誤と魔のおまけ

誤と魔のおまけ

2013.11.17
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
ある集まりの化石収集に参加した。子供が参加する取り組みなので、本格的なものではないのだろうけれども、化石を収集する何て事はこれからの人生でもそうはないのだろうと思いつつ、仙台の街中を抜け、高速道路の下を通り、車一台しか通れない土手を86で走る。運転は妻だ。僕はこんな狭い道を新車のスポーツカーで走るようなつもりもなく、この車にしかETCが付いていないので、しかたがなかった。仕方がなかったが、運転好きの妻とはいえ、あんな道は二度と走りたくない、とのことだった。
草野球の練習しているのを横目に、しばらくのろのろと進むと、看板を持った方が声を掛けてくれた。
車はそのまま草むらに駐車する。指示された草むらはあまりにも草むらだったため車高が低い不安は大きかった。妻はそれを無視して奥の比較的浅い砂利敷にとめた。

河原へ移動する。
この辺は地層が斜めに走っていて、約1300万年〜300万年ほどの前のものらしい……が、それより僕は産卵が終わったであろう鮭の屍骸と、まだ生きている鮭が口をパクパクさせている必死さに胸を打たれた……と言うことはほぼ、どうでもいいことだった。

渡されたハンマーでタガネを打つ。時々左手に接触し辟易しながらも掘る。
「あら、これなにかしら、あなた」妻は粘土状の柔らかい破片を僕にしめす。そこには小指の先ほどの二枚貝と思しき貝殻がはっきりと残っていた。
「あったね!」と喜ぶ僕たちの後ろで「あ!これは鮫の歯ですね!」と男性が見つけた化石(劣化していない歴とした歯だった!)を撮影している。
娘は一生懸命ハンマーをふるっているが力がないのであまり掘れていない。時間が迫っている。娘はハンマーをふるう。まだめぼしいものは何一つ出ていない。僕は掘った先にシジミみたいな貝の稚貝の破片を見つけたが、僕はそれを掘った際に傷つけていた。娘は「もう、みつからないよ」と半泣き。

「はい、終了です!みなさん忘れ物に気をつけて先ほどの集合場所に移動します」
まもなく、そのようなアナウンス。
娘はべそを書きながらあるっていく、僕はその背を追った。
歩いていく足元は1300万年も前の時代に堆積したものだ。それが泥状になっている。生臭い。これは死んだ鮭の匂いか河の匂いか……でも、僕は多分だけれども1300万年前とはいわないけれども、そんな随分前のここのあたりのような場所はこんな生き物じみた匂いがしていたんだろう、と思った。街で暮らしていると、圧倒的な物を忘れてしまいそうになるが、時々こうやって思い出してやらねばならないのだろう。
まあ、娘ははらこ飯を食べたらご機嫌だった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.11.17 23:52:26
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: