GOAL通信

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2009.07.05
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カテゴリ: 教室の運営



 無言のまま書き込まれた文字をじっと見詰めている。


 手で隠したり、筆入れでフェンスをしても無駄だ。

 即座に取り払い、書き込まれた答えを晒してもらう。



 以前にも書いたが、私は無駄な説明はしない。

 問題を見落としているのなら、その問題の該当する部分に線を引き、

 本人に気付かせる。


 距離を求めよと問われているのに、速さを答えている。

 その時私は、



 本人の問題用紙の「距離を求めよ」の「距離」という語句に線を引く。


 無言でただ線を引く。



 生徒は気付き、すぐ消し、懸命に計算し直す。

 そして出た答えにGOODのサインを送る。


 首を捻るなら、ボードにサインを書く。

 決して答えを前提とした解説はしない。

 本人が自力で答えを導くまで、段階を追ってひたすら待つ。



 このやり取りに会話はいらない。

 闇雲に説明すればいいというものではない。

 本人に強い印象を与える指導というものは、

 必ずしも言葉がなくてはならないとは限らない。




 その印象が経験として生きてくれることもあるはずだ。

 そう思い、この対峙作戦はずっと続けている。



 私に見つめられている気配を感じ、

 生徒たちはペンに力を込め常に緊張している。

 緊張し、正しい答えを書かねばと慌てている。




 審査員は私一人だ。


 こういった空気は、集中力を刺激する上で貴重なものと思っている。



 3問解き終わった生徒に、告げる。


 「一つ間違えているぞ」


 生徒はどれですかと訊くが、私はどれかは教えない。

 全体を見直し、自分で発見することに意味がある。


 不思議なことにどれが間違えているか本人も察しが付いていて、

 苦悶の末、正解にたどり着けることが多い。

 私はこれは答案を作成するための大切な訓練だと思っている。



 ここだよと指摘するのはた易い。

 そうせずに、本人に全体を俯瞰させ、辻褄を一つ一つ検証させ、

 誤りを発見するまでじっと待つ。


 それは大切な「解く」ための訓練だと思っている。



 複数の仲間で組むクラスならば、

 「○○遅い!」

 と、敢えてはっぱを掛ける。


 指摘された生徒は焦るが、それも一人では味わえない訓練だ。


 これは指摘されなかった他の生徒たちにとっても、

 プラスの緊張を生む。

 次は自分が言われるかも知れない。

 その空気が、授業密度を生む。



 私は生徒たちのペン先をじっと見詰める。


 誤字は無言で指し示し、ボードに正解を記す。

 間違いが書き込まれたなら、問題に線を引く。

 修正し正解が導かれたなら、OKサインを送る。


 会話はいらない。

 私の指摘がなければ○なのだ。


 一人ずつ答案を目にし、返していく。


 「みんなOKだ、よし次いくぞ」



 答え合わせの不要な授業。

 解く過程ですべて解決させてしまう授業。


 大半がそうなりつつある。





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最終更新日  2009.07.05 23:50:10
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