は繰り返される。「この子には大勢のクラスは合ってなかったみたい」と軽く言う親。何度も見た、親身な指導というものを知らない疲れた子供たち。笑顔を与えてあげたい。






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最終更新日  2006.03.21 01:17:15


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