GOAL通信

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2006.11.29
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カテゴリ: 雑記




 教室へ向かう時、近くの書店の裏道を通ったのだが、ある物が散乱していた。

 本のスリップ (管理カードとして挟まっている短冊のようなもの) だった。

 およそ20枚はあろうか。破られたビニールも周辺に幾つか見られた。

 恐らくコミックだろう。

 ピンク色のスリップは講談社のものだ。


 私は一瞬躊躇したが、書店まで戻り、状況を店員に告げた。

 前職の性か、何だか素通りが出来なかったのだ。



 「そうですか、どうも済みません」

 女性店員はさっそく学生バイトを回収に向かわせたようだった。

 その後の処理と対応が何だか見えてしまい、やるせない気分になった。



 本屋という仕事は儲からない。

 低単価の商品だけに、数をさばかなくては利益が出ないのだ。

 物販には仕入れの掛け値があるが、本の場合はそれが異常に高い。

 大手取次の掛けは大体77~78%。

 通称「ななはち掛け」と呼んでいるが、販売しても定価の2割強しか利益にならないのである。

 「委託」といい、返品が可能なため、こういう厳しい設定が慣例化している。



 雑誌や話題の本を日に200冊売っても、平均単価900円なら、18万円である。

 これはあくまでも日商。



 休みなく営業して、30日で120万円。そこから、家賃・維持費・雑費・給与を引くと、ほとんど残らない。

 小さな書店なら、販売冊数はもっと少ないだろう。

 レジの鳴る間隔を考えてみて欲しい。

 とても人など雇えない。

 欲しいベストセラーが頼んでも入らないという、流通の問題もあるが・・・。





 私はそういう店を幾つも見てきたが、今や万引きは書店経営の死活問題となっている。

 例えば1000円の本を1冊やられると、780円分の返品ができなくなり、それはそのまま店の損失になる。

 その分を取り返すには同額の本を約3.5冊売らなくてはならない。

 もちろん3.5冊売ってやっと元であり、何ら利益はないのだ。

 高額な専門書・写真集・DVD・ビデオなどをやられると、月間ですぐ数十万の額になる。

 年間200万円でも、損失は156万円。

 何ヶ月分の家賃だろう。

 先ほど委託と言ったが、委託といえど3ヶ月で掛け率の支払いが発生する。

 だからこの156万円は、商品がない以上、売れたものとして取次に支払わなくてはならないのだ。



 万引きの被害が最も多いジャンルはコミックだが、小中学生がゲーム感覚でやるから始末が悪い。

 発見しだい警察に通報するというのは、もはやどこでもやっているが、私の時は小中学生なら親を呼び教育指導して帰らせたものだ。

 何百人指導しただろう。

 泣く子、震える子、土下座する子、終いには可哀想になり、肩をたたいて帰したものだ。

 「もう、するなよ」

 「はい・・・」

 でも中にはまったく罪悪感のない子がいて、閉口したこともある。

 子供たちの善悪の感覚も問題だが、その親たちの意識のなさにも驚かされることがよくあった。



 ・・・・少し話がそれたようだ。

 この手のエピソードはまたの機会にしよう。



 商品ロスは、オープンディスプレイの店舗にとっての宿命。

 もはや互いの根競べでしかない。

 本屋の辛さが、苦しさが分かるから、今回は見過ごせなかった。


 みんな頑張って暴走を食い止めて欲しい。

 子供たちが健全な心で暮らせる街にするためにも。

 立場は違うが、塾は子供と係わり、導き育てる仕事。

 大人の視線で根気よく見守り、可能な限り協力していきたいと思った。





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最終更新日  2006.11.30 02:46:42
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