GOAL通信

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2007.01.28
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カテゴリ: 教室の運営



 確約なので、当日の試験や面接で信じられない失敗でもしない限り、みな合格する。

 だから難関校以外の私立は、合格して当たり前の風潮がある。


 だから、合格して当たり前。

 果たしてそうだろうか。


 そんなものなのだろうか・・・・



 15の冬。

 生徒たちはみな真剣に学び、受験という大舞台に立つ。



 自力で突破し、その先にある光をつかもうと必死だ。


 私立単願の者も、公立併願の者も、一緒になり今日を頑張っている。

 健気に立ち向かっている。

 みな合格を目指している、素敵な仲間たちだ。


 高校受験は、その後の人生に繋がる貴重な経験。

 苦しみ、試練を乗り越えながら、心を育てていく。

 友と立場を分かち合いながら歩み、親や先生と将来を語り、

 そして自己を見つめ、悟り、希望を抱き、時と闘っていく。

 そうしてみな、大きな財産を手に入れていく。




 縁があり、ここで一緒に学び、受験を迎えた仲間たち。

 その一人一人に、可能な限り勇気を与えてあげたい。



 不安な心を、サポートしてあげたい。

 みな苦しんでいる。

 苦しんでいればこそ、温かみを与えてあげたい。


 だから、


 私立が受かった時も、私は最大限の祝辞を与えてあげる。






 合格して当たり前ではない。

 ここまでの経緯があり、努力があり、受験校があるのだ。

 試験会場で答案を埋め、人生で初めて本人が勝ち取った栄光。

 私はそんな子供たちの前途ある日を、最大限祝ってあげたい。


 その喜びの度合いは、本人が一番知っている。

 嬉しさの表情の奥には、辛い努力の足跡がある。

 私はその今日までの歩みを称え、明日への自信に繋げてあげたい。



 塾は、併願校だからと、喜びの質を変えるべきではない。

 私はそう思う。

 受験というストーリーの中に用意された関門。

 それは、私立も公立も同じなのだ。

 一連のドラマを、みなが懸命に演じている。


 いいではないか。


 成果を誉めてあげれば。


 悩み、闘い、自分を信じた結果、手に入れた私立合格。

 友も、親も、先生も、みんなが祝福し、努力の成果に言葉を添えてあげる。


 素晴らしいことだと思う。




 あるブロガー先生は、私立高校合格などどうでもいいことらしい。

 どうでもいいから、報告を受けてもおめでとうの一言も言わないらしい。

 おめでとうを言うと、子供の魂が抜けるらしい。

 考え思想は人それぞれなので、批判はしない。

 だが感想として、強い嫌悪を覚えた。


 公立合格のために気を抜くなと、あえて鬼になって言っていることは分かる。

 それが本人のためなのだという「愛」も汲み取れないわけではない。

 だが、考えも行為もあくまで私と対極。


 山登りをし、当座の目標である9合目までたどり着いた時、

 私なら9合目達成を誉めるだろう。

 頑張ったからここまで来れたのだと。

 自力で重ねてきた努力を称え、モチベーションを気遣うだろう。

 そして背を押してあげ、最終目標である山頂へ送り出すだろう。


 この先生のように冷徹に見送ることは出来ない。

 それは私が甘いからかも知れない。

 だが、成績を上げ結果を求めていく他に、

 塾には「与える」という大きな使命があると思っている。

 心に響くものを、未来に繋がる言葉を、そして体験を。

 子供たちがリアルに感じていることに、そっと手を差し伸べてあげる。

 締めるべき部分は締め、解放すべき時は解放する。

 そんな泥臭い、人間的な空気を大切にしたいのだ。



 私立で浮かれてはいけないということは、当然私も言っている。

 だが私の場合、それは言葉で解決するだろう。

 誉め言葉を制御するのではなく、目いっぱい誉めてから、次に目を向けさせるだろう。

 笑顔を体感させながら、次のステップを踏ませるだろう。

 だから、この先生のようなスタンスは、私には取れない。



 後日、別の先生も、「私立は合格して当たり前で喜べない」という趣旨の日記を書かれていた。

 この両先生はもの凄く立派な方で、見習う点は多々ある。

 だがこの考えは、生徒指導の根本に係わる大切な部分。

 そのズレがある以上、申し訳ないが、一度リンクを外させてもらおうと思う。

 そして、自分としても冷静に考えてみたいと思う。

 突然、一方的で申し訳ないが、どうにも納得がいかないのだ。



 「私立は合格して当たり前で喜べない」

 そんなものだろうか。

 仮にそう思ったとしても、日記で本人に伝えるべき言葉だろうか。

 戒めなのか、否定なのか、

 表現の工夫に強い疑問を感じる。


 合格してもだれも喜んでくれないマイナスの状況と、

 「やったな、よし、その調子で1か月後も突破だ!」「はい!」という、前向きなプラスの状況。

 塾の空気は様々だが、私なら常に後者を選ぶだろう。

 リズムを保ち、ツキを次に繋げていく。

 当然、第一志望に合格して欲しいから。



 私立合格は、公立に向けても好結果の喜ばしいこと。

 生徒にとって一連の入試という、この慌しい期間。

 長い闘いの総決算をする、精神的に一番辛い時。

 人生初めての合格通知に、「頑張ったな、おめでとう」と声を掛けてあげる。

 私はその気持ちを忘れたくない。

 一緒に歩んできた講師も笑顔で迎え、祝福する。

 そんな、人として自然な行為を、

 生徒にとって支えになろうが、なるまいが、続けていくつもりだ。




 この教室で、一緒に試練に立ち向かっている友たち。


 みな目標はバラバラだ。

 だが、ゴールはもうすぐ来るだろう。

 この教室は、みんなのために開けている。

 悩みも、喜びも、何でもぶつけにおいで。

 先生たちも一緒に歩んでいきたいと思っている。



 15の冬から、15の春へ。


 思春期で、独り思い、頑張っている君たちのために。


 温かい空気をいつも忘れずに。





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最終更新日  2007.01.28 05:03:31
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