GOlaW(裏口)

2006/11/11
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『持てることと持たざることは同価値』
  ──錬金術、『等価交換の法則』

 これは“想像力を失うことで記憶を得、周囲の理解を得ることで親友への依存を失う”男性の物語。


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 当管理人は1~5話をぶっ続けで見ることになりました。

 11/8、一日目は『直前SP』と第一話・第二話。
 …分かってはいたのです。『僕道』シリーズは一・二話が『重い』ということを。

 テルに徐々に溜まっていくストレス。主人公の感情が読めない不安。義姉の子供に対するスパルタ。『親友への過剰な依存』が壊れる瞬間…。
 蚤の心臓を持つ自分は、何度耐え切れずにDVDを止めようとしたか(汗)。

 そんな1・2話を『CM無し』でぶっ続けで見ている自分の気持ちを緩和したのは、三浦君の変化でした。
 戸惑い、疑問、苛立ち、怒り、否定、罪悪感、ささやかな償い…。
 それら一つ一つの気持ちがすごく理解できますし、そんな自然な変化に、思わず泣きました。
 “誰かを理解すること”は、きっと“自分の感情や考え方の可能性を開く”ことになります。その瞬間を目撃できたことに、嬉しさと興奮の両方が込み上げました。


 無理をして、三話の中途半端な時点で終わったら、今度は私が眠れなくなりそうなので(苦笑)。

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 11/9、二日目。この日は忙しく『第三話』のみ。

 真樹の、
>「幸太郎は誉めると調子に乗ってダメになるタイプなんですよ。」
に、鳥肌を立てました。

 ドラマ『エンジン』などの解説で、
“子供が精神的な安定を得るために存在意義を感じるには、親もしくは親に代わる相手からの『存在の肯定』を感じなくてはいけない”
とは常に力説していますけれど(『カウンセリング』の基礎を学んだ時に、『精神医学』での概念の一部を通して実感したこと)。
 それでもそんなことを知らずに、
『子供に否定だけを与え続け、もしくは勉強以外のことを蔑視し、存在意義を奪い続ける親』
は世間に溢れているんですよね。


 ただ子供に『存在することそのものが、親にとってかけがえの無い喜び』であること、『結果ではなく、そこで生きている姿を受け入れている』ことを、伝えてあげて欲しい。
 そのことが、子供の精神状態に大きな影響を与えるんです。
 真樹にも、そのことを理解して欲しいですよね。

 でも親は、子供の感情が分からないんです。そんな時に『消えたい、自分の存在をこの世から痕跡ごと消したい』と感じるのに。
 特に『死ぬ気で頑張っても、それを認められなかった』ときの子供の絶望はすごい。でも、親は『頑張った』ことすら認めませんし。

 その悪循環から親子関係も悪化し、心身症を発症したり、他の行動にも影響を受けたりしていく可能性もあります。

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 10/10、第四話&第五話を視聴。

>「私が代わりに怒ってあげる」

 何よりも、回想シーンのこの一言に衝撃を受けました。
 頭の中では、何度も反復した言葉です。でも、不意に音声として出逢った瞬間、『その言葉の重さ』に、息を飲みました。

 思わず数ヶ月前に自分が書いた、サイト小説のその一文を読み返してしまいましたよ(滝汗)。
 サイト小説は、架空の精神疾患を扱ったもの。でもその症状と患者の負担を、頭の中で捏ね繰り回すだけで、ちゃんと理解していなかったのですね。その事実に、私は打ちのめされました。
 数ヶ月前に書いたばかりの台詞、状況であっただけに、自分にとっては生々しかったのです。

 サイト小説の方は、もう引き返せません。『症状の辛さ、重さ』をちゃんと受け止めて、描いていかなくてはいけないことを、改めて自覚させられました。

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 表情に、感情を示せない。ただ、その湧き上がる衝動を、体の震えで示す。
 そんな細やかな芝居と、それを丁寧に拾ってい演出には舌を巻くばかりです。


 草なぎ君には『純度120%』の役柄を一度やってもらいたいな、と思っていました。
 でも、私が想定したのは、『記憶喪失により、儚いほどに不純なものを全て削ぎ落とした状態』の人間というもの。
 …まさか、180度違う意味での純粋な人間を演じることになるとは、想像もしておりませんでした(苦笑)。

 このドラマのビデオの後、『SMAP×SMAP』の草なぎ君を見たりすると
「本当に同一人物なのか?」
と思うことがしばしば。
 演出や脚本、共演者の力が凄いから、ここまでのギャップを引き出すことができたんですね。


 共演の田中圭さんは、本当に草なぎ君のファンなんですね。インタビューを読んで驚きました。
 まるで『ハン・ソッキュさんを見るときの草なぎ君』みたいです。…田中さんのファンが妬いてるな、これは(笑)。
 ここまで手放しで思いっきり(友人として)大好きだと言ってくれたのは、深田恭子ちゃん以来の二人目じゃないでしょうか。
 本当にありがたいことです。

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 テルの記憶力とは、 『左脳欠損補償症(サヴァン症候群)』 なのかもしれませんね。
 私が『サヴァン症候群』を知ったのは、上記リンクにもある『トリニティ・ブラッドROM』六巻でした。

 テルは先天的な障害と言うことなので、サヴァン症候群である可能性大きいですよね。

 記憶の回路は、“持ち主が良く使う部分だけが残ったり、磨り減ったり、似た部分が繋がって改変されたり”することが知られています。そうすることで、より多様のことを覚え、発想できるんです。
 しかしテルの場合、“言葉や現象を、その通りに受け取り、記憶する”ことしかできません。
 それは、彼の枷であり、祝福でもあるのだと思います。

 テルが経験する全ての記憶を、どのように整理し、感じているのか。『記憶ネタ』好きとしては、それをハラハラしつつ見守りたいと思います。

 余談ながらSMAPのドラマにはもう一つ、瞬間記憶能力者が出てくるドラマがあります。ずばり、『空から降る一億の星』です(『空から…』の主人公は、トラウマがきっかけで瞬間記憶能力に目覚めました)。

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 『劣っている』という概念に対して、私が最初に疑問を持ったのは、 『代償機能』 という言葉を知った時でした。
 例えば『目が見えない人は、健常人の倍の速度の聞き取りができ』たり、『片足を損傷した代わりに、反対側の足に筋力が付い』たり。
 それは、肉体の不思議であったり、本人の努力の賜物であったり、状況により様々でしょう。


 そして『優れている』という言葉に懐疑的になったのは、『スティグマ』という言葉に触れたときです。
 その本には誤用ではありますが、こう書かれていたのです。“優れているが故の、偏見の被害やコンプレックス”と。
正確な意味 は全く違うのですが、
“あることに優れていても、そのことの為に不具合を受けることがある”
ということに、その時気づかされました。


 その二つをあわせたとき、思ったのです。
“ある基準、ある局面では、人には優劣があるだろう。
 しかし、違う局面、違う基準で見たときに、優劣は簡単にひっくり返る”
と。

 第三話で幸太郎がテルを通して体験したのは、まさしく“優劣や印象がひっくり返る”瞬間だったのでしょう。

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 『優劣』について、そう考えている時に出会ったのが、
“持てることと持たざることは同価値”
という『等価交換の概念』でした。

 某アニメのおかげで『何かを手に入れるには、同じだけのものを失わなくてはいけない』という意味ばかりが有名になりましたね(笑)。
 数学の証明問題ではありませんが、その『取引の意味』が成り立つのならば、『対等である意味』も成り立ちます。

 例えば『A』というものを持っている★と、『A』を持っていない◆が居ます。
 『A』を持っていない★は、『A』を持つ利益を持たない代わりに、『A』を持つ不利益を得ません。
 『A』も持っている◆は、『A』を持つ利益を持つ代わりに、『A』を持つ不利益を得ます。
 +-を考えれば、★も◆も結果は等しいのです。

 つまり、全ての人が、等しいのです。

 このドラマの副題は『Everybody is parfect.』。
 『持つことも持たないことも、全ては同じく完全なのだ』ということだと、私は理解しています。

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 ただ『障害者』にとってこの社会は少し生き難いのは事実です。
 それは『大多数であり、平均』である『健常者』を基準として、社会機能が構築されているからです。

 社会機能が『平均』を基準としているのは、必要なことだと思います。
 ただ『平均』に対して、その差を補う工夫は絶やしてはいけませんし(視覚障害者の方々のための点字、聴覚障害者の方々のための補助犬など)、私たちも思いやりを持って接しなくてはいけないと思います。
 そう、『思いやり』あるいは『惻隠』です。

 『惻隠』は古くから日本にある言葉であり、概念です。
 相手の不利な部分に対し、そっと手を差し伸べること。その思いは、『友人や家族に向ける、親愛であり思いやり』と同じものであること。

 そんな『惻隠』で接していくことが必要なのだと私は思うのです。

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 全ての人は等価のものを持っています。多かれ少なかれ、助け合うのが当たり前なのかもしれません。

 きっと、テルの存在が周りの心に響くように。
 互いに互いの心に響き、変化をもたらしていくのでしょう。形あるもの、無いものに関わらず、助けあい、与え合っていくのでしょう。

 そんな当たり前のことに、気づかされます。

 テルがどう代わっていくのか、ゆっくり見守って生きたいと思います。

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 全ての人は等価を持つ。
 そして『何かを失えば、何かを得る』。

 ならばテルは、都子を失うことで、何を手に入れられるのだろうか。





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Last updated  2006/11/11 08:28:55 PM
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