GOAL通信

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2007.04.28
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カテゴリ: 生徒たち



 こう質問されて、本当に詳しく説明できる者はまずいない。

 大抵の生徒は、「○○が苦手で、特に○○が全然分からなくて困っている」というように、自分の弱点を言ってくる。

 塾というものが、勉強の悩みを相談し、サポートする機関だから。

 それは確かに頷けるが、では学力というものは、弱点を確認することがすべてなのだろうか。



 何故自分を語る時に、長所や得意な点には触れないのだろう。


 勉強の質問をすると、中にはこんなケースもある。

 飛び込み面談での、中2の女子との会話だ。






 「全部」

 「全部って、少しはできるヤツもあるだろ?」

 「えーっ? ない、ない。だってバカだし」

 「勉強するのって、嫌いか?」

 「マジ、嫌い」

 「じゃあ、何で塾でやってみようと思ったの?」

 「うーん・・・・このままじゃヤバイっしょ?」

 「そうか、少しずつでも自分を変えてみたいんだね」

 「まあ、そうかも」

 「でも、勉強嫌いなんだろ? どうする?」

 「よく分かんないけど、教えてもらえば良くなるかなって」



 「えーっ、何とも言えないけど・・・」

 「きみって素直だね、先生好きだよ」

 「本当に?」

 「先生も何とか力になりたいな。だからきみのこともっと教えてくれる?」

 「うん、いいけど」



 「数学でしょ、英語でしょ・・・・あと理科・・・」

 「国語はどう?」

 「好きじゃないけど、本はよく読む」

 「そうか、漢字はどうだ?」

 「うーん・・・・まあまあ書けるかも」

 「ほう、いいね。社会はどんな感じ?」

 「地理はそこそこ点が取れたけど、歴史は最悪」

 「歴史って暗記ばっかりで面倒くさいよな。じゃあ地理は結構できるんだ」

 「できるって・・・・あっ、あの記号とか好きかも」

 「地図記号か?」

 「そうそう、それ。お寺とか、工場とか。前、テストで95点取ったんだよ、凄くない?」

 「へぇー、たいしたもんだね。先生より詳しいかもよ」

 「あと、理科のさ、動物が出てくるヤツ、結構いけるかも」

 「消化とか反射とか習うやつだね」

 「あっ、それダメ。じゃなくて、カエルとか哺乳類とか出てくるヤツ」

 「分類か。鳥が温かいとかやるやつだ」

 「それって、恒温動物って言うんだよ」

 「詳しいねぇ、結構知ってるじゃん」

 「でもテスト悪いし、バカだよ」

 「いや、そんなことないって。みんなが知らないこと色々知ってるし、頭いいよ」

 「そぅお?」

 「やれば、きっとびっくりするくらい伸びるよ。今までやらなかっただけだって」

 「でも、一生懸命やるの嫌いだよ・・・」

 「そうか、だったら、そんな気合入れてやらなければいいさ。あと、やろうと思っても、やり方が分からないんだろ?」

 「そうそう、どうやったらいいか、よく分かんない」

 「分かんないから、無駄な時間がどんどん過ぎてっちゃう」

 「いくらやってもテスト最悪だし」

 「でも、いい点取ってみたいだろ?」

 「そりゃあ・・・・」

 「だったら、先生にきみのカルテを作らせてくれないか」

 「カルテ?」

 「医者が書いてるやつだよ。きみの弱点も得意な点も、詳しく記録して、アドバイスしてあげる」

 「そんなんで、勉強できるようになるの?」

 「もちろん。成績を上げるためには、色んなデータが必要なんだ。そのかわり、生活とか遊びとか、勉強以外のことも正直に答えてもらうよ」

 「遊びまで?」

 「一日の使い方とか性格とかって、結構成績と関係あるんだよ」

 「はいはい、でも親には言わないでね」

 「そうか、バレるとまずいことしてたりする?」

 「そうじゃないけど、勉強するってなったら、しないとうるさいから」

 「大丈夫だよ。少しずつ、マイペースで頑張っていけばいい」

 「はい、じゃあ・・・やってみる」

 「よし、いいねえ。じゃあ色々聞くからちゃんと答えるんだぞ」

 「オッケーです!」




 話の流れの中で、必ず、できる部分を探っていく。

 そして、拾って誉めてあげる。

 生徒の表情が和らぎ、語りの 「リズム」 が変わる瞬間だ。


 前半と後半の語調の変化にお気づきだろうか。

 生徒は自分から得意なものは語ってこない。

 何かしらのコンプレックスを持ち、この場に座っている。


 苦手な部分のチェックで終えてしまえば、生徒の芽は拾えない。

 我々はあら探しをする審査員ではない。


 あくまでも可能性が先行している。

 その可能性を伸ばせるものと、引っ張るものを、正しく捉えてあげる。

 砕けた言葉で会話を楽しみながら、

 自信を持たせ、明日への魅力を説明してあげる。


 「やる気」 は、すべての根源。

 そいつを引き出し、ルートに乗せてあげるのが面談の本質なのだろう。

 そう思っている。





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最終更新日  2007.04.29 01:14:17
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