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◆西園弖虎◆

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めぇ@ Re:そんなヤツに愛しさを感じる ひさしぶり☆ そんなネタみたいなことあるん…
ちゅぅたw。 @ Re:そんな一日を終えました。(02/17) ご苦労サン。 ちゃんと帰れたかぃ?
ねーやん@ Re:行事・イベント=○○○(02/14) 結局どっちも白いんじゃんw おさかんに…
ちゅぅたw。 @ Re:行事・イベント=○○○(02/14) ぁ~。ちゅぅもそう思うわw。 今日はラ…

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2006.02.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
19歳の時、4つ上の人と付き合っていた。
彼女は23歳、未婚、子供ひとり。
20歳の時にひとりで生んだのだそうだ。
一言で云えば私生児。
彼女自身も私生児だった。

彼女に出会うまでの僕と言えば、
ずっと続くと思っていた恋が、
妊娠したことにより距離を置き、
結果、破局したことにより若干自暴自棄になっていた。

ようやく前を見出した頃だ。

彼女は3つの仕事を掛け持ちしていた。
子供を保育園に送っていってから迎えに行くまでの時間。
迎えに行ってから夜まで。
そのあと、深夜のバイトをしていた。

いつ寝てるんだって思うだろ?
寝てなかったんだ。
仕事先へ向かう電車の中、
そして深夜のバイトの僅かな休憩時間が、
彼女の睡眠時間だった。
平均2時間ってとこだろうか。


彼女の生活を目の前にして余りにも餓鬼くさい自分が嫌になった。

そんな彼女が何故僕と一緒にいるようになったかは判らない。
時間の共有を重ねる毎に
見えていなかったものが見え始めた。

彼女が寝る時間を削って働く理由は借金。

彼女の母親が彼女名義で金を借りたのだ。
今ほど審査が厳しくなかった時代。
自宅に確認の電話をして、誰かが出れば審査が通った時代。
そして取立てが激しかった時代。

彼女の母親は男と住んでいたのだが
二人とも彼女の金に集ったのだそうだ。
『ひどいな…』
それが正直な感想。

大学を出たら彼女と一緒に住もう。
もちろん彼女の子供と一緒に。
そう強く思うようになった。

僕が抱く正直な気持ちを、これからのビジョンを伝えた。
彼女は嬉しそうに笑った後、顔を曇らせ、
俯いて泣き出した。
『大学出るまでの間しか一緒におられへん』

迷惑になるから。
それ以上の事を彼女は云わなかった。
僕は彼女が吐いた言葉を半分は理解しながら、
それでも三人で暮らす未来へ歩もうとした。
そして20歳になった。

心境に変化が現れるでもなく22歳になった冬。
彼女は中央区から北区のほうへと仕事先を替えた。
学生最後の冬休みが終わる頃、
彼女から電話がなった。

『寂しい』
受話器の向こうで彼女は泣いていた。
『会いたいよ』
――明日ゆっくり会えるよ
『うん』

その電話を最後に彼女とは一切連絡が取れなくなった。

そのあとすぐ阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件と続く。
彼女がどこでその時間を過ごしたのか知り得る術はなかった。

3年前、まだ付き合い始めて間もない頃、
彼女が云った『学生の間だけ』というのは真実となった。
迷惑になるという理由が本当なのか、
それ以外の理由があったのか判らないが、
彼女の生き方に大きく影響を受けて今の僕がいる。

彼女に偶然出会えるのなら、
聞きたいことは山ほどあるにしろ、
何事もなかったようにこう云うだろう。

『ひさしぶり。元気やった?』





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Last updated  2006.02.16 22:40:53
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