GOAL通信

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2008.10.17
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カテゴリ: 教育全般



 だから、単元による好き嫌いが出て当然なのだ。


 そのことを現実で一番感じているのは、子どもたち本人である。

 我々指導する立場の者や、親たちは、

 それをどこまでしかと受け止めているだろう。



 因数分解が出来ない。

 物理分野の理論が把握出来ない。

 英文を見てもその構造がさっぱり分からない。





 分からないのである。

 まったく興味がないのである。


 大人たちは、まずその心理を受け入れ、

 そこから最善の接し方と、処方箋を掴ませてあげなくてはならない。



 これは奇麗事ではない。

 数多くの子どもたちと接し、経緯を見守ってきた、

 私の教育の帰結点でもある。



 ある簡単な定理を学び、問いを解いていく時、

 定理に興味を示す子もいれば、定理すら覚えられない子もいる。

 普通ならば、一度で理解し次へ進めるものが、

 五回、六回と繰り返し吹き込んでも、理解出来ない。





 大人は覚えることを前提に考える。

 だが、興味を持てない子どもたちは、壁をつくり、

 学びの手順やルールそのものを拒絶していく。

 そして、何もせずに諦めることが、一番の安心になっていく。


 子どもたちの心を汲み、そこにどんな手が打てるか。





 白け切っている子どもたちに、「こうすればいい」 という言葉は、

 結局、「こうしろ、そしていい加減先に進めよ!」 という、

 強制の響きを持つようになる。



 好きなところから、できる分野から。

 こういう導き方をする師もいるが、

 それは違う。


 絶対に違う。



 学びの手順や強弱を子どもに任せても、何も解決はしない。

 好きなところをやり、その後人が変わったように夢中に勉強を始めるだろうか。

 急に分からない分野に没頭し始めるだろうか。


 学びというものは、自身で吸収していくもの。

 何を軸に置き、何を大切に膨らましていかなくてはならないか。

 それは、大人がこだわり指し示すべきものだ。


 嫌いな、出来ない分野も、今ここでクリアすべきことが手順であるならば、

 絶対に導く手綱を緩めてはいけない。



 心を汲み取るということは、

 相手の得手不得手を呑み、楽な方向に導くことではない。

 常に成長していく先を見据え、ビートを工夫しながら先導していくことだ。


 組み立てを根本からいじるのではなく、

 接するあり方を受け手にリンクさせていくことにある。



 大人のビートが不変ならば、子どもはついて来ない。

 そしてやがて、興味を得ることなく崩壊していくだろう。


 力で押さえようとしても、

 これが正道だといくら説いても、

 子どもたちに、動こうとするための 「価値」 が見えない限り、

 歯車のような精密な回転は生まれたりはしない。



 そのことを師や親たちはもっと素直に受け入れなければならない。


 素直に認めなくてはならない。


 その上で、どうすれば回転していくのかを、

 五歩も六歩も退いた地点から、じっくりと認めていかなくてはならない。



 分数計算の概念が分からない。

 歴史の時代感覚が何度やっても身につかない。

 英文法が死ぬほど理解出来ない。


 子どもたちも最初は理解しようと試みた。

 だが、興味を持てずに、今は手の届かないところにある。



 これではまずいと思っている者。

 「もういいかな・・・」 と、糸を手放そうとしている者。

 彼ら子どもたちの心を汲み、明日へ送り出せるのは、

 我々大人たちのシグナル。



 我々大人が医師ならば、患者である子どもたちの症状をよく聴き、

 最善の処方箋を温かく与えてあげたい。


 自分がどういう状態なのか、正しく把握し伝えるのは子どもの役目。

 我々は独断で病の深部まで手を伸ばしてはいけない。

 子の語りや様子をしっかり記録し、

 何をどうすればいいのかを、安心できるかたちで持たせてあげればいい。



 数百という分野に覆われ、溺れかけている子どもがいる。

 必死に立ち上がろうとしている子どもがいる。

 歯車のような回転を思い描きながら。



 心を掴んであげること。


 傷みを分かってあげること。


 師も親も、絶対に忘れてはいけない。





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最終更新日  2008.10.17 03:00:36


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