GOAL通信

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2008.07.20
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カテゴリ: 生徒たち



 定期テストで素晴らしい結果を残した。


 彼の数学の点数。

 中間100点、期末100点。

 同一学期での連続満点は、塾内でも初の快挙である。



 彼は塾の授業は元より、時間があれば塾に残り、

 常に集中して課題の解明に取り組んでいた。

 その地道な努力の成果が出て、私も嬉しかった。




 決して数学だけが出来るわけではなく、

 全科に真剣に向き合い、真面目に努力を重ねてきた生徒だ。


 先日も面談し、志望校を含め、今後の計画を確認したばかり。

 1学期の手応えを踏まえ、この夏は更に頑張り、

 高い目標校にチャレンジしたいと彼は言っていた。


 私もその姿勢に、凄く強い意欲を感じた。




 終業式の日、授業後に話す機会があった。


 通知表の成績を聞いて驚いた。

 中間、期末で100点の彼の評定は、

 何と、「4」だったという。


 その評定になった原因を色々訊いてみたが、





 授業中も真面目で、提出物もしっかり出している。

 授業の開始時に駆け込み、ほんの数秒遅れたことがあったというが、

 それ以外は何ら問題のない、模範生である。


 もし先生がそこを減点し評定を決めたのなら、

 何とも理不尽な判断だ。





 ダントツの学年トップなのである。


 師の指導する学習内容に、最高の努力と理解を示しながら、

 基準の不明な評価に引っかかり、正当に評価されない。

 授業中に注意を受けたとか、目を付けられているとか、

 具体的な事例があるのなら分かる。

 だがそんなものは一切ないという。


 彼の失意は、計り知れない深いものだろう。



 頑張って最高の結果を出し、それでこの評価なら、

 彼は次に何を目指していけばいいのか。


 生徒の士気というものを、一体どう捉えているのだろう。


 二人三脚で指導してきた我々塾の関係者にとっても、

 これは簡単に見過ごすことは出来ない。



 そもそも評価というものの最大の視点は、

 理解度というものではないのか。

 そしてそれは試験結果に鮮明に表れているはずだ。


 彼より理解の劣る者が「5」を取っている。

 確かに彼らも90台を連発しているが、満点ではない。



 95点ではない。

 97点でも、98点でもない。


 満点を取ることがどれだけ努力の要する、

 どれだけ大変なことか分かっているのだろうか。


 しかも連続で最高の結果を出しながら、訳の分からぬ結果を付けられる。

 そんな判定があるだろうか。



 今回の評定は、そのまま私立高校の個別面談で使われる。

 到底そこまで考慮しているとは思えない。



 その夜、彼は元気がなかった。

 それはそうだろう。

 受験に係わる成績記録には、100点という数字は残らない。

 彼に残るのは「4」という評定だ。


 飽くまでも「満足のいくある一定の理解度」であり、

 「その中でも極めて高い理解度」ではない。



 私はこういう評価の付け方を見る度に、

 生徒の意欲が消え、不信感が膨らんでいくようで心配だ。


 中1ではない。

 総決算である中3の1学期なのである。

 仮に戒めがあるなら、直接生徒に告げればいいだろうに。



 試験が悪くても授業中の態度が良ければ高く評価される。

 姿勢や波長が先生に認められれば、高く評価される。

 そんな、絶対評価の矛盾が多すぎやしないか。



 通知表というものは、

 私情を抜きにした、

 学びにおける本物の理解度の記録であって欲しい。


 いわゆる天才的な「才」の芽を摘んでしまうほど残念なことはない。



 今回の彼の場合は、どう判断しても納得がいかない。

 私が親なら間違いなく学校に説明を求めている。


 私も息子が中3の時、学年トップを取りながら「3」を付けられた時があった。

 学校に出向き、教頭を含め3人の教師と激論し、

 評定を上げてもらったことがある。

 この時は教師の主観に問題があったと学校が認めたのだが、

 何とも情けない評定の付け方である。

 私がデータを見せ正論で指摘すれば、簡単に修正してしまう。

 そんないい加減な基準で付けているのかと、呆れたものだ。



 今回のケースを見ていると、

 何だか当時のことを思い出す。


 絶対評価の矛盾には常時頭を痛めているが、

 今回の報告でその不信感は決定的なものになった。



 塾で理解を高め、成績のスコアを上げても、評価されない。


 保護者に、生徒に、どう技術提供をすればいいのか。

 要領よく認められる学校生活を送りなさいとでも言えばいいのか。


 残念な思いと、彼の表情が重なっていく中、


 いつまでも回答が見えない。





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最終更新日  2008.07.21 00:38:04
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